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えのきどいちろうの横浜スポーツウォッチング

vol.40「日曜日のウォーキング」

 9月13日の日曜日、ゆっくり朝寝坊を楽しんでから京急線直通の都営地下鉄に乗った。最寄りの浅草駅から快特で40分。僕の住む東京下町から横浜は案外近い。ゆっくり朝寝坊をしたのは前日、新潟へ行ってJ1第10節(第2ステージ)、新潟×横浜FMを見てきたからだ。ナイター開催だったのでクルマで帰宅したのが夜中の2時近く。ちなみに1対1のドローだった。中村俊輔がクロスバー直撃のすごいフリーキックを蹴った。

 

 で、日曜日、めっちゃのんびり山下公園まで来た。もう何かね、取材というよりは見物や物見遊山だ。「ヨコハマ・ワールド・ウォーク2015」というウォーキングイベントを見に来た。みなとみらい線の馬車道駅をスタートして横浜市の観光スポットを巡る企画だ。「中華街西洋館巡りコース」(約5km)、「みなとみらい周遊コース」(約8km)、「横浜堪能コース」(約12km)の3つのコースが用意されている。10時~12時スタートで、11時~16時のゴール受け付け。寄り道自由だ。ていうかコース設定もあくまで参考であって、10か所設けられたチェックポイントのうち4つをクリアすれば景品プレゼント。

 

 僕がゴール地点の山下公園に到着したのが11時くらいだから、まだ馬車道をスタートしてない参加者もいたことになる。もう、それくらい自由度の高いイベント。ゴールポイント脇のステージでは「YOKOHAMAスポーツ健康美祭」と銘打って、最初の出し物「横浜市道路局 交通安全アカペラ」チームの歌が始まっている。あぁ、何かもう忘れていた日曜日の感覚だ。家族連れでベンチに腰かけ、まったりしたい。

 

 僕は「ヨコハマ・ワールド・ウォーク2015」の立ち位置に好感を持った。スポーツイベントではあるけれど、まったく競争や競技ではない。山下公園には既に本格的ランナーや、ジョギング中の人や、ウォーキング中の人や、犬を散歩させてる人やなんかが大会と関係なくいーっぱいいる。で、大会だからってエラソーにしないのだ。その全体と溶け合っている。日曜日の光景になじんでいる。

 

 参加者が少しずつゴールし始めた。一番短い「中華街西洋館コース」だろうか。皆さんリュックを背負って、スポーツウェアではなくアウドドアルックっぽい普段着だ。それから横浜F・マリノスのレプリカを着た女性。背中が「BOMBER 22」だから中澤佑二選手のファンだ。申し遅れたがこのイベントには「横浜熱闘倶楽部ユニフォームウォーキング」という企画が乗っかってて、横浜DeNAベイスターズ、横浜F・マリノス、横浜FC、横浜ビー・コルセアーズのユニフォーム姿で歩くと、ゴール地点でプレゼントがもらえる。中澤選手は昨日、ビッグスワンで見たばかりだった。但し、女性の着ているトリコロールじゃなくて、アウェーのゴールドユニフォームだったな。

 

 ウォーキングについてちょっと考えたい。僕はスポーツ記事を書くことが多いけれど、スローピッチ・ソフトボールも水泳もジムもやめてしまって、今は自分ではウォーキングしかしていない。普段は「都営汐入公園」の隅田川べりコースを本拠としている。医者に勧められて3年くらい前、張りきって始めたのだ。で、半年くらい続けて足の裏が痛くなった。診断は「足底筋膜炎」。カンタンに言うと歩きすぎだ。僕は水泳に凝っていた頃、クロールのやりすぎで肩の腱鞘炎になったことがある。何事も過ぎたるは及ばざるが如し。

 

 以来、「歩きすぎない」がテーマになった。足底筋膜炎はランナーやジョガーにも多いらしい。こう、やり始めるとやらなきゃ気がすまなくなる。中毒というと大げさだけど、そんな感じもある。僕のとった作戦は1、「歩きすぎない」こと。2、いいシューズを買って足の負担を軽減すること。3、ノルディック・ウォーキング(スキーのストックみたいなポール使って歩く)を取り入れてやはり足の負担を減らすこと。

 

 ウォーキングは日常生活とスポーツの境目にある。別にウェア着てウォーキングコースに出なくてもいいのだ。(僕もよくやるけれど)仕事帰りに1つか2つ手前の駅で降りて、徒歩で帰宅するので構わない。もう僕は徒歩1時間程度なら当たり前の感覚になってるので、他人に話すとちょっと驚かれるくらい遠くから歩いて帰っている。帰り道という点は重要なのだ。汗をかいてもシャワーが浴びれる。シャツはすぐに洗濯カゴへ。

 

 で、この「遠くから歩いて帰る」は意外な収穫をもたらしてくれる。僕は普段、タクシーで通りかかるだけじゃ出くわすことのなかったタイ料理レストランや製麺所のうどん店や手作りベーカリーなんかを発見、家族の大好評を博している。立ち止まったり、気が向いた脇道に逸れたりがウォーキングなら自在なのだ。そのウォーキングの自在性は「ヨコハマ・ワールド・ウォーク2015」でもオミットされてない。だから、「記念日に使える隠れ家レストラン」の下見を兼ねていただいてぜんぜんオッケーという大会趣旨だ。換言すれば、ウォーキングはレストラン下見とスポーツの境目にある、のかもしれない(?)。

 

 山下公園の木陰のベンチに腰かけ、次々にゴールする参加者を眺めるうち、ふと根本的な事柄に思い至った。あれ、何で自分はここで眺めてるんだっけ? つい普段の習慣で「観戦取材者」の立場に身を置いているけど、何で自分は歩いてないんだっけ? 同じ市民参加型でも「横浜マラソン」はちょっとトレーニングを積まなきゃ難しいだろう。「ヨコハマ・ワールド・ウォーク」なら僕にも参加できた。アレかなぁ、前日の新潟日帰りでバテてると思って遠慮させてもらったんだっけか。

 

 脳裏にこれまで旅先でウォーキングした様々な光景がよみがえった。今年は松本市の旧制松本高校の通学路(『どくとるマンボウ青春記』に出てくる)を歩いた。去年はブラジルW杯で訪れたリゾート地、レシフェ(「サンゴ礁」という意味)の海岸べりを歩いた。一昨年は宍道湖の夕陽を眺めながら歩いた。本当に素晴らしい経験だった。何でハマの潮風を受けて歩いてみようと思いつかなかったかなぁ。

 

 

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えのきどいちろう プロフィール

コラムニスト

1959年8月13日生まれ
中央大学在学中にコラムニストとしての活動を開始。以来、多くの著書を発表。ラジオ・テレビでも活躍。

Book
「サッカー茶柱観測所」「F党宣言!俺たちの北海道日本ハムファイターズ」ほか

Magazine/Newspaper
「がんばれファイターズ」(北海道新聞)/「新潟レッツゴー!」(新潟日報)ほか

Radio/TV
「くにまるジャパン」(文化放送)/「土曜ワイドラジオTOKYO」(TBSラジオ)ほか

Web
アルビレックス新潟オフィシャルホームページ
「アルビレックス散歩道」

Web
ベースボールチャンネル
「えのきどいちろうのファイターズチャンネル」

※タイトル・本文に記載の人名・団体名は、掲載当時のものであり、閲覧時と異なる場合があります。

 
 
                           
 
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