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あんどうたかおのバスケにどっぷり

vol.164「ビーコル新ロスタ―と高校大会」

 

 

横浜ビー・コルセアーズ(通称ビーコル)の若い海賊・河村勇輝が、7月12日(火)~24日(日)の13日間インドネシア・ジャカルタで開催される「FIBAアジアカップ2022」に出場する男子日本代表メンバー12名に選出され、初の日本代表選手になった!

 

河村は「FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選」 Window3における7月1日のオーストラリア戦、3日チャイニーズ・タイペイと対戦したAKATSUKI FIVE(バスケットボール男子日本代表候補選手予備登録メンバー) 24名に既に選ばれており、この2ゲームが選考テストとなりこの中から12名を選考することになっていたが、出場したチャイニーズ・タイペイ戦での8アシスト5スティールの活躍が選ばれた要因だと思う。

 

ビーコルは、Bリーグの地区分けが従来の2地区制から3地区制に改正されたことにより、10月開幕の2022-23シーズンからB1中地区の所属となる。この結果サンロッカーズ渋谷、川崎ブレイブサンダース、新潟アルビレックスBB、富山グラウジーズ、信州ブレイブウォリアーズ、三遠ネオフェニックス、シーホース三河の計8チームが中地区となり順位が争われ、主にこの8チームを中心にカードが組まれる。

ビーコル来シーズンの開幕は10月1日vs広島ドラゴンフライズ(西地区)とのアウェー戦となり、ホームゲーム開幕は10月15日vs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(西地区)との対戦で、国際プールで開催される。

 

さてシーズン・オフとなると、各チームでスタッフや選手の入れ替えが行われる。優勝した宇都宮ブレックスに加え千葉ジェッツ、アルバルク東京という強豪チームのヘッドコーチが辞任したことはショックだった。

ビーコルは6月24日に2022-23シーズンチームスタッフ体制を、以下の様に発表した。

ゼネラルマネージャー:竹田 謙
ヘッドコーチ:青木 勇人
アシスタントコーチ:イゴア・ジャレティッチ ★新規
モンテネグロ女子代表チームAコーチ アルバルク東京Aコーチ
アシスタントコーチ兼アシスタントゼネラルマネージャー:山田 謙治
アナリスト:伊藤 大樹 ★新規 筑波大出身
通訳:山沢 健人
ストレングス&コンディショニングコーチ:藤田 基弘
ヘッドアスレティックトレーナー:米田 健 ★新規 元神戸製鋼、慶応義塾大蹴球部
アスレティックトレーナー:宮川 楓
マネージャー:中村 仁美、薄井 麻鈴

 

そして退団した選手も居る
・生原秀将(2019-22) ⇒信州ブレイブウォリアーズ(B1)
・古牧昌也(2021-22) ⇒バンビシャス奈良(B2)
・阿部龍星(2021-22) ⇒立川ダイス(新B3)
・土屋アリスター時生(2021-22) ⇒三遠ネオフェニックス(B1)
・レジナルド・ベクトン(2019-22) 未定
・レイトン・ハモンズ(2021-22) 未定
他チームへ移籍しても活躍を期待したい!

 

その一方で以下の3選手と契約した。
・赤穂 雷太(日本人) 196㎝ 6番⇐千葉ジェッツ

・チャールズ・ジャクソン(外国籍選手) 208㎝ 10番⇐広島ドラゴンフライズ

・デビン・オリバー(外国籍選手) 203㎝ 15番⇐仙台89ERS(B2)

 

赤穂は、2シーズン前に特別指定選手としてビーコルで9ゲームプレーしている。クレバーなバスケスタイルは、デビュー戦となるvs大阪エヴェッサ戦の土壇場で相手スローインのパスをスティールし、速攻に持ち込み逃げ切るというビーコル・ブースターに強烈な印象を与えているフォワード。
詳細は「vol.149 コービーと新ビーコル」(2020年2月13日UP)で。

 

赤穂が加わったことで、ガード河村+ガード・キング開との若く有能で優秀な海賊トリオが出来た。今までにない「能力溢れ強く安定した日本人トリオ」となり、これからのビーコルの核となるだろう。

このトリオに河村からのパスでの得点が有名な外から走り込むパトリック・アウダ(206㎝)、しっかりとしたインサイド(以下I/S)のジャクソン、オールラウンダー・オリバーの3外国籍選手のバランスが取れており強そうだ!!

そしてベテラン・フォワードNo.9森川正明とそろそろベテラン・ガードNo.18森井健太、若手フォワードNo.30須藤昂也、若手3PシューターNo.14大庭岳輝の日本人勢と、帰化枠No.32エドワード・モリスが控えている。
ここに日本人のガード、出来ればベテランとフォワードが1人ずつ欲しい。
そうなったら上位も狙えるチームになれるぞ!!

 

 

■神奈川県高校バスケ大会
この時期中学・高校は、3年生最後の大会が目白押し。特に、ほとんどの高校3年生にとって最後の戦いとなるインターハイ県予選(令和4年度全国高等学校総合体育大会の神奈川県予選 以下IH予選)が開催された。

関東大会予選は先月リポートした通りで、関東大会本大会は結果だけ書き、IH予選は少し詳しく書こう。

 

♠男 子
【関東大会】
Aブロック 湘南工科大附高(以下テック)、横浜清風高(以下清風)、立花学園高(以下立花)、東海大相模高(東海) いずれも1回戦敗退
Bブロック 桐光学園高(以下桐光)-優勝 法政大二高(以下法政)-2回戦進出、県立上溝南高(以下上南)-1回戦敗退、

 

♥女 子
【関東大会】
Aブロック 鵠沼高(以下鵠沼)、白鵬女子高(以下白鵬女) 共に1回戦敗退
Bブロック 県立相模原弥栄高(以下相模原弥栄)-2回戦進出、法政大二高-2回戦進出、県立秦野総合高(秦野総合)-1回戦

 

◇男子の桐光が辛うじてBブロック(Aブロックの下に位置する)で優勝(今回はコロナ対策のため決勝は行わなかった)。桐光は神奈川県の本命高であり、Bブロックに出場すること自体が間違いで、優勝は当然とも言える。

 

【IH予選】
関東大会は予選も含めチームとしてはまだ準備段階で、上位チームにとってIH(インターハイ、高校選手権大会)およびその予選に向け調整してきた。
男女共予選を勝ち抜いたりシードされた各32校を4ブロックに分けトーナメントが行われ、各ブロックの勝者4校でリーグ戦を行い、その上位2校だけしかIHへ出場出来ない。

そのためには各ブロックを勝ち抜かなくてはならないが、その組み合わせは関東大会予選の成績を基に決められる。今年度の男子は県内の強豪が5校あると言われ、どこか2校がブロック決勝で対戦することになり、それが清風vs法政となった。このどちらかは絶対にIHへは行けないということで、ここが第一の見どころだった。
このゲーム 法政が終始リードしていたが、最終Q(クウォーター)に清風、この日はスタメンを外れていたNo.31岡田がスリーを3本決め逆転で逃げ切った。
結局清風が勝ち、ベスト4はテック、桐光、東海、清風に決まった。

 

▲決勝リーグ第1日目 東海大87-77清風、桐光84-68テック
▲決勝リーグ第2日目 東海大78-69テック、桐光80-79清風

 

清風は惜しい勝利を逃した。スタメンに1年197㎝No.28長谷川比源(ビーコル・ユース・メンバー)を起用して1-2-2ゾーンを敷き、桐光ポイントゲーターNo.5伊藤正樹を抑え前半51-39と大差を付け折り返したが、徐々に得点が下がり3Qを66-56の10点差。最終Qで桐光はディフェンスのギアを上げると清風は楽にシュートが撃てなくなり、徐々に桐光が差を詰めNo.10島村のATBで逆転し逃げ切った。清風とすると前半の大量リードで逃げ切れると思ってしまったのか、それとも桐光の強い気持ちが逆転させたのか?

神奈川県インターハイ予選男子決勝リーグ
桐光学園(青)80―79横浜清風(白)
桐光土壇場の逆転勝ちの動画

 

桐光学園・伊藤選手

ⒸY.Yamamoto

 

この時点で桐光、東海が2勝0敗、清風とテックが0勝2敗となり、最終日を待たずIH出場は桐光、東海に決まった。

 

▲決勝リーグ第3日目 桐光74-57東海、清風88-70テック

 

一方女子も鵠沼、白鵬女、相模原弥栄、星槎国際高湘南(以下星槎)、法政大、秦野総合、東海がひしめき合ってるが、関東大会予選1位の白鵬女がブロック準決勝で県立旭高に敗れる波乱が起き、その旭を東海大が下し、鵠沼、星槎、相模原弥栄、東海大の4校が決勝リーグへ。

 

▲決勝リーグ1日目 相模原弥栄68-67東海 鵠沼69-59星槎
▲決勝リーグ2日目 星槎64-57相模原弥栄 東海69-68鵠沼

 

東海はシュートが好調なのに対し、鵠沼は東海のゾーンを攻め切っていながらシュートが入らなく嫌な流れだが36-34とリードして前半終了。後半も同じ流れが続き東海が67-64とリードしたが、残8.3秒鵠沼No.4村上がスリーを決め、さらにアンド1も決め68-67と大逆転で鵠沼勝利と思ったが、東海はCTO(タイムアウト)後フォーメイション・プレーでNo.30石井桃子がローポストのシュートを決め大逆転勝利を収めた!


東海大相模 逆転勝ち!!
神奈川県インターハイ予選 女子決勝リーグ 2日目
東海大相模(白)69―68 鵠沼(黒)

この結果全チームが1勝1敗となり、最終日に勝った2チームがIH出場と決まった。

 

▲決勝リーグ3日目
星槎70-66東海
東海はNO.30石井のI/SやNO.2御園生のATBで得点、星槎はスリーと積極的なトラップからの速攻で競った状態で終盤まで続いたが、最後は星槎No.4梅島りのとNo.6生島花菜がFTをキッチリ2本ずつ決め、70-66でIH行きを決めた!!

 

鵠沼66-64相模原弥栄
今大会の本命鵠沼は立ち上がりこそ硬かったものの、ディフェンスでペースを掴み35-30で前半を終える。第3Q弥栄はトラップ・ディフェンスを強め39-38と追い上げたが、ここからが強い鵠沼、1年生達のスリーで一気に48-40と差を付け第3Qを56-48と大きく差を広げIH出場に大きく近づいたかに見えたが、ここから下級生チームの弱いところ。上級生をIHへ連れて行くのだという強い気持ちに油断が見えた。このまま逃げ切れば、という思い、前日の男子清風戦と同じような精神状態になったと思われる。
そうなると同じ感じで撃っていたつもりのシュートが入らなくなり、徐々に差を詰められ、残4分には61-60と逆転され、前日のvs東海戦が思い出される。
その後大接戦の末、最後の場面で鵠沼が守り切って66-64で勝ちIHへの切符をやっとの思いで手に入れた!


神奈川県インターハイ予選
女子決勝リーグ最終日
鵠沼(黒)66―64県立相模原弥栄(白)

 

女子は2ゲーム共に接戦で見応えがあり、ケーブルテレビで見ていた人はさぞかし興奮したと思う。このようなゲームが中継されると、バスケに興味を持ってくれる人の増加に繋がりそうだ!!

 

インターハイ出場校

 
(写真左)桐光学園  (写真右)東海大相模

 

 
(写真左)星槎国際高湘南  (写真右)鵠沼

 

 

あんどうたかお プロフィール

1946年生まれ。

月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。

現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。

NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。

過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。

横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。

現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。

また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。

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