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あんどうたかおのバスケにどっぷり

vol.151 ビーコルを解析する

例年ゴールデンウィークと言うと、高校生の関東大会予選決勝、その後、関東大会本戦と並行して全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(今年は石川県金沢市で開催予定。通称インターハイ、以下IHと略す)の予選も行われていました。また、横浜市の中学で言えば、中学総体につながる市選手権大会も行われていましたが、それが中止となり、次いで全国中学校体育大会全国中学校バスケットボール大会(通称全中、今年は三重県伊勢市と津市で開催予定)も中止となりましたね。

 

IHを目指す高校を例に取ると、IH予選やウィンターカップ予選終了後から、1対1の攻防や基礎練習体力つくりが始まり新人戦を迎え、その後は新メンバーを加えてチーム・プレーやディスタンスの強化を図り、関東大会予選を経てチームを完成させ、6月末が決勝となるIH予選を迎える訳です。

今回の新型コロナウィルス禍は収束が見えづらく、各予選も開催が困難で、更には練習すらできない状態ですから、夏の大会開催は無理ですね。

 

思い切って9月新学期制にして半年ほど各大会をずらす、という手もありますが、これを機会に、一気にリーグ戦化を促進したいところです。

中学も高校もアメリカ並みに全国大会廃止という手もありますがね!

以前からの持論ですが、中学高校、特に中学は育成の期間として、勝負にこだわる「日本一決定戦」は無くて良いと思っています。

この時期に「勝ち負け」だけにかかわってしまうと、正しい技術が育たないような気がします。

 

話は変わって、ビーコル(横浜ビー・コルセアーズ、以下ビーコルと略す)のお話です。

しぶといですね!!

またもB2降下を免れました。

Bリーグが出来た16-17シーズンから、下位に低迷し残留プレーオフ(下部のB2チームと入れ替え戦のためのレギュラー・シーズン終了後に行われる下位チーム同士のトーナメント)に何度も出場しながらも、最終戦や降下決定戦で逆転勝利し、敗けながらもB2チーム内のB1資格保持チームが上位になれず、そのまま残留となりました。

そして今シーズンも残留プレーオフ出場を危惧されていましたが、新型コロナウィルスの関係で、シーズン途中で中止となり、B2から2チームが昇格となり、降下チームは無く来シーズンは20チームへ、更に来シーズン終了後もB2から2チームを昇格させ、22チーム構成となることが決まり、またも降格が無くなりました!!

 

何度も降下のピンチに遭いながらも、奇跡的に落ちないことから、ちまたでは「受験生用のお守りになる」ともささやかれていました(笑)

 

とは言え、私としては最後まで戦わせたかったですね、なぜなら終盤で強くなってきたから、と先月号で書きました。それまではやらされていたバスケから、福田コーチに代ってからは自分たちで考えて行動することで強くなったのです。

福田コーチになり14ゲーム戦い4勝10敗、それまでは7勝20敗。

勝率で言うとそれほど差はありませんが、内容が違います。勝率が高くないチームに勝っていたのと、上位ランクの強豪に勝ったのでは内容が違います。

先月号で書きましたが、勝ったゲームは全て後半、特に最終クォーター(Q)の逆転です。

そして、その要因となるのがスリー(3Pシュート)です。

 

上の折れ線グラフを見てください。Q別の平均スタッツです。

一番上が得点、真ん中が3P確率、下が3P試投数(アテンプト、Aと略することがある)の数字です。その内、太い紺はビーコルが勝ったゲームのもので、オレンジはビーコルが勝った時の相手のグラフです。

同様に、点線はビーコルが負けた時のものです。(紺がビーコル、オレンジが相手チーム)

 

試投数を見ると、敗けゲーム(点線)は立ち上がりから少なく、第4Qに跳ね上がっていますが、中段の確率部門を見ると、後半特に第4Qはガクンと落ちています。挽回しようと無理なスリーを連発したためでしょう。当然ながらスリーの確率が下がるのと比例して得点もガクンと下がり、後半で大差を付けられているのが判ります。

 

一方勝ゲーム(太線)を見ると、ビーコルも相手も第1Qはスリーの試投数がちょっと多く、確率は両チーム変わらないものの、相手は3P以外の得点が多く、5点ほど差を付けられています。

しかし、第2Qに入り相手の試投数が増えるものの確率が下がり得点も若干下がるのは、ビーコル・ディフェンスが効いているためでしょう。そして決定的な差は、ビーコルの3P確率が15%ほど相手より上回ることで猛追して、前半を終わります。

 

勝ゲームと敗けゲームの差は後半開始の第3Qに出てきます。勝ちゲームでは両チーム共3P試投数は減り、確率もほぼ同じになりますが、3P以外の得点で差が付き、敗けゲームでは差を広げられ、勝ゲームでは追い上げます(2月2日の大阪戦のみ第3Qで逆転)。このQでのディスタンスが効いていると思われます。

 

最終Q、勝ち負けとチームに関係なくスリーの試投数はほぼ同じですが、確率が大きく影響します。敗けゲームのビーコルはスリーが入らなくズルズルと退くのに対し、勝ゲームでは41.3%と言う高確率でスリーを気持ちよく決めます。そして相手は、ビーコルのディフェンスに抑えられ確率が10.9%と、信じられないほど外しまくるわけで、その結果、川崎、SR渋谷、三河での勝ゲームように逆転するわけです。

 

「スリーポイント・シュート恐るべし!!」

今回福田コーチに代って一番の変革は「スリー」ですが、他にも進化したカテゴリー(分野)があります。

下の棒グラフを見てください。トム・ウィスマン氏がコーチしていた27ゲームと福田コーチになってからの14ゲームのスタッツを比較しました。各カテゴリーの左オレンジ・バーはウィスマン氏時代、右の紺バーが福田コーチ時代です。

 

 

数字が入り乱れて見辛いと思いますが、単純に高さの比較だけでも判ると思います。

前述のようにスリーを撃つ本数が増え、確率が良くなっているので、入る本数、イコール得点が5点近く増えました。

これはNo.00ジェームス・サザランド(203㎝通称ジェームス)が1ゲーム平均で2本、No.45生原秀将(180㎝、通称シュウ)が1.2本も多く撃ち、その上確率もサザランドが約10ポイント、シユウが約5ポイント高くなっていて、これがチーム得点、ひいては4Qでの逆転に繋がっているのでしょう!

 

逆に失点も増えていますね(汗)

これは、A東京、川崎、SR渋谷等の得点能力が高いチームとの対戦が多かったためです。ドンマイ!!

 

シュートに関して言うと、面白いことに3Pだけじゃなくゴール下やフリースロー(以下FTと略す)まで確率が高くなってます!
メンタルなのでしょうね!!

シュート確率が高くなる、ということはオフェンス・リバウンドが少なくなるということで、得意のオフェンス・リバウンドの数が減ってしまいました。でも悪いことでは無いですね!

 

ビーコルが強くなった原因の一つに、シュウのスタメン固定があります。年が明けたころからキャプテンで正規のスタメンPG(ポイントガード、コート上の司令官と言われる)だったNo.21田渡凌(180㎝、通称リョウ)がスランプになり、代わってシュウがスタメンPGとなりました。

 

シュウは、得点能力もPGとしてのプレー・クリエイト力もゲームメイク能力も高いことで知られ、シーズン当初のゲーム後インタビューで「コーチから点を取ることを要求されても、ゲーム・コントロールを要求されても、どちらでも対応できます」といってたことがありますが、自分の能力の高さに自信と誇りをもっていたはずです。

 

 

とは言え、PGとすれば、ゲームの立ち上がりからボールを保持して自分なりのゲーム(流れ)を作りたいのです。

パスをさばいて味方にシュートをさせたり、自らドリブルでリングにアタックし、そこからシュートをしたりパスを配給したり、時には外からスリーを撃ったり、自分の感覚でプレーを作ったりゲームをコントロールしたいのです。

 

しかし、途中交代でベンチから出てくるのでは、ゲームの流れを変えるのは難しいもので、他人の流れの中でシュートをして、ゲーム・コントロールすることになるのです。

そのため器用ではないシュウは、長い時間コートに立っていないと能力を発揮できないのです。

現に筑波大インカレ優勝時は、PGとしてズーっとスタメンでやって来たのです。

 

そして今シーズンのビーコルでは、自分のプレーをさせてくれる福田コーチになってからは、リョウのスランプと重なり、スタメンで起用されプレータイムが長くなり、シュート数が増えました。

自分の気持ちで撃てるようになり、シュートの確率も高くなったわけです。

先月号(vol.150)で書きましたが、川崎に逆転勝ちしたとき、残3.8秒に84-84と同点に追いついたスリーを決めたのはシュウですからね!!

 

そうそう 面白い数字があります。

シュウのFTの確率が、ウィスマン氏時代は69%(20/29打)でしたが、福田コーチになってからは95.5%(21/22打)と大幅にシュート率をアップさせました。

更に言うと、勝利の4ゲームでは貰った10本のFTは全て決めています。

シュウがFTを決めればビーコルは勝つ!

そんな伝説が生まれるかもしれませんね!

 

あんどうたかお プロフィール

1946年生まれ。

月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。

現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。

NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。

過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。

横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。

現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。

また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。

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