
vol.181「ビーコル 2025-26シーズンへ期待!」
昨シーズン2024-25シーズンは24勝36敗 勝率.400で中地区7位と低迷した横浜ビー・コルセアーズ(通称ビーコル)。「河村勇輝が居なくなったからこの成績」と言われたくないが、その通りなので情けない。その反面「こんなものだろう」とも思う。
今更 私が言うまでも無く「勇輝の穴は大きかった」それは勝負の世界だけでなく観客動員の面でも打撃は大きかったはず!

シーズン当初は観客動員に力を注いで所為で満員の日が多かったが、徐々に空席が目立つようになった。私が座る記者席は国際プールでは2階通路の特設席(アリーナ内で最上部になる)。若干遠目だがゲーム全体が見られるので結構気に入っている。ただTVカメラとは逆のサイドなので、TVにはどう映っているのか判らないのが少し不満ではある。常に満員状態に映って無いと困るからだ。
ただ一階席に関しては常に満員状態だったので一安心。ブースターさんに聞くと、チケットが取りにくいそうだ。それだったら2階席の前列の方が安くて見やすいと思うが、、、
24-25シーズンの結果については納得出来るような、出来ない様な?!?!
立ち上がりは、コーチが新しくなり外国籍選手も全員更新された。主力日本人だけがそのまま更新された、但し河村勇輝を除いて。
メンバー構成としては悪くは無いと思う。ただ 当たり前だが「コーチが代わり、外国籍選手が一新されると『チームとして機能する』には時間が掛かる。」それはヘッド・コーチ(以下HC)のラッシ・トゥオビも良く判っていた。若いながら母国フィンランド・ナショナル・チームのHCを始めフランスやイタリアチームのコーチを経験している彼は「チームとして機能するには半年ほど係るだろう、力を発揮するのは3月辺りからだろう」と予想していたようだ。
◆私の得意なStatsから解析してみよう。
簡単に言うと「ビーコルはシュートが下手!」→つまりシュートの確率が低いということ。
FG(フィールドゴール(野投))43.7%、FT(フリースロー)67.3%で共にリーグ平均より低い。 更に言えばシュートを撃っている本数自体は1ゲーム平均で2.0本多いが確率が0.6ポイント低い。それでも3Pの確率が高ければ良いのだが、こちらも2%程低い(^^;

3Pに関して確率云々よりも、撃っている本数自体がリーグ平均より1ゲーム当たり2.3本も少なく、決まった本数で云うと2.2本少ないことが問題。点数で云うと6.6点少ないことになる。
Bリーグの最近の得点傾向はNBAに似て来て「スリーかペイント内(3点シュートかゴール下の得点)」と両極端になっている。
3Pに関してビーコルは24.7本(リーグ20位)撃ち7.8本(22位)決め確率は31.6%(23位)、これを上の表の「リーグ平均」と比較すると良く判る。試投の24.7本はリーグ平均27.0本より2.3本少なく、決まった本数も2.2本少ない。
一方2点シュートの成功数は1.4本多いだけ、更にFTの成功数は2.7本少ない。
計算すると2Pは+2.8点だが3Pは-5.1点、FTも-2.7点。つまり5点程少ない。3Pによる得点の少なさがチームの得点が低い一因になっていることが判る。まあこれについてはシーズン中から言われていたことだが、、、
更に来るべき25-26シーズンには3P%が一番高かったシューターの大庭が居ないのだから尚更課題になっている。
FTに関しては、当然だが「シュートが入るチームはFTの確率も高い」但し悪い事ばかりでは無く、スティール(相手ボールを奪うこと)に関してはリーグ3位なので、これは誇りたい。ディフェンスに力を入れるコーチ・トゥオビの考えが浸透しているからだろう!

上の棒グラフは昨シーズン(2024-25)の個人得点を表したもので、アジア枠のラベナを除いても外国籍選手の3人で41.7点入れていて、外国籍選手の得点に頼り過ぎ、日本人の得点力の無さが判ってしまう。
「日本人選手の得点力が低い」と嘆いていたところに嬉しいニュースが飛び込んで来た、河村勇輝に勝るとも劣らないポテンシャルを持つ「安藤誓哉」の入団だ。
河村勇輝の印象が強いのかもしれないが、現代のPG(ポイントガード、コート上の司令官)には得点力が求められ、パスやゲーム・コントロールだけじゃ無く、スリーや細かいドリブルを使ってリング下まで攻め込むプレーも求められる。
そこに安藤を加えるとどうなるか?
と言うのも昨シーズンまでは相手チームの作戦とすれば「PGの得点は捨てて良い」と考えていた筈だ。得点力の有るガードはラベナだが、元々瞬発力の無さをテクニックでカバーしており、年齢のことも有り40分フルに動けるわけでは無く、得点力の低い森井とタイムシェアしていたこともビーコルの得点力の無さに繋がっていた。
下の円グラフは昨シーズンの実績を基に25-26シーズン個人得点の期待値を表したもの。合計86点を期待している、若干高目だが、あくまでも期待値(笑)

「日本人が頑張らないと勝てない!!」。
私が期待するのは「キング開、松崎裕樹、須藤昂矢」の若手トリオ。昨シーズンの得点アベレージ合計がトリオで18.4点。これは低すぎる、勝てない要因の一つだろう。
開のドリブル・アタックは鋭く、度々相手ディフェンスを切り裂いている。松崎はどこからでも撃てるポテンシャルが有り、ゴール下へダイブする「合わせの技術」も持っている。そして須藤は元々3Pシューターだが、外国籍選手へのディフェンスが出来る数少ない日本選手の一人。更にこの数シーズンはスリーに加えドリブルでのゴールへのアタックが増えており、もう少し得点に絡める筈。昨シーズン平均6.6点だったものを10.0点迄高められる筈だ。
改めて 安藤誓哉がビーコルと契約した。河村勇輝以来のスターだ!ドライブが速い、スリーも得意、そしてディフェンスも。そこにスター性も備えている。ポテンシャルと言うか実力はリーグでも日本人トップでは?
【WELCOME】安藤誓哉 プレーハイライト⇒コチラ
新加入選手は安藤だけでは無い。
まずは谷口 光貴(190㎝洛南高―中央大―東芝-川崎(東芝と同チーム―滋賀-香川―熊本-福岡)。兄はミニバス時代から長身で有名だった谷口大智(190㎝)。両親共にバスケ選手で、出身の中央大学は谷口正朋や結城昭二を始めとする際立ったシューターが多いことで有名。大庭を上回る活躍が期待される。
谷口光貴選手 2025-26シーズン 選手契約締結(新規)のお知らせ⇒コチラ
そしてもう一人、神奈川県出身の日本人大型フォワード兪 龍海(ゆう たつみ、197㎝桐光高―早稲田大―三遠ネオフェニックス)の入団が決まった。
中学生の頃、このコラムで中学生ビッグマンとして軽く紹介している。特に上手い選手と言うわけでは無いが、身体の高さ巾を活かして地味ながら頑張る選手、外のプレーを出来るのが特徴。最近いないタイプの選手なので、期待したい。
厚木中時代(平成28年度 第50回 神奈川県中学校総合体育大会)についてはこのコラムに動画が有るのでご覧ください。エンジ・ユニフォームの10番で、この頃はもう190㎠でした。
vol.107「中学と日本代表女子」 ⇐ズーっと下までスクロールしてください。(2016年8月11日UP)
【WELCOME】兪龍海 プレーハイライト⇒コチラ
■NBAはサンダーが優勝!!
6月23日(現地時間22日)に6月23日(現地時間22日、日付は以下同)にオクラホマシティ・サンダーがインディアナ・ペイサーズとの「NBAファイナル2025」を最終第7戦の末に103-91で下し、チャンピオンに輝いた。
6月23日(現地時間22日、日付は以下同)にオクラホマシティ・サンダーがインディアナ・ペイサーズとの「NBAファイナル2025」を最終第7戦の末に103-91で下し、チャンピオンに輝いた。
翌24日。NBAは、今年のファイナル第7戦が『ABC放送』で平均視聴者数1640万人、ピーク時には約1930万人を記録したと発表。この平均視聴者数はここ6年間のNBAファイナルで最多となった。
NBAファイナル2025
試合結果一覧(サンダー4勝3敗)※試合時間は日本時間
GAME1(ホーム:OKC) ペイサーズ 111-110 サンダー
GAME2(ホーム:OKC) サンダー-123-107ペイサーズ
GAME3(ホーム:IND) ペイサーズ116-107サンダー
GAME4(ホーム:IND) サンダー 111-104 ペイサーズ
GAME5(ホーム:OKC) サンダー120-109ペイサーズ
GAME6(ホーム:IND) ペイサーズ108‐91サンダー
GAME7(ホーム:OKC) サンダー103-91-ペイサーズ
1946年生まれ。
月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。
現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。
NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。
過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。
横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。
現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。
また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。
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