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あんどうたかおのバスケにどっぷり

vol.48「ツイン・バスケット」

9月10日11日の2日間、新横浜にある障害者スポーツ文化センター横浜ラポールで車椅子バスケットの一部門ツイン・バスケットという競技の関東大会が行われました。

実は4年前に一度取り上げたこと(vol.3「ツインバスケット」)がありますが、新しい読者や忘れた方も多いと思うので、おさらいしましょう。

ツインと言う名称は、バスケット・リングがツイン(2対)になっているということなのです。
1対は皆さんが知っている通常の305cmの高さにあるものですね。
もう一つはフリースローサークル(現在は半円だけですが)の中心に120cmの高さのものがあります。
何の為?
3m05cmの高さのリングにボールを投げられない人向けのリングなのです。

頚損って判りますか? 
背骨から続いている首のところの骨で、身体を動かす中枢神経が入っている大事な箇所が頚椎です。
そこの骨を、自動車や自転車による事故、階段から落ちたりして傷つけたりズレることを頚椎損傷(頚損)と言います。
損傷した箇所によって障害を起こす内容が変わってきますが、一般的には首から下をコントロールできなかったり、痺れたりするそうです。ですから腹筋、背筋に力が入らなく、支えがないと座ることすらできない状態で、握力も弱く、体温調整もできないといわれます。現代は自動車事故でなった人が多いようです。
頚椎損傷についてはここをお読みください。
http://muneyoshi-h.com/sekizuisonsyounituite.htm


<体温調整ができないので霧吹きで人造の汗を作ります>

バスケットで一般的にシュートというと、右利きの人なら右手を返してその上にボールを置き、左手は横に添える、と言うのが一般的ですが、腕を満足に上げることすらできず、ましてボールを離すときにスナップを利かせるというバスケットでは常識となっている行為ができないのです。
そんな重症の人でもできるようにと開発されたのが「ツイン・バスケット」です。凄いことにMade in Japanです。箱根の国立療養病院で北村昭子さんが考え出したものです。

始めは同情もあってこの競技にかかわりました。箸も満足に持てない身障者がよくやっているなー、と感心して同情心が湧いてきますが、同情なんてものはチッポケで薄っぺらい物だと思い知らされました。競技中に車椅子が横転した時は助けが必要ですが、それ以外ではほとんどボランティアの助けを必要としないほど自分でやろうとします。これ自体がリハビリの一環であり、自立のためであるからです。


<激しいので落車することも。この時だけは人の力を借ります>

さて、実際に競技としては通常のバスケットとどう違うのか?
大きな違いはリングが2個あること、そしてプレーする人達がケイソンと呼ばれる身体障害者ということです。
ルールは通常の日本バスケット協会とほとんど同じですが、ボールを上手く扱えないため、時間のバイオレーションが「やや長い」ということです。
3秒ルール→8秒、8秒→15秒、24秒→30秒というように。

しかし一番の違いは障害によってハンディがあることです。
障害の度合いによって点数が付けられてますが、実際はヘッドバンドの有無と色とで区分けしています。
軽い(点数の大きい)人は上のリングへ(ヘッドバンド無し)、重い(点数の少ない)人は下のリングへシュート。
重い人の中でもフリースローサークルの中に入ってシュートできる人(赤ヘッドバンド)と、サークルの外からじゃないとシュートできない人(白ヘッドバンド)に分かれます。
選手権大会やルール等を含めツインに関しては公式サイトをご覧ください。
http://twinbasket-alljapan.com/

ツインは競技として見れます。十分面白いんです。
何故?
ゴールが2箇所にあるからです。
軽症ヘッドバンド無しの選手が上のリングを攻めるフリをしてゴール下に警戒を集めておき、下リングの周辺のディフェンスが甘くなったところを見定めて、サークル内の赤ヘッドバンド選手へパス、と言ふのはフォーメイションであり、多くのチームが使ってますから、単純にいえば健常者より2倍の作戦ができるわけですね!


<ジャンクスは下リングに強い>

驚いてはいけません、オール・コート・プレス(相手スローインのところから強いディフェンスをすること)もあります。
ボール運びが上手くないチーム相手では上から当たってきます。これにはビックリでした、ここまでやるか、って感じでした。健常者と同じでディフェンスが強いチームのほうが強いです。


<下リング周辺 必死の攻防>

車椅子同士のぶつかり合いも迫力ありますよ。スクリーンプレーの時はガシャンガシャンと凄い音をたててぶつかります。こんな面白さは通常のバスケットにはありません!!!
本当に面白いんです。是非一度見て欲しいのです。
ツインのことを少し分かっていただけましたか?

さて関東大会の話です。今回はトーナメントが8、交流戦が2の計「10チーム」で大会が行われました。関東大会と銘打ってますが東日本大会ですね。今回は東北から「リベラル仙台」チームが参加してますが、やはり東日本震災で被災された方が2人いました。それでも参加してくれるのは嬉しいですね。
このご時勢ですから復興支援も今大会の一つの目的なんです。

大会は地元「横浜ジャンクス」が決勝でバスターズを寄せ付けず優勝しました。


<表彰式のジャンクス。賞状を渡す人も車椅子です。>

ジャンクスは勝ちたい選手が集まっていて、ディフェンスが強いです。常にオール・コート・プレス。スローインさせないディフェンスから始まり、中に入れられてもフロント・コート内で強く当たってボールを運ばさせず、15秒ルール(健常者の8秒ルール)で何度もボールをモノにします。
メンバーが多いことも有利です。強いディフェンスは疲れるものですが、選手を換えることで体力の消耗を抑えます。
オフェンスでも強いですね。赤ヘッドバンドの選手はベテランでキャッチが上手いのが強さでしょう。
先ほどで書いたように、上リングを狙う振りしてサークル内へのパス、これは全てのチームでやってますが、パスを取れる選手は多くありません。
というのもパッサーとレシーバーの間には当然ながらディフェンスがいますね、それを避けるには「山なり」か「速いパス」となってしまいますが、腕を肩から上に上げられない選手がそれをキャッチするのは大変で、ファンブルすることが多いのです。その点キャッチングが良いジャンクスは得点が多くなる、ということです。
下リングでの得点が多くなればディフェンスは下リングの周辺に注意が行くのは当然ですね。となると上リングの周辺が空いてくる、ということですが、ヘッドバンド無しでシュートが上手い選手が多いのもジャンクスなんです。技術面だけでなく精神面でも強い選手が多そうです。

実は07年には関東リーグ戦について書いたのですが、そのときもジャンクスが優勝してました。勝つと選手が集まって来て、ますます強くなるようですね。


<ボランティアも活躍です>


次は横浜ビー・コルセアーズの話です。
日本人選手が決まり、コーチが決まり、やっと外人選手が決まりました。
とりあえず3人です。
すべて名門大出身です。名門大出身者が凄いのは、バスケットの技術で言えば基本がシッカリしていることと、人間的にも立派な選手が多い、ということです。

ジャスティン バーレル

身   長:207cm
体   重:111kg
ポジション:フォワード
出 身 校:セント・ジョーンズ大学
◆2011年NCAAトーナメントに出場、チームは敗れたものの19分間プレーしました。
1年生時、ビッグ・イースト・カンファレンスの優秀新人(All Rookie Team)に選ばれており、中距離のシュートに優れています。
走力がありディフェンスも良い選手です。
セントジョーンズ大は全米でも強いリーグと言はれるBigEastに所属します。初代ドリームチームのサウスポー・シューターとして有名なクリス・マリン選手も卒業生です。

マーカス シモンズ

生年月日:1988年1月28日
身   長:200cm
体   重:99kg
ポジション:ガード
出 身 校:南カルフォルニア大学
◆ディフェンスが非常に上手く、相手シューターを抑える「エース・キラー」としても知られています。
疲れ知らずで、ガードポジションだけではなく、様々なポジションをこなすことができ、チームの為に精力的に働いてくれる選手です。速攻のDUNKは見逃せないぞ!!

チェイス マクファーランド

生年月日:1986年11月1日
身   長:215cm
体   重:111kg
ポジション:センター
出 身 校:ウェイクフォレスト大学
主 な 経歴:Springfield Armor (D‐LEAGUE)2010‐2011
◆長身ながら中距離のシュートも上手い選手で、典型的なセンターでもあり、ゴール下の接触プレーを嫌がりません。
ファールを得てフリースローを決めるのも得意としています。
セブン・フッターだけどゴール下も強い!相手にとっては嫌な存在になるはず!

◆もう一人外人が決まる予定です。
開幕までもうすぐ、皆さん10月8日は横浜文化体育館へ応援に来てください。

あんどうたかお プロフィール

1946年生まれ。

月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。

現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。

NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。

過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。

横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。

現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。

また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。

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