野球少年の夢実現のための講演会【少年野球肘を守ろう】
by :スポーツ情報センター 吉山 博之
野球を経験したことのある方で「野球肘」に悩まされた経験を持つという人はいませんか。
「野球肘」とは、投球動作によって起こる肘の障害です。
特に骨や軟骨、靭帯、筋肉などが未発達な児童は一連の投球動作をスムーズに行うことが難しく、投球ホームが手投げの状態で肘に負担がかかりやすくなってしまいます。
そのような「野球肘」を予防し、長く楽しく野球と付き合える体作りについての講演会が1月19日(土)、関内ホール(大ホール)で開催されました。
この講演会は、横浜野球肘検診推進協議会の主催、横浜市体育協会などの後援により開催。少年野球チームの選手、指導者、選手の保護者など600名を超える方々が参加しました。
はじめに、公益財団法人横浜市体育協会山口宏会長のあいさつ。
東海大相模高校野球部主将を務め、現巨人軍監督の原辰徳氏らとともに甲子園に4回出場した経験を持つ山口会長。大学時代、怪我のため野球を断念しなくてはならなくなったというご自身の経験から、今回の講演会の意義をお話しになりました。
そして、講演の開始。
はじめに、協議会の代表・岩間徹氏の講演。
岩間氏は、成長時期にあったトレーニングの重要性、正しいフォーム、正しい体の使い方の重要性、そして股関節回りを中心としたストレッチの重要性を指導者、保護者はもちろん、集まった選手にもわかりやすく説明。
次に、東京厚生年金病院整形外科部長の柏口新二氏の講演。
柏口氏は、野球肘検診の重要性と検診の流れ、野球肘検診の拡充と普及についての説明。
野球肘は痛みを感じる前に発症しており、痛みを感じるのはたいてい2〜3年後であり、その時点で治療に入っても完治しない場合が多いという現状から、痛みを感じる前の検診の重要性を強調。
講演の最後は、西武ライオンズや横浜ベイスターズで活躍、通算224勝の名球会投手、工藤公康氏と岩間氏の対談。
工藤さんは、正しい体の使い方の指導に加えて、選手の成長のために、指導者・保護者が試行を凝らした練習、選手自身に考える機会を与えるような練習を提供してあげてほしいとアドバイス。
子どもの夢をけがで断ち切らないよう、子供の夢が達成できるよう、本人はもちろん、保護者・指導者も一緒に見てあげてください…と話し、講演は終了しました。
横浜野球肘検診推進協議会では、今後、横浜市を5つのブロックに分けて、野球肘検診を実施していく予定です。
これに先立ち、平成25年2月17日(日)9:00より、横浜市スポーツ医科学センター大会議室において、専門医による肘検診が実施されます(応募先着20名)。
お申し込みは、FAX 045-841-4315 E-mail sports_yokohama@yspc.or.jp まで。
また、横浜市スポーツ医科学センターでは、月に一度、ケガ予防のための「少年野球」クリニックを開催しています。このクリニックでは、肩や肘に痛みを訴える少年野球選手を一人でも減らすために、選手や指導者に専門スタッフから「フォームチェック」「トレーニング指導方法」を直接学ぶことができます。すでに1月・2月の会は定員に達しております。
詳しくはこちら http://www.yspc.or.jp/ysmc/use/baseballclinic.html をご覧の上、横浜市スポーツ医科学センターまでお申し込みください。