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元オリンピック陸上選手苅部俊二のダッシュ

vol.7「国体に行ってきました」

 10月初めに国体に行ってきました。今年の国体は、「ゆめ半島千葉国体」といって、千葉県開催です。国体は今大会で第63回を数えます。
 国体は昭和21年(1946年)に第1回が開催され、毎年各都道府県の持ち回りで開催されます。現在はすでに2巡目に入っています。
 神奈川県では第10回大会(1955年)の「神奈川国体」、第53回大会(1998年)の「かながわ・ゆめ国体」が開催されています。前にも書きましたが、三ツ沢陸上競技場は、この第10回大会に合わせて建設されました。実は日産スタジアム(当時は横浜国際総合競技場)も第53回大会に合わせて建設されました。

 1998年第53回「かながわ・ゆめ国体」には私も出場しました。地元国体に出場できるということは幸運でもあり、大変名誉なことでもありますが、プレッシャーもありましたね。
 国体は、都道府県対抗で天皇杯、皇后杯を争います。まあ、大抵は開催地が獲得します。この件に関してはノーコメントとしておきます。千葉国体では、神奈川は天皇杯3位、皇后杯4位の好成績でした。

 この千葉国体、私はもちろん陸上競技会場に毎日足を運んでいました。嬉しかったのは、横浜勢の活躍が素晴らしかったことです。
 成年女子1500mでは、アジア大会日本代表選手でもあるパナソニックの吉川選手(荏田高校出身)が4分13秒38の大会新記録で見事優勝しました。最初からトップを疾走し、他の追撃を許さずダントツでのフィニッシュでした。
 また、成年男子110mHでは、青山学院大学の佐藤選手(山手高校出身)が13秒94の好記録で準優勝、神奈川県記録にあと一歩です。
 少年女子400mではインターハイで優勝した長谷川選手(荏田高校)が惜しくも敗れ、準優勝でした。しかし立派な成績です。
 他にも桐蔭学園の海老原選手が少年男子やり投げで3位など、中位、下位に多数入賞してくれました。来シーズンも楽しみですね。

 さて、国体選手になるのはなかなか難しいですが、10月は運動会の季節。もう終わってしまっているかもしれませんが、運動会に出場するお父さんに向けて、走るコツを少し伝授したいと思います。
 専門的にお話しするときりがないので簡単ですぐにできるテクニックを3つあげてみます。

【テク1 スタートの構えは前に体重をかけるべし】
図1  短距離はスタートダッシュが肝心です。図1のようにスタートの構えの時に前に重心、つまりは体重をかけてやります。「今にも出てしまう」という体勢をスタート前に作っておくのです。余り前に出し過ぎるとフライングしてしまうので気をつけて下さい。

【テク2 スタート後5〜7歩目くらいまでは斜め前下45度を見るべし】
図2  スタートしてすぐに上を向いて疾走に入ると加速しにくくなります。5〜7歩目くらいまでは前傾を保ち(図2)、徐々に顔を上げていきます。
 その時、脚は前に前にと出していきます。ここで前に出せないと転びます。  

【テク3 コーナーは内傾するべし】
図3  コーナーでは遠心力がかかります。遠心力によって外への力が生じ身体は外に振られます。ここで直線を走るのと同じように身体をまっすぐにしていると身体をうまくコントロールできなくなり、減速してしまったり、腕をまわしてバランスをとってしまったりしてしまいます。
 内傾が難しい時のコツは、内側の肩を下げ、身体を少し内側に向けます。
 図3は100m200mの世界記録保持者、ウサイン・ボルト選手の内傾です。

 
  以上、テクニック3項目、ぜひ試してみて家族のヒーローになってください!

苅部俊二 プロフィール

1969年5月8日生まれ、横浜市南区出身。

元オリンピック陸上競技選手。横浜市立南高等学校から法政大学経済学部、富士通、筑波大学大学院で競技生活を送る。

現在は法政大学スポーツ健康学部教授 コーチ学(スポーツ心理学) 同大学陸上競技部監督 法政アスリート倶楽部代表 日本陸上競技連盟強化委員会ディレクター兼オリンピック強化コーチ(ハードル)。

2007年から日本陸上競技連盟強化委員会の男子短距離部長を務め、世界選手権(2007大阪、2009ベルリン、2011大邱、2015北京、2019ドーハ)、オリンピック(2008北京、2012ロンドン)に帯同。

また、2014年には日本陸上競技連盟の男子短距離部長へ復帰し2016リオデジャネイロオリンピックに帯同し、日本短距離男子チームの責任者として同行した。

1990年代を代表する陸上競技者として活躍。1996年のアトランタと2000年のシドニーオリンピックに出場、世界室内陸上競技選手権大会400mで銅メダルを獲得するなどの活躍を見せた。元400mハードル日本記録保持者。

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