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あんどうたかおのバスケにどっぷり

vol.135「男子日本代表オリンピックまであと少し」

 11月末から12月初めにかけて日本のバスケット界は連日のようにTVや新聞で報道され、かってないほどの注目を浴びました。

 それは「AKATSUKI FIVE」と呼ばれる、バスケット日本代表の男子チームの活躍です。

 

 2020年の東京オリンピックの出場権獲得にも大きく影響する重要な大会、2019年に中国で開催される「FIBAバスケットボールワールドカップ2019」の出場権がかかるワールドカップアジア予選、崖っぷちと言われてから2連勝、大会を通じて数えれば6連勝し、出場圏内の3位へ上昇したからです。

 実は、バスケットの場合は「開催国枠」と言うのがありません(汗)。実力で勝ち取らなければならないのです。ロンドン・オリンピックでも、地元英国も実力不足や統一チームじゃないことで出場資格がありませんでしたが、FIBA(国際バスケットボール連盟)からの指摘で英国の統一チームにし、ナショナル・チーム(国代表チーム)の強化を図り、実力を付けヨーロッパでも上位にランクされたので出場が認められました。

 今回の男子日本も、状況は似ています。NBLとbjに分裂していたり、オリンピックにはミュンヘン以降出場できず、ワールドカップもに出場してなく、世界から見ても弱いと言われるアジア圏の代表にもなれませんでした。

 しかしそれでは開催国として面目が立たないうえ人気面も考慮して、ワールドカップ本大会への出場権を取ったら出場を認められることになりました。だから今、予選は大事な戦いなのです。

◆アジア予選結果
2017年11月24日@東京都駒沢 X 日本71-77フィリピン
2017年11月27日@オーストラリア X 日本58-82オーストラリア
2018年 2月22日@横浜 X 日本69-70チャイニーズタイペイ
2018年 2月25日@マニラ X 日本84‐89

 ここまで0勝4敗と最下位で、次に敗れた時点でワールドカップ出場はなくなるという土壇場でしたが、ここまでの経緯を知っている人は少ないでしょう。

 次の相手はグループで最強のオーストラリアとでしたが、ここから注目され始めました。

 このコラムVol.130で書きましたが、八村塁(203㎝20歳、アメリカ ゴンザガ大)に加え、当時NBAへチャレンジ中だった渡邊雄太(206㎝24歳、NBAメンフィス・グリズリーズ)、そして、けがから復帰した日本人ニック・ファジーカス(210㎝33歳、以下ニック)の強い3人が揃いました。

 Window4と呼ばれた予選4節目。6月29日千葉ポートアリーナに、グループF最強のオーストラリアを迎えました。オーストラリアチームは、リオデジャネイロオリンピック4位の世界トップレベルで、今回はソーン・マリアル・メーカー(214㎝、ミルウォーキー・バックス)とマシュー・デラベドワ(191㎝28歳、ミルウォーキー・バックス)という2人のNBA現役選手を加えてきました。特にデラベドワは、キャバリアーズで活躍していたバスケットIQの高いガードです。

 しかし日本は、ニックが要所でシュートを決め、最後は八村の速攻ダンクで突き放し、貴重な1勝を最強チームからもぎ取りました。

 3日後のチャイニーズタイペイ戦も108-68と危なげなく勝ち、2勝4敗となりました。ここまではVol.130で書いた通りです。vol.130 男子日本代表も頑張った!

 そしてWindow4は、9月13日アウェーのカザフスタンと17日太田体育館でのイラン戦は危なげなく勝利し、4勝4敗となりフィリピンと1勝差となりました。

 そうして迎えたWindow5。場所は2ゲーム共に日本の富山市です。

 11月30日に日本は2勝6敗のカタールと対戦、前半は手こずったものの、後半一気に引き離し85‐47で勝ち、5勝4敗となり、この日フィリピンは、カザフスタンに88‐92で敗れ5勝4敗となり、日本と同率になりました。

 そして12月3日カザフスタン戦。カタール戦同様、渡邊と八村が帰国しているため出場できません。渡邊は予備登録されているものの、八村は残念ながらそこにも入っていません。アメリカでは大学のシーズンが始まったばかり、ましてやチームが全米ランキング1にランクされ、チームの主力と言われたら帰る訳にはいかないでしょう!!

 オーストラリアを破った原動力の二人が出場しないとなると、不安ですよね、しかしそんな不安を払拭してくれたのはニックです。

 カザフスタンの平均身長は高いものの、I/S(ゴール下付近。センター、フォワード)陣は最高が202㎝で、207㎝の竹内譲次(33歳、アルバルク東京)と210㎝のニックを擁する日本の方が高いのです。

 そこで日本は、外から簡単に撃つのではなくI/Sのニックへボールを集めたり、ガードフォワード陣がATB(Attack The Basket.リングにドリブルで攻め込むこと)してI/Sを攻めようと言う作戦でした。

 それに対し、身長が低くI/Sも大して強くないカザフスタンは3P攻勢をかけてきました。第1Qは3Pを5本決め25点も取られましたが、第2Qから日本がディフェンスを強化すると簡単にシュートも撃てなくなり、3Pは5本撃ったものの1本も決められず、このQを8得点で終わらせました。一方日本も15得点しか取れない中、ニックが7点を挙げ34-33と逆転して前半を終わりました。

 後半はニックを中心に攻め62‐58と僅かに差を広げて最終Q(クォーター)へ。

 日本は更に強いディフェンスを仕掛けると、カザフスタンは疲れもでてきたか、シュートの精度が一気に落ちたところで日本は、田中大貴(192㎝27歳、アルバルク東京)とニックが決め、残5分に75‐63と差が開き、さらに残3分77-65から馬場雄大(198㎝23歳、アルバルク東京)、比江島慎(190㎝28歳、ブリスベン・ブレッツ)とニックでスパートを掛け、86-68と一気に差を広げました。

 カザフスタンは残7分35秒から残0分13秒までの7分半ほどの間、FTの6点しか取れませんでした。一方で日本は終盤の大事な残3分間、シュートを1本も落としませんでした!!この集中力こそ勝利への道なのです。

 11月30日のイラン戦前までは、フィリピンと1勝差で4位でしたが、日本はカタールとカザフスタンに連勝し6勝4敗とすると、この日もフィリピンはイランに70‐78で敗れ5勝5敗となり、日本は単独3位となりました。

 日本が所属する「グループF」で3位以内に入れば、ワールドカップ出場が決定です!!

 残るはWindow6となる来年2月21日vsイラン、24日vsカタールを残すのみ。

 イランには9月17日太田体育館で70‐56、カタールには前述のように85-47で勝っています。連勝すれば2位も見えてきます。

 とは言え、2ゲームともアウェーなので油断はできません!

 もしフィリピンと同率になった場合、日本は71‐77、84‐89で全敗しているためフィリピンが上位となります。

*フィリピンの残りゲーム
カタール、カザフスタンと両ゲーム共にアウェー。前ゲームは、カタールに勝ち、カザフスタンには敗け。

 大事なカザフスタン戦でニックは41得点の大活躍で、日本代表チームにとっては正に「神様仏様ニック様様」ですが、横浜ビーコルセアーズ(以下ビーコル)にとってみると、厄介者です(笑)

 

 と言う事で話はビーコルへ。相変わらず勝てません!!でもそれほど悲観はしていません。理由は明白です。選手、それも外国人が固定しないからです。

 10月26日にI/Sのガルシアが契約解除となり、翌日プリンス・イベ(208㎝24歳、テキサス・ステート大)と契約し、11月30日にエゲケゼと契約解除し、12月7日アーサー・スティーブンソン(203㎝122㎏32歳、ノースカロライナ大-USC)と契約し、現在外国人は3人となっていますが、早くも2人が入れ替わったわけです。

 外国人は身長が高いのでI/Sのディフェンスを任せる訳ですが、コーチ・トムはゾーンを主流にしています。以前も書きましたが、ゾーン・ディフェンスを完成させるには、時間が掛かるってことです。ましてI/Sは、相手に入られたら簡単に得点されるため重要なポジションなのですが、選手が固定されないと連携が上手くいきません。

 ディフェンスではどうしてもI/Sに気持ちがいくので外があくことが多くなり、ビーコルは相手のシュート、特に3Pの確率が高いのはそのためなのです。

 そのビーコルが、I/Sに強いニックがいる川崎ブレイブサンダースと、12月8日(土)9日(日)にアウェーとどろきアリーナで対戦しました。川崎には日本代表PG篠山竜青もいて、伝統的にディフェンスが強い強豪チームです。

 数日前にチームに合流したばかりのステーブンソン(スペルはStepheson途中に「N」は入ってないのにステーブソンなのが不思議ですね――(笑)。動画では「ステーブセン」と聞こえますけどね。)

 

 

 ゲーム①は、普通のゾーンを敷いてコテンパンにやられました。

 しかしゲーム②は、強いディフェンスで川崎を終始苦しめて良いゲームをしました。

 立ち上がりは積極的に動くゾーンでしたが、17-24で入った第2Qは意表をついてM2M(マンツーマン・ディフェンス)に変えたことで川崎は攻撃が止まり、残4分55秒のOTO(オフィシャル・タイムアウト)までを7点に抑える好ディフェンスを見せ、34‐42と追い上げました。

 ただいつもの課題ですが、第3Qで失速しました。理由は川崎がゾーンを敷いてきたからです。さらに大型のラインナップにしてきたこともあり、ほぼ7分間攻められず無得点でした。ここで49-65とされたのが痛かったですねー。

 ただ今までのビーコルだったらここで集中力が切れてズルズルと離されたのでしょうが、この日は違いました。ここから頑張り、このQは26-22でビーコルがリードしましたからね!!

 結局75-87と12点差を付けられましたが、前日のゲーム①でシュートが4/12で7点とスランプだった川村卓也(193㎝33歳)が良いところでシュートを決め20点取ったのも良かったです。

 そしてこのゲームは川崎に負けたと言うより「ニックに負けた」と言っても過言じゃありません!!

 と言うのも、ゲーム①の第1~3Qまでと、ゲーム②のフルゲームでニックのプレータイム(出場時間)と、ニックの得点およびチーム得点の関係を調べたところ、全時間70分中ニックのプレータイムは58分05秒、その間ニックは53点、チームは170点あげています。

 つまり1分当たりニックは約0.9点、チームは約2.9点とっている計算になります。

 しかし、ニックがベンチに下がっている11分55秒でチームは16点しか取れません。1分当たりに換算すると半分以下の1.3点です。いかにニックが偉大かということが判りますね!

 単なる慰めでしかありませんが(笑)

 これからビーコルは、良くなっていくと思います!!

ビーコルの今後のスケジュール
12月22-23日(土・日)
vsアルバルク東京(ホーム@国際プール)

12月26日(水)
vs新潟アルビレックスBB(アウェー)

12月30-31日(日・月)
vs琉球ゴールデンキングス(アウェー)

1月5‐6日(土・日)
vs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(ホーム@国際プール)

 

あんどうたかお プロフィール

1946年生まれ。

月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。

現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。

NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。

過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。

横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。

現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。

また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。

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