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あんどうたかおのバスケにどっぷり

vol.126「ビーコルは何故勝てない!」

 神奈川県もやっと暖かくなってきましたが、国際プールの辺りは未だ春が来ません(涙)

 

 横浜ビー・コルセアーズ(以下ビーコル)も大変ですが、我々日本人ケイジャー(バスケットボール選手の意味。ちなみに日本に広めたのは私です(笑))の憧れの的であり、トップ選手の集まりである男子日本代表チームも大変です。

 

 

 さて、肝心のビーコルがさっぱり勝てません(汗)

 最近の10ゲーム(2月3日(土)新潟戦①から)で言えば、新潟に1勝し、島根に連勝したところまでは先月号で書きましたが、それから勝利に見放されています。2月18日(日)の三遠戦②は79-80と1点差、そして3月10日(土)の新潟戦①は93-96、翌11日(日)の新潟戦②は91-95と小差で負けました。

 小差で負けるって一番悔しいです!!!

 日本的に言えば「根性あるのかっ?!!」と言いたいです。
 個人スキルが足らないなー。そして最後のシュートは誰がどうシュートするのか、ってことも、、、、

 まあ選手達が一番悔しいと思っていると思いますが、、、、

 

 負けが込んでいるとは言へ、良いこともあります。

 課題だった得点力が日増しに付いてきたことです。

 開幕から11月5日までの13ゲーム、湊谷安玲久司朱(190㎝現アシスタントコーチ兼任)とジェイソン・ウォッシュバーンの怪我による欠場が響き平均得点は66.6点でした。その翌週から#45ウィリアム・マクドナルド(206㎝、以下ウィル)の加入があったものの、#4ジェフリー・パーマー(203㎝、以下JP)と#25竹田謙(188㎝、以下ケン)の欠場が12月11日栃木戦まで続き、この8ゲームは平均得点が67.5点でした。

 

 12月16日富山戦からJPが復帰してからは80点台も多くなり、1月28日名古屋D戦までの11ゲームの平均得点が78.2点と急上昇し、最近10ゲームはついに82.5点と80点台になりました。

 

 これはインサイド(ゴール下近辺。以下I/S)で高さを活かしたり、ミッドレンジと呼ばれるフリースロー・レーン外で3P(3点シュート)ライン内の中距離からのシュートを決める#34ハシーム・サビート・マンカ(221㎝、以下サビート)やウィル等のI/S陣の得点力が増したことと、#1川村卓也(193㎝、以下タク)の得点力が安定したことと増えたことです。チーム全体でも3Pシュートを多く撃つようになり、更に確率が良くなりました。

 

 タクについては以前書きましたが、ハンドオフ(手渡し)ではなく、スクリーン後のパスでタクにボールが渡るシステムにしてからアテンプト(Attempt,シュートを撃つこと。試投)も確率も上昇しました。

 

 

 さてBリーグの平均得点が76.8点に対し、平均で80点を超す得点をしても、何故勝てないのでしょうか?

 それはディフェンスの問題でしょう。

 シーズン開幕時は、ベテランが多いと言うことで脚を使わず経験を活かしたゾーン・ディフェンスを行い、開幕後の13ゲームの平均失点は74.8点と低かったのですが、これは開幕直後で各チーム共に本調子では無かったと言うことだと思はれますが、その後の10ゲームは81.8点と大きく跳ね上がりました。そして最近10ゲームでは86.1失点と大幅に得点されています。

 確かにリーグ得点2位の川崎や新潟に90点以上入れられるのは納得かもしれませんが、Bリーグ得点ワースト4位(平均72.6点)の三遠にゲーム①97点、ゲーム②80点取られるのは納得できませんよね!!

 

 ビーコルは立ち上げ時のコーチ、レジー・ゲイリー氏が掲げていた「1対1で守り切れ!」と言うのが基本にあり、ポスト・プレーに対してもヘルプやWチームはあまりやっていませんでした。

 しかしそれだけで守り切れるわけは無く負け数が増えるばかりでしたが、11月下旬に元栃木ブレックス・ヘッドコーチのトム・ウィスマンをアドバイザーに迎えてから、強いディフェンスと積極的なゾーンも取り入れディフェンスの強化に努めてきました。

 以前はATB(Attack The Basket,ドリブルでリングに向かって行くこと)に対しカバーやヘルプが少なかったのですが、徐々に守れるようになってきました。

 

 3月3日(土)国際プールで行はれた川崎ゲーム①は75-105と言う屈辱的大敗を喫しましたが、ゲーム後、川崎の北コーチに「ビーコルの敗因」について聞くと、即座に「ディフェンスですね!」
 川崎は東芝時代からディフェンスが強いことで知られており、現在もディフェンス主体のチームで、特に長谷川技(190㎝)と栗原貴宏(192㎝)はビーコルのエースキラー#2高倉一貴(190㎝、以下カズ)より強いディフェンスをすると言はれています。ですから北コーチもディフェンスのことを最初に考えるようになっていると思います。

 その北コーチが「でも今日は寄りが早くなりましたね!」と言ってくれました。

 「寄り」とは、ボール保持者へマークマン以外の選手がディフェンスに行くことで、ATBする選手やペイント内(ゴール下周辺のFTレーン内。I/Sと同義語)でボールを持たれた時に他の選手がWチーム(ボールを持ったオフェンスに2人のディフェンスで取り囲んだり、挟んだりすること)行くことで、ビーコルにしては大進歩です。

 

 そこまでは良いのですが、これは強いディフェンスへの第一歩であり、完成形では有りません。

 と言うのは、マンツーマン・ディフェンス(以下、M2M)の場合、1人のオフェンスへ2人が行けば、当然のこと乍ら1人がノーマークになります。そのためにノーマークになったオフェンスは誰かがカバーしなければなりません。

 そこを守るのが3人目のディフェンスで、「重要」かつ「難しい」問題なのです。ボールとは直接関係ないポジションなので、常に状況は把握して無くてはならない上、時には長い距離を走ってゆかなければならないこともあります。簡単では有りません。だから「チーム・ディフェンス」とか「ディフェンスのフォーメイション」とか言はれ、長い練習期間を必要とし、完成させるには数か月はザラで、時にはシーズンを跨ぐこともあります。

 そしてそのやり方も無数にあるため、コーチやチームによって異なるため、それがチームの伝統となるわけです。

 

 ビーコルの場合はやっとWチームが出来るようになった、と言うことですが、川崎はWチームに来られることを前提としたオフェンスが上手く、日本代表の辻や篠山等のガード陣に限らず、Wチームに来られた時やピック&ロール(ボールを持った選手とのスクリーン・プレー。以下、P&R)からI/Sへ走り込む選手へのパスが上手く多いことも良く知られています。

 と言うことで、ビーコルのWチームは格好の餌食になってしまったわけです。

 

 これは翌週の新潟戦でも同じことが言えます。

 

 

 ここには♯54ダバンテ・ガードナー(203㎝、132㎏)と言う怪物が居ます。巨体を生かしてドリブルでゴリゴリと押してきてI/Sでシュートします。シュートタッチが柔らかく、シュートが上手い選手です。

 彼に対し、これまでは1対1で守ってましたが、守り切れずWチ―ムに行きましたが、これも新潟の思う壺でした。
 と言うのは彼の場合、左サイド(バスケットボールの場合、ハーフラインからリングの方を見て右サイド、左サイドと言います)で攻める時は右手で、右サイドで攻める時は左手でドリブルし、顔は常にリングに向いてます。そして多くの場合一番エンドライン側で攻めます。

 つまり、味方も敵も背中側に居ないためリング方向性を見てれば敵味方8人の選手の位置を把握出来ること、そして見えない背中側からのカバーが有りません。そのためWチームは見える範囲からに来るため、余った選手を見つけ出すことが容易なのです。
 それじゃゾーンで守れば、と考えられますが、一般的にはゾーン・ディフェンスは3Pには弱いとされてます。ところが新潟はBリーグの中で3PFGA(3Pシュートアテンプト、いわゆるシュート試投)数と成功率ともにBリーグ3位と言うチームなので、通常のゾーンでは守り切れません。

 

 3月10日(土)横浜vs新潟ゲーム①のスポナビのハイライト動画があるので、これを見て下さい。

 

 時間は画面左下の動画の経過時間です。

 

0:28

 画面上のガードナー(白♯54)に対し♯45ウィルが守ってますがそこへ#15佐藤託矢(198㎝以下、サトタク)がWチームへ行きかけたところ、サトタクがマークしていた鵜沢(白#11)へパスを通しゴール下のシュートを決められました。#8満田丈太郎(188㎝、以下ジョー)がカバーに入ったのですが遅かったですね。

 

1:31

 五十嵐(白#7)とハミルトン(白♯34)のP&R。♯34ハシーム・サビート・マンカ(221㎝、以下サビート)がスイッチして五十嵐に付こうとしたのかWチームで押さえようとしたのか中途半端なポジションになると、ハミルトンは基本通りゴール下へ走り込みそこへ五十嵐からのパスが通りゴール下のシュート。#21田渡凌(180㎝、以下リョウ)がディフェンスに行ったものの身長が足りませんでした。

 

2:28

 画面手前ハミルトン(白♯34)がスクリーンとなって五十嵐(白#7)へ手渡しパス。それに対し♯0細谷将司(173㎝、以下マーシー)が幅のあるハミルトンを回避するため、リング側を通りました(アンダーと呼ばれます)。完全に新潟のスクリーンに引っかかったわけです。そこを五十嵐が見逃さず3Pを決めました。

 

3:36

 右ウイング(45度)五十嵐(白#7)とガードナー(白♯54)のP&Rに対しリョウがファイトオーバーと言う良いディフェンスをしたため五十嵐は急遽ドリブルを切り替え右方向へ、それに対し♯45ウィルがマークをスイッチしてディフェンス、五十嵐は自分のシュートではなく、その時左サイド(手前)で今村(白#30)をマークしていた#1タクがゴール下に切れ込んできた五十嵐に気を取られた時、今村が走り込み、そこへ五十嵐がパスして決められました。

 

 他にもこのハイライト版には多くのビーコル・ディフェンスの乱れが映ってますが、悪いことばかりでは有りません。

 

3:25

 ディフェンス・リバウンドからのコーストツーコースト(Coast to Coast、ディフェンス・リバウンドを獲ってドリブルしそのまま速攻を決めること)。コートの真ん中をドリブルする♯21リョウ、その前を左サイドへコースを変えた#8ジョー。右には#1タクが走っており綺麗な3線が出来ました。

 

 五十嵐(白#7)は大きくコースを変えた#8ジョーをマークへ、そして城宝(白♯31)は右サイド(画面では手前)の#1タクに一瞬注意が行ったのを見た♯21リョウはドリブルが一瞬止まりかけたものの、空いた中央を突破!!♯21リョウの判断の良さが光ると同時に。コース変更をした♯8ジョーの判断も良かったプレーです。

 

2:06

 右サイド(画面手前)#8ジョーと#15サトタクのP&Rかと思はせて鵜沢(白♯11)と今村(白#30)の二人を引きつけておいて、#15サトタクがリング側へ移動、そこへ#8ジョーがボールを入れると、逆サイドからリバウンドへ入ろうとした#34サビートがダイブ(Dive、逆サイド等からI/Sへボールを貰うために走りこむこと)となり、#15サトタクがそこへ見事なビハインド・ザ・バック・パス(Behind the Back Pass.バック・フリップとも言う。背中側を通す逆サイドへのパス)が通り、#34サビートがDunk!!
このようにパスがポンポンと回るとディフェンスはやり辛いものなのです。

 

3:06

 右サイド(画面手前)で#4JPと#1タクがP&Rと思はせながら#1タクは#4JPに近づかず離れてトップへ移動。♯45ウィルをスクリーンにします。池田(白♯32)は急に逆サイドへ行かれたことと♯45ウィルのスクリーンが効いたため#1タクはノーマーク、そこへ♯4JPからパスが来て3P。
#1タクは、最近はこのプレーのように外でパスを貰ってからの3Pの成功率が高くなっており、ビーコルとしては良い展開だと思い、今後もこのプレーが頻繁に出ることを祈ってます。

 

 

 次のホームゲームは3月24日(土)、25日(日)シーホース三河を迎えて国際プールで行います。
 皆さんの応援が勝利には必要です!!

 

3月24日&25日・三河戦 観戦ガイド

 

あんどうたかお プロフィール

1946年生まれ。

月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。

現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。

NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。

過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。

横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。

現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。

また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。

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