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あんどうたかおのバスケにどっぷり

Vol.116「崖っぷちのビーコルと高校関東大会予選」

 いやいやかなりビーコル(横浜ビー・コルセアーズ)が追い込まれています。

 連敗が続き「残留プレーオフ」が決まってしまいました。
 連敗の始まりは、2月5日vs千葉戦②での#42Jウォッシュ(ジェイソン・ウォッシュバーン)の怪我だと言うことは前号でも書いているとおりです。

 

 4月8-9日の vs 渋谷戦では、渋谷戦①62-78と大敗を喫しながらも、渋谷戦②では66-69、そして次節(4月15-16)の三遠シリーズでも、三遠戦①64-77と大差を付けられながら、三遠戦②では73-76と逆転負けしたものの、その差はグンと縮まっています。
 三遠戦②は、分析力の高い尺野コーチの作戦と、ベテラン達の高い対応力で修正できたからで、連敗中の明るい一筋の光が見えました。

 

 それが実を結んだのが、次節(4月22-23)のvs新潟戦です。
 新潟戦①は、第1Qを10-17とリードされ、第3Q中盤には40-56と差を付けられていたものを、ベテラン#25ケン(竹田謙)の連続3P(スリーポイントシュート)を皮切りに、#1タク(川村卓也)と#4JP(ジェフリー・パーマー)、#2カズ(高島一貴)らのシュートでOTO(オフィシャル・タイムアウト)後に73-72と逆転しました。

 しかしその後が続かず、79-82で敗れましたが翌日に繋がるゲーム展開でした。
※OTO:リーグが決めたタイムアウト。アメリカでは、TVタイムアウトとかCMタイムアウトとか呼ばれます。

 

 新潟戦②では、前日の反省を活かし、立ち上がりに集中し、積極的なATB(Attack The Basket.ドリブルで攻め込むこと。ペネトレイトとかスラッシュとも言う)と3Pを織り交ぜ、第1Q25-12と大差を付けました。

 その後もボールをシェアし、シュートを#1タクに集中させず、万遍なく多くの選手に撃たせたことで、新潟のディフェンスも集中できず2桁得点が5人と言う理想的な展開でした。

 

 ただ好調過ぎて、終盤は攻撃疲れが出て、シュートが雑になり入らなくなったことと、新潟が3P攻勢を掛け、猛烈な追い上げを喰らい、残1分12秒、新潟#13チャップマン(クリント・チャップマン)に3Pを決められ、73-73と追い付かれてしまったのです。

 

 今までならこのままズルズルと「負けスパイラル」に入るところですが、残47秒#1タクがFT(フリースロー)をキッチリ2本共決め、更に残25秒、新潟#13チャップマンのファールから抗議した新潟にベンチ・テクニカルファールが宣せられ、与えられた3本のFTを#42Jウォッシュが全て決め、その上、ビーコルのボール・ポゼッション(ビーコルのスローイン)となりました。

 

 ここから新潟は、ファールゲーム(ワザとファールして相手のFTミスに賭けるギャンブル的プレー)に出るしかなかったのですが、ビーコルはそのFTを4本中3本決め81-73で逃げ切り、3月18日大阪エヴェッサ戦以来の勝利を勝ちとりました!

 

 

81-73久しぶりの勝利 ビーコル尺野コーチのコメント

 

 とはいえ、危機的状態は続きます。
 B1全体の下位4チームに入ると「残留プレーオフ」の出場となり、B2との入れ替えを掛けたトーナメントに出場しなければならないのですが、5月3日vs三遠戦に敗れ14位滋賀が大阪に勝ったので、この時点で「残留プレーオフ」出場が決まってしまいました。

 

 

 更に、ホームコート開催を巡り、最終節をアウェーで新潟と対戦し、新潟戦①は残り2秒に#0マーシー(細谷将司)が、ジャンパー(ジャンプ・シュート)を決め72-72に追いつき、「オーバータイムに持ち込んだ!」と思った次の瞬間、新潟#7五十嵐(五十嵐圭)が無造作に放ったスローイン直後のFTラインからの超ロングシュートが入ってしまい、無念のブザービーター負けを喫してしまいました。

 

 最終戦となる日曜日の新潟戦②は、前半こそ競って41-40とリードして終えたものの、第3Qに崩れると言う悪い癖が出て74-83で敗れ、レギュラーシーズンを16勝44敗で終え、17位となりホームコートの権利は得られず、秋田でのアウェー・ゲームとなりました。

 

【日 程】5月13日(土)、14日(日)
【会 場】CANアリーナ☆あきた(秋田市立体育館)

 

 「残留プレーオフ」は、4チームのトーナメントが行われますが、1回戦で敗れた2チームは無条件でB2陥落し、更に2回戦で勝ったチームは残留となり、負けたチームはB2の3位チームと入れ替え戦を行います。詳細はBリーグのHPこちらをご覧下さい。

 

■高 校■
 第71回関東高等学校バスケットボール選手権大会神奈川県予選 兼 平成29年度 神奈川県高等学校春季バスケットボール大会が、4月23日から5月4日まで各支部を勝ち抜いてきた男女各32チームが参加しました。

 

 その結果をレポートします。

 

 組み合わせは、1月に行われた新人戦の順位でシードが決まります。また、この大会の結果が、6月のインターハイ予選組み合わせに反映します。
男女とも上位5チームが、6月3-4日に東京体育館で行われる、第71回関東大会に出場します。

 

【男子】
 第1シードの県立厚木東は、湘南工科大高(通称テック)を80-52で破り、立花学園高を98-78で下した東海大付属相模高と準決勝で対戦し、101-54で下し、決勝進出しました。

 

 第2シードのアレセイア湘南高は、県立厚木北高を69-47で破り、ウィンターカップ(WC)出場のためチーム作りが遅くなり、新人戦で厚木東高に敗れて下位シードとなった桐光学園高を69-66で勝利した法政大第二高を62-61で下し、決勝進出しました。

 

 決勝は新人戦と同カードとなり、この時は74-70で、厚木東が優勝しています。

 

【5位決定戦 桐光学園高vs湘南工科高】
 テックは、前日までベンチで指揮を執っていた横山秀夫コーチが、心筋梗塞で急逝と言うアクシデントにも拘らず、スピードが有り積極的にアタックを掛け、合わせも上手く良いプレーを展開していました。しかし、最高身長者が183㎝で大型選手を揃え、メンバー豊富な桐光には敵はず、98-58で桐光が勝ち、関東大会出場を決めました。

 

男子 5位決定戦

 

【3位決定戦 法政ニ高vs東海大相模高】
 若く熱い指導者同士で付属高と言う共通するチーム同士の戦いは、立ち上がり、法政のゾーンディフェンスが効いてリードしたものの、第2ピリオドは、東海が強いディフェンスを仕掛け、更に#4佐土原遼(3年189㎝旭ヶ丘中)の3Pが決まり、41-33と東海が逆転して前半終了。
 後半は、立ち上がりから#2小野怜央(3年189㎝原中)を中心に、積極的な攻撃を仕掛ける法政、対する東海は、佐土原の3P頼みと言う展開では苦しく、80-71で法政が勝ち3位。インターハイ予選で第3シードを確保して、桐光との対戦を免れました。

 

男子3位決定戦

 

【決勝 厚木東高vsアレセイア高】
 アレセイアは、男女共の決勝進出。

 これは昭和39年の市立桜が丘高以来、53年ぶりです。
新人戦と同カードになりましたが、この時はオーバータイム(延長)のすえ、74-70で厚木東が逆転勝ちしました。

 

 小学校時代から上がったことが無いと言う、厚木東の#4佐野龍之介(3年181㎝善行中)が、キャプテンの責任感から初めは緊張していて、最初のシュートも何だか判らなかったほど重い立ち上がりです。

 

 一方、新人戦で残10秒に3Pを決めオーバータイム(延長戦)に持ち込んだ#4更科幹(3年180㎝アレセイア中)を怪我で欠き、PG(ポイントガード)に不安を抱えるアレセも重いスタートです。

 

 そのためか、両チーム共にシュートが雑で決まらない中、アレセイアは#16本田大河(2年176㎝柏陽中)の3Pが良く決まり、35-29でアレセイアがリードして前半を終了しました。この展開は新人戦と似ています。

 

 後半立ち上がり、厚木東は、PG#7東野恒紀(3年181㎝原中)が良いATBと速攻を決めて追い上げ、#4佐野のFTで追い付き、#7東野の3Pでついに53-51と逆転し、第3ピリオド終了しました。

 

 最終ピリオド、アレセイアは当然ディフェンスを強くして、両チームともに得点は止まったが、#4佐野のATBとハイポストでのシュートから、流れは厚木東に傾き62-55と7点差を付けました。
 その後、厚木東の強いディフェンスが効いてきて、アレセイアは、#6キング開(3年181㎝村岡中)と#7エマニエル・オスアプチ(3年200㎝NPSS)の2本のシュートのみで、PG不在のアレセイアは得点出来ません。

 

 #7東野がスティールを決め、リバウンドからのワンパス速攻を#8菊池充(3年184㎝高浜中)がファールされながらも決め、更にAnd1(バスケット・カウントの2点+1FT)を決め、68-55とし完全に厚木東のペースとなり差は離れるばかりでした。

 

 そこで、残3分にタイムアウトを取ったアレセイアは、上からプレスに出るものの、効果なく75-58で厚木東が勝利し、新人戦に引き続き、そして4年ぶり2回目の優勝を果たしました。

 

男子決勝戦

 

厚木東:永田コーチ談
 新人戦より点を取れるようになり、リバウンドも良くなってきた。これが目標だったがもっと強化してインターハイを目指したい。東野と菊池が悩みながらも伸びた。相手のセンターに対して前に立つように、裏側はガードが挟めと指示しました。

 

アレセイア:小田島コーチ談
更科が怪我で、、、 PGが駄目でした!

 

【女子】
 新人戦に優勝し第1シードの県立元石川高は、立花学園高を90-61で下した後、初のベスト8進出を果たした鵠沼高に85-57で勝ち、県立金沢総合高を82-67で、横浜清風高を76-57で下して上がってきた相模女大高等部を55-42で破り初の、そして新人戦に続いての決勝進出を決めました。

 

 一方、新人戦ではベスト4止まりだったアレセイアは、県立弥栄高に55-51と辛勝した県立逗葉高を90-63で破り、新人戦準優勝の県立座間高を76-60で下したウィンターカップ出場の県立旭高を83-61で破り、決勝へ進出しました。

 

【5位決定戦 座間高vs鵠沼高】
 鵠沼は、キャプテン#14相田栞理(2年159㎝戸塚中)を中心に得点し、座間はキャプテンでPG#4河村くるみ(3年166㎝戸塚中)と#7工藤柚葉(3年173㎝戸塚中)を中心に、お互い戸塚中出身者がチームをリ-ドする形で第3ピリオドまで接戦が続きました。
 最終ピリオドの座間は、#7工藤と#12山本萌(3年161㎝山内中)の連続シュートで一気に9点差を付けましたが、終盤で鵠沼#14相田が3PとFTを2本決め4点差まで詰めました。

 

 しかしその後、座間は#5山口純可(3年169㎝酒匂中)に3Pで止めを刺し、69-62で勝利し5位となり、座間は、初の関東大会出場を決めました。
 敗れたものの、鵠沼はシード権(ベスト8)を獲得したことで、今まで2年生の卒業旅行と被っていたインターハイ予選にフルメンバーで出場できることになりました。

 

女子5位決定戦

 

【3位決定戦 旭高vs相模女大高】
 新人戦では、準々決勝で元石川高に敗れた旭と、清風に敗れ準々決勝に届かなかった相模女。

 

 旭#4浜屋菜奈(3年170㎝中沢中)と#5前川奈那実(3年159㎝成瀬中)の3P、#7富樫ひなた(3年170㎝坂本中)の活躍で、第1ピリオド17-10とリードした旭は、その後も激しいプレスでリードを保っていました。
 しかし、相模女は、#5木山澪(3年171㎝鶴ヶ峰中)等か決め、29-28と逆転して前半を終了。

 

 その後も接戦を続けた後、残16秒に旭#6森内彩香(3年170㎝玉川中)がI/S(Inside、ゴール近辺)で決め、59-56と3点差を付け勝負あったかと思いました。しかし、タイムアウト明けの相模女は、#5木山がいきなりトップから3Pを決め同点としました。

 

 残り2秒、今度は旭#9井上梨沙(2年162㎝今宿中)がFTを貰います。1本でも決めれば逃げ切れるチャンスでしたが、残念!2本共外しオーバータイムとなりました。
 延長に入ると、旭は#5前川、相模女は#5木山のエース同士の対決の様相で最後まで競りましたが、旭#5前川がペネトレイトを決め、なおかつ、ファールもとり、And1も決め、一気に71-67と差を開き勝負を決め、71-70で勝ちました。

 

 敗れたものの相模女は、今までと違いI/Sでの接触を嫌がらず、しっかりと攻めており、個人能力や高さもあるため、インターハイ予選は面白い存在となるでしょう。

 

旭:講武コーチ談
 1月に新メンバーになり、残っていたのは浜屋とセンターの控えだった富樫程度。前川は得点能力が高い選手です。

 

神奈川県高校関東大会予選最終日 女子3位決定戦

 

【決勝 元石川高vsアレセイア高】
 新人戦では、準決勝で対戦して接戦の末、元石川が52‐49で勝っています。

 

 立ち上がり元石川は、早いパス回しから#5大井望咲(3年167㎝旭北中)と#10齋藤つばさ(3年162㎝山内中)、#17丹羽風春天(2年162㎝日吉台中)の3Pが面白いように決まるのに対し、アレセイアはシュートが決まらず、12-6と元石川が大きくリードしました。

 

 しかし、タイムアウト開けでアレセイアは、ディフェンスを強化するとオフェンスの動きも良くなりリズムができ、#15渡邉菜奈(2年170㎝相模女中)の3Pから追い上げが始まり、第1ピリオド終了前に、センター#16宮優里奈(3年175㎝六角橋中)が決め逆転し、17-14で第1ピリオド終了しました。

 

 第2ピリオドに入ると、アレセイアの強いディフェンスで元石川は苦しくなり、#4丸山美咲季(3年167㎝旭北中)のシュートに頼るものの、中々差が縮まりません。その間にアレセイアは、#9寺林陽奈(2年162㎝アレセイア中)#7大山藍李(3年164㎝鶴嶺中)が得点し、ペースを握り3分間で26‐17と開き38-27で前半終了しました。

 

 後半に入り元石川は、得点能力の高い#10齋藤つばさ(3年162㎝山内中)が積極的に攻め始めると、アレセイアは身長の優位を活かしてI/Sの宮にボールを集め、味方のシュートミスもプットバック(Put Back。オフェンス・リバウンドを獲ってシュートするプレー)し、徐々に点差を開き72-51で勝利して、チーム創設以来初の優勝に輝きました。

 

神奈川県高校関東大会予選最終日 女子決勝戦

 

アレセイア:張一(チャン・イル)コーチ談
 3年生が少ない新しいチームで、大きな大会の経験がありません。新人戦は、宮がインフルエンザで不調でした。今日の作戦は元石川の#10と#17をローテーションして守らせました。チーム創立3年目で体育館の使用が制限されている中、反復練習とスピード大切にして練習しています。インターハイとウィンターカップが目標です。

 

元石川:内藤コーチ談
 センターの子が、肩を外したので今日は無理をさせず出さなかった。アレセイアは3Pが強いので、I/Sで2点取られるより外から3点入れられた方がダメージが大きいので、あえてI/Sを捨てました。

 

第71回関東高等学校男子バスケットボール選手権大会
【日 程】6月3日(土)~4日(日)
【会 場】東京体育館 JR総武線・千駄ヶ谷駅、都営大江戸線・国立競技場駅
組み合わせは未定です。公式サイトをチェックして下さい。

 

第71回関東高等学校女子バスケットボール選手権大会
【日 程】6月10日(土)~11日(日)
【会 場】千葉

 

 神奈川の高校生の応援をよろしくお願いします!!

 

あんどうたかお プロフィール

1946年生まれ。

月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。

現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。

NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。

過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。

横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。

現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。

また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。

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