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あんどうたかおのバスケにどっぷり

vol.111「ビーコルホーム初勝利や細谷選手代表候補入りとか」

 

 

 もう師走です! この一年も慌ただしく過ぎてゆきます!!

 

 しかしビーコル(Bリーグ、横浜ビー・コルセアーズ)では、たった一か月の間に様々なことが起こりました。
 今回はそんなビッグニュースを3個書きます!!
 順番を付けるのは難しいのですが、チームを優先させましょう。

 

 

◆ホーム初勝利!!

 アウェーでは対戦時、中地区2位三遠ネオフェニックスや3位のサンロッカーズ渋谷等に勝っているというのに、ホームでは1勝もしていませんでした。

 

 そんな中11月19日(土)富山グラウジーズを国際プールに迎えてのゲーム①、14連敗中の富山は外国籍選手オンザコート数でギャンブルに打って出ました。

 

 通常は2-1-1-2、1-2-1-2(第1Q-第2Q-第3Q-第4Qの順での外国籍選手の数を表します)などと設定しますが、ナッシュ・コーチは「2-0-2-2」と奇策に出ました。第2Q以外は常に外国籍選手が2人いるので有利になる筈、だから第2Qを如何に凌ぐかが勝負どころな訳です。

 

 立ち上がりが弱いビーコルは、マーシー(#0細谷将司)がペネトレイト(ドリブルでゴールヘ攻め込むこと)や、3P等積極的に攻め7-0とリードを奪い、その勢いのまま第1Qを18-10と8点差をつけて終了。

 

 問題は第2Qです。相手は全員日本人で、最高でも嶋田選手の197cm。これなら203cmで身体能力の高いJP(#4ジェフリー・パーマー)や208cmのJウォッシュ(#42ジェイソン・ウォッシュバーン)にI/S(インサイドの略、ゴール下近辺)を攻めさせれば楽勝と思いがちですが、そうはいかないのがバスケットの面白いところです(笑)

 

 2年前11月のビーコルでも外国籍選手2人状態の上、一人が負傷一人がファール・トラブルで全て日本人で戦った時間帯が有りましたが、183cmの久山智志等が200cm超の相手に対し、身体を張って必死にゴール下を守って凌いだことがあります。相手とするとどうしても甘く見てしまうようで、ミスが起きやすくなるのです。

 

 この日の富山はゴール下をがっちり守る上に、意識的にファールしてシュート前で止める作戦に出ました。更にFT(フリースロー)の苦手なパプ(#10ファイ・パプ月瑠)に対し、ボールを持っていない時もファールしてFTをさせ攻撃を止めさせる「ハック・パプ作戦」に出て、ビーコルの攻撃リズムを完全に崩しました。

 

 因みにこのQのファール数は、ビーコル5個に対し富山は15個です(笑)

 

 

富山戦 パーマー1

 

富山戦 2
 

 


 

 

 第3Qは外国籍選手が富山の2人に対し、逆にビーコルは1人となるわけですが、ここは帰化枠のパプが日本人として出場できるため遜色なく、タク(#1川村卓也)とマーシーが頑張ると、富山は第2Qのファール攻勢したことでファールが嵩み、オフェンス・リズムを崩しこのQを21-21とタイにして、依然リードを保っています。

 

 最終Qは一時富山に追い上げられたものの、マーシーのペネトレイトミスをJPがプットバック(リバウンドしてシュート)ダンクで押し込み、更に高島の3Pが決まり、富山を突き放し85-66でホーム初勝利となり、コートMC豊嶋さんの今シーズン初の「勝ちましたーーー!!」を聞けました!

 

 

 

◆強豪三河に勝利!

 16勝5敗で西地区ダントツの1位シーホース三河、と言うよりアイシンと言った方がバスケットを良く知る人には判り易いと思います。この10年間に全日本総合選手権で5回、NBL(JBLも含む)で4回の優勝、そして比江島、金丸、桜木、橋本と日本を代表する選手を多数抱え、更に鈴木コーチは日本代表のコーチも経験している強豪チームです。

 

 その三河に勝ったんです!!

 

 正直言うと、三河には全然敵わないと思ってました。何故なら前週に西地区2位・名古屋Dドルフィンズ戦で2連敗していたので三河には勝てないだろうと、、、

 

 12月11日(日)ゲーム②、第1Qに弱いと言われているビーコルですが、この日は強いディフェンスとマーシーを中心にアグレッシブな攻撃を展開。この日はタクのシュート・タッチが良かったですね。このゲームでアイシンは外国籍選手オンザコート数を第1Q1人としたことも幸いして、17-12とリードして終了しました。

 

 第2Q三河は外国籍選手が多くなり、ビーコルは不利になりますが、開始早々ガードのタクとマーシーをケンジ(#13山田謙治)とアレク(#5湊谷安玲久司朱)に替え、更にカズ(#2高島一貴)をケン(#25竹田謙)に替えました。これに対し三河は身長でミスマッチが生じるパプのところを206cmのエドワーズがゴール下でゴリゴリと押し込み得点します。それでもケンジやアレクが頑張り、37-34と詰められたものの3点リードで前半を終了しました。これは大正解です。ベンチ・メンバーの活躍のお陰で、タクもマーシーも十分に休むことができたからです。

 

 第2Qのお陰で、第3Qの立ち上がりはタクの3Pが好調で、それにつれJPやパプがI/Sで得点するバランスの良い攻撃で、更にはマーシーのブザービーター(ピリオドや試合の終了直前に放たれ、ボールが空中にある間に残り時間が0となり、ゴールに入るショット)・スリー(3P)が決まり、このQを25-14と圧倒し、87-71で勝利し、三遠ゲーム②から始まった連敗を4で止めました。

 

 

 

三河 (4)

 

三河 (2)

 

 

 実はこの勝利には伏線がありました。前日12月10日(土)のゲーム①では、立ち上がりからJPがI/Sを攻めずーっとリードしていて、前半終盤に追い上げられ一度は逆転されましたが、その後はシーソー・ゲームを展開したものの、第4Qで三河のI/S攻撃に68-77と大差を付けられたのですが、OTO(オフィシャル・タイム・アウト)を挟んでタクとケンの3P等で追い上げ、残32秒にJPのFTで83-82と逆転しました。

 

 しかしディフェンスのミスから三河・橋本に3Pを決められ、83-85と再逆転です!!

 

 残り時間は19秒、タイムアウトを取ったビーコルは、当然ラストショットはタクに任せる作戦に。これは相手にとっても判り易い作戦ですが、当然の作戦です。このような場面では、チームのスター選手がシュートするのは当然のことです。絶頂期のマイケル・ジョーダンとシカゴ・ブルズを思いだせば判ると思います。ゴール下にノーマークの選手が居ない限りスターに任せます。それで外してもしょうがないし納得もできます。

 

 この日24得点で調子は悪くないし、何度もこのような場面を経験しシュートを決めて来ているタクです。「俺が決める、俺しか居ない!」と言う気持ちが見て取れました。その強い気持ちが周りを見させ無かったのか、見れなかったのか?

 

 ドリブルしながらシュートの場所とタイミングを探すものの、マークはきつく中々シュートできません。シュート・ミス後のリバウンドまで考えたのか、決して良い状態じゃないのにFTライン辺りから体勢を崩しながら、それも巨漢208cmのバッツの前でのシュート。案の定難なく叩かれ比江島に取られ、しょうがなくマーシーがファールゲームしたものの、比江島にFTを2本とも決められ83-87で敗れたのです。

 

川村選手

 

 

 ゲーム後の記者会見ではまるで元気がなく、ションボリとしてラストプレーを反省していたタクでした。

 

 ゲーム後に三河の鈴木コーチは「外国人が得点して纏まっているときのビーコルさんは強いですね!」とニヤッとしながら言ってましたが、裏返すと「川村が個人プレーに走ると弱いですよ!」と言いたかったのだと思います。

 

 しかしそれが有って、タクが学習したからこそゲーム②での勝利が有ったのです。

 

 因みにゲーム①でタクは24点2アシストでしたが、ゲーム②では14点4アシストです。タクが14点でも勝てる、いや14点だから勝てるのだと思います。そしてこの日の4アシストは勲章だと思います。

 

 

 

◆タクとマーシー日本代表候補重点強化選手に選ばれた!!!

 タクは19歳から日本代表に選ばれていたので、今更特筆すべきことではありませんが(笑)嬉しかったのはマーシーが選ばれたことです。

 

 三遠戦だか富山戦の時だったか忘れましたが、日本協会技術委員委員長の東野氏がビーコルのゲームを見に来ていました。その時は単にゲームを見に来た程度しか思わなかったのですが、考えてみたら選手選考のための調査だったのですね。

 

 マーシーはビーコルに来る前は目立った選手では有りませんでした。秦野南ヶ丘高時代も大活躍するような選手ではなく、関東学院大も一時はBチームに居た程度の選手でした。卒業後は一時会社勤めをしたものの栃木ブレックスのDライズに入団し、その後NBLの兵庫ストークスからつくばロボッツへ行き、今シーズンからビーコル、と言う道をたどってきました。

 

 

 

 

 

細谷選手のインタビュー

 

 

 シーズン前に小川GMからリクルートに関して話を聞いた時、「細谷ってスピードあってシュートも入るし良いんですよ!」と話は聞いていましたが、出身大学は関東リーグ2部の関東学院大でそれ程強くないチームの上、聞いたこともない選手だったので期待はしてませんでした(笑)

 

 三河・鈴木コーチはマーシーのことをストークスの時に見ていて、良い選手だと思っていたそうです。

 

 当初はケンジのバックアップPG(控えのポイントガード)で9点取ったり11点取ったりしたものの、0点のゲームも有りました。ところが6ゲーム目となる三遠ゲーム②で、ケンジに変わりスタメンに起用されるといきなり39得点(今シーズンビーコル個人最高得点)と大爆発です!!!

 

 まだ代表候補重点強化選手に選ばれただけです。これから合宿等で絞り込まれますが、最後まで残って欲しいですね。そして目標であり憧れの田臥選手から色々と吸収して一回りも二回りも大きくなって、ビーコル優勝の原動力になって欲しいものです!!

 

 

 今年最後のホームゲームは仙台89ERSを迎え、17日(土)18日(日)の二日間、国際プールで開催されます。

 

 年始はお正月2日、3日に京都ハンナリーズと国際プールで行いますので、お年始参りついでに初ビーコルで初勝利と行きたいですね!!

 

 

あんどうたかお プロフィール

1946年生まれ。

月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。

現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。

NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。

過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。

横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。

現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。

また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。

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