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あんどうたかおのバスケにどっぷり

vol.87「日本バスケット界と荒波に揉まれるビーコル」

現在日本のバスケットボール界では前代未聞の大騒ぎとなっています。ご存知のようにJBA(公益財団法人日本バスケットボール協会)はFIBA(フィバ。国際バスケットボール連盟)から国際試合出場停止の制裁を受けました。これによって男女とも代表チームが世界的大会への出場ができなくなるばかりか、国際審判員も資格を取り上げられることになりました。

その理由と問題点の要約をFIBAは次のように指摘してきました。

<1>トップリーグの統一
現在、日本にはJBAの管轄下にあるNBLと、JBAの傘下ながら少し距離をおいているターキッシュエアラインズbjリーグという2つのリーグがある。この状況は、JBAが日本のバスケットボールを完全に管理できていないことを意味しており、それはFIBAの基本規程違反である。

<2>代表チームの強化
1の問題点に対応するため、JBAの内部組織と規律体制は改革が必要で、2016-2024の長期に渡る代表プログラムの戦略的な計画を導入する必要がある。

<3>世界のバスケットと足並みを揃える
日本の高校組織は多くの大会を開催しているが、FIBAのスケジュールのアンダーカテゴリーの国際大会の期間として定めた時期と重なっていた。そのため該当する高校は、選手たちを日本のアンダーカテゴリー代表チームに出したがらないという事態が起こった。
(筆者注:その例のひとつが今夏のインターハイ。決勝戦が「第3回FIBA U-17男子バスケットボール世界選手権大会」と重なり、代表に選ばれた明成高の2選手と福大大濠高は決勝戦に出場できなかったので、FIBAが言っていることとは合致しません。ちなみに第17回FIBA女子バスケットボール世界選手権大会は9月27日〜10月5日の開催。第17回アジア競技大会は9月20〜10月3日で完全に被ってます(笑))。
そのことが日本のバスケットボール発展に対して大きくマイナスの影響を及ぼしている。

そしてFIBAは2008年に埼玉で行われた世界選手権大会の大赤字問題及びその後の修復改善もされないことも指摘し、JBAのガバナンス(組織をまとめる統制力)の強化と事業性の向上を求めていました。
そのためFIBAはJBAに対して、今年10月までに問題解決に向けての進展がない限り、FIBAからJBAに対して制裁処分を下さざるを得ない、と言われていたのです。

横浜ビー・コルセアーズとして関係があるのは<1>トップリーグの統一問題です。
簡単に振り返ってみましょう。

・2005年 日本協会傘下の日本リーグ機構(JBL)では以前からプロ化について検討することになってましたが、遅々として進展せず、しびれを切らした「新潟アルビレックス」と「埼玉ブロンコス」の2チームが脱退を表明し、5月に承認され、11月に6チームでプロリーグのbjリーグが開幕しました。

・2008年 FIBAが国内に2リーグ存在することを問題視。日本協会は「トップリーグ検討委員会」を設置しました。

・2010年 bjリーグが日本協会の傘下に。日本協会は「新リーグ準備室」を設置。

・2013年 日本協会が主導した新リーグのNBLが9月に開幕。bjリーグからは千葉ジェッツのみが参加。12月にはFIBAのバウマン事務総長が制裁を科す可能性を示唆。

・2014年 4月にバウマン事務総長からリーグ統合・協会運営の改善の回答期限が10月末に設定され、7月には「新リーグ組織委員会」が発足したが、チーム名などをめぐり進展せず。11月、ついに制裁が決定した。

FIBAとしては「制裁」というよりは「早く良くなって!だからお仕置きします」という願いの方が強いのです。だから改善され次第、この制裁は解除されます。

その最中に2つのNBLチームで騒動が起きました、一つは「和歌山トライアンズ報奨金未払い」の件。こちらは以前から運営が危ぶまれてはいましたが、給料ではなく1月に行われた「全日本総合バスケットボール選手権3位入賞の報奨金」が未払いだった、ということですが、もう一件は大問題です。

経営が悪化してNBLの管理下になっている「つくばロボッツ」(12月5日現在0勝16敗、イースタン・カンファレンス最下位)は、選手11人が自由契約になったと12月1日にNBLから発表になりました。11選手はチーム運営を引き継ぐ新法人と契約合意に至らなかったためで、日本バスケットボール選手会会長の岡田優介もその中の一人です。

ロボッツは当初から運営が懸念されていましたが、元運営会社「いばらきスポーツアカデミー」の経営状況が悪化したため、開幕直前に運営をリーグに移管していて、試合は予定通り実施し、主催試合の経費や選手の給料はリーグが支払っていました。しかし新会社へ移転されるとなった時に、選手達は契約でかなり低い金額を提示されたことと、開幕前のリーグへの移管問題(ロボッツの経営問題)が原因でリーグを辞任した専務理事が新会社の社長就任という不可解な事が重なり契約に至らず「自由契約」となった、と選手側は連名で発言してます。

ただこの問題は前会社時代から多くの噂が飛び交っており、どれが本当なのか判らない状態です。

しかし5日、選手は最低数の10人を確保したため新しい運営会社に移管するとNBLから発表がありました。
これでめでたしめでたし、となって良いのでしょうか???

まあそんな事を言ってられないのが、現在の横浜ビー・コルセアーズです。

10月19日(日)#50ウェイン・マーシャルが膝を悪化させた青森ワッツ戦ゲーム2での敗戦から1勝12敗と大きく負け越して、通算4勝14敗(勝率22.2%)でリーグでも9位と大嵐の中を流され彷徨っている状態です。

原因は先月も書いたとおり、外国籍選手の少なさです。
青森戦以降も膝の故障を押して健闘していた#50マーシャルが11月15日(土)から欠場となりました。多くのチームは外国籍選手を4人or5人抱えていて、プレータイム(出場時間)をシェアしている状態で負担を軽くさせてますが、ビーコルは2人だけになりました。

追い打ちをかけたのが11月23日(日)の岩手ビッグブルズ戦ゲーム2、第3Q(クォーター)残6分、#33ジャーフロー・ラーカイはドリブルで割って入った時に膝を打ち倒れこんでしまい退場しました。これで外国籍選手は#15ウォーレン・ナイルズただ一人となってしまったわけです。
さらにその1分後に#15ナイルズが4ファールとなりベンチに下がり、All Japan体制で6分近く戦う羽目に。All Japanになると、高さが無いので相手の外国籍選手はゴール下で待ち構え、外は日本人が強いプレッシャーをかけてくるため、どうしても得点が少なくなってしまいます。

29日(土)のバンビシャス奈良戦、この日から#33ラーカイは原因不明の痛みにより欠場となり、新たに練習生からのコールアップで#21西谷亮一が選手登録されました。
外国籍が1人ということで#15ナイルズが奮闘したものの、日本人選手は気合いが入りすぎて攻撃では空回りとなってしまい、前半は31-46と大差をつけられてしまった。
それでも第3Qは#15ナイルズをはじめとして積極的にATB(Attack The Basketドリブルでゴールを攻めること)を仕掛け54-62まで追い上げました。しかし外国籍選手3人がコートに立てる第4Qは押され気味だった。とはいえ完敗というわけではなかった。
このゲームで#15ナイルズは43得点し、#3蒲谷正之が持つビーコルの歴代1ゲーム個人最高得点記録39点(13年4月27日vs埼玉戦)を破って新記録を打ち立てました。


#15 ウォーレン・ナイルズ

翌30日(日)奈良戦ゲーム2。出足から怪我が多く、嫌な予感。まず#15ナイルズが足首を捻ったが、ここはそのままプレーしたものの、40秒後には#13山田謙治が足首を捻りベンチへ下がることに。それで#3蒲谷正之が力んだのかシュートが入らなく、4-18とリードを許し、勝久マイケルヘッドコーチがCTO(タイムアウト)を要求することに。そこから立て直し第2Qは#15ナイルズの3連続3Pで39-41と2点差まで追い上げたのです。

惜しむらくはその後の2分弱が集中してなかったこと。最後の4点は与えなくてよかった点だと思う。しかし前半は#15ナイルズ16得点の活躍で39-46まで追い上げた。
後半、奈良は日本人選手の3P攻勢に出てきた。ビーコルのディフェンスはどうしても外国籍選手とインサイドに集中しがちになるので日本人選手の3Pまで手が回らない、というのが正直なところ。そこを突いて見事完璧に3Pを決めた奈良の#21山崎稜(このQだけで5/5)と#14稲垣諒(このQだけで2/2)の両選手を褒めるしかないだろう。

結局ここで51-82と離され勝負はついてしまった。

しかしビーコルはギブアップしたわけじゃない。点数こそ開いているがブースターさんも諦めてないし応援を放棄したわけじゃない。

何故なら彼らはビーコルの選手が精いっぱい戦っているところを見ている。ペイント内(ゴール下)は身体を張って2m超の外国籍選手を守っている。奈良は216cmの#43ジャレット・カーターを起用してきたが、ビーコルは強いプレッシャーとWチーム(1人に対し2人で守ること)でボールを奪い取る。ディフェンスだけじゃなく、攻撃では#15ナイルズとともに#73久山智志がインサイドも3Pも決める。#73久山がやっとフォワードらしい働きをしてくれた。
だから点差が開こうがそれまで以上に熱くブーストをしてくれる。

岩手ビッグブルズの桶谷大コーチをはじめ、ビーコルと対戦したコーチはビーコルの日本人選手の技術とハートの強さを認めている。だからあと一人でも外国籍選手が来れば、かなり強くなる。

その外国籍選手がやっと決まりました!!

12月6日(土)スカイアリーナ座間での群馬クレインサンダーズ戦直前の5日金曜日、ギリギリで発表されたのが#23カイル・マーシャル(Khyle Marshall)200cm。BigEastという、アメリカ大学界最強のリーグに所属するバトラー大出身の選手。ATBもできる点取り屋で、オフェンス・リバウンドも強いからとっても楽しみになってきた。

ビーコルにはオフェンス、ディフェンスでは連携プレーが多いので簡単にはチームに溶け込めないだろうが、少なくとも#15ナイルズの負担は軽くなる。
そしてあと一人、2m5cmから2m10cmの選手が来たら、完全に有明で戦うバージョンになります。

<告知> 第7回慶應・延世定期戦
[日時]12月21日(日) 17:00〜
[会場]慶應高校日吉会堂(大学の体育館ではありません)
※入場無料

日本の慶應義塾大と韓国の延世大とのバスケットボール定期戦が行われます。慶應大は先日のインカレで8位入賞の強豪。ディフェンスが良いのが有名で、#4伊藤良太のPG力と得点力が見どころ。入場無料です!!
◆前日12/20(土)15:15〜 同じ日吉会堂で東海大vs延世大の練習試合もあります。


写真は前回大会・伊藤良太選手(主将)


日吉会堂アクセス
・日吉駅(東急東横線、東急目黒線/横浜市営地下鉄グリーンライン)
※東急東横線の特急は日吉駅に停車しません。

あんどうたかお プロフィール

1946年生まれ。

月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。

現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。

NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。

過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。

横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。

現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。

また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。

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