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あんどうたかおのバスケにどっぷり

vol.79「ビーコル プレイオフへの道」

2月8日から7勝10敗、6位だったビーコル(横浜ビー・コルセアーズ)が、気がついたら8位となり、プレイオフ出場圏内の6位から2位も下にいる。今回はその原因と、プレイオフ進出の可能性についてお話しましょう。

前々回に書きましたが、不振の原因は怪我人続出でチームの調子が上がらなかったことです。下位チームとの対戦が多い2月に怪我人が多く、怪我人が復帰し始めた3月は皮肉なことに富山、信州、岩手等上位チームとの対戦が多く、善戦はするものの「勝ち星」に恵まれませんでした。

実は原因はもう一つあると私は思ってました。
それは#55オマー・リードです。

 #55 オマー・リード

彼はMr.オールマイティーと言われるほど、200cmの長身ながら平均得点16.2点をあげ、シュート、パス、ドリブル、リバウンドと何でもできる選手で、特に3Pを得意としていて、開幕から11月いっぱいは1ゲーム平均5.1本のアテンプト(試投)で、確率は32.9%と高いものでした。
ところが3月の8ゲーム(長野、富山、青森、岩手)ではアテンプトは4.2本に減り、確率が17.6%と大幅にダウンしていて、これに伴って得点も平均2点ほど下がってます。アテンプトが減った理由は、チームの攻撃システムが変わってきたことで、外からのシュートが減少したからだと思います。
もっと3Pや3Pラインから近いところ、つまり外側から撃っていいと思います。

というのも、ビーコルの強みは#44ウェイン・マーシャルの211cm120kgの巨体を活かしたゴール下の強さです。これを活かすにはペイントエリア(ゴール下の色違いの四角い場所)にスペースを大きく取りたいのです。そのためにはディフェンスを外に引っ張り出さなければなりません。つまり3Pシュートを入れることでディフェンスを外側に引っ張り出すということです。


ゴール下の攻防(写真中央は#44 ウェイン・マーシャル)

さて、リードが不調なのは3Pだけじゃなかったのです。彼の得意技のひとつにペネトレイト(ドリブルでディフェンスを割って入ること)がありますが、スカウティングされ読み切られて、相手はゴール下に待ち構えていますが、それでも突っ込んでいって潰されるケースが増えたのです。
ペネトレイトはATB(Attack The Basket)とも言って、ゴール下を攻める手法で、一番バスケット的であり、基本中の基本でもあり、勇気のいるプレーです。だから繰り返しATBするのは良いのですが、相手のディフェンスの形態も見ておかないといけませんね。
この手のことは強いチームほど陥りやすいのです。日本リーグ時代の男子・東芝やアイシンも連覇時に同じような過ちを繰り返して、一時低迷したことがありました。
ビーコル・ブースターなら記憶にあるのが、昨シーズンのキングことドゥレイロン・バーンズでしょう。シーズン中盤に同じようにATBばかりして潰されていましたね。
でも彼はATBしてから最後のステップを踏み切る前にパス(通称キックアウトと呼びます)をして味方に打たせることを覚えたり、止まってのシュートもするようになりました。

4月6日終了時点で残り7ゲーム、イースタン・カンファレンス8位という位置です。昨シーズンまでは当たり前のようにプレイオフに進出してましたが、今シーズンはどうなるの??
私も気になってます(汗)

プレイオフへは各カンファレンス(地区)の上位6チームが出場できますが、現在ビーコルは8位です。可能性はあるのでしょうか?
まだあります。他力本願とはいえ首の皮一枚でつながっている状態ですが、まだ可能性はあります!!

順位 チーム 勝敗 ゲーム差
5位 新潟 28勝20敗
6位 青森 23勝23敗 4
7位 仙台 23勝23敗 0
8位 ビーコル 20勝25敗 2.5
9位 東京 13勝33敗 7.5

現在順位は上記の通りで、5位新潟と6位青森は4ゲーム差、8位ビーコルと9位東京は7.5ゲーム差となっており、プレイオフ出場争いは6位青森、7位仙台、8位ビーコルの3チームに絞っていいでしょう。
既にこの3チーム間の対戦は終了しており、3チーム間での成績は青森が5勝3敗でトップの上、2チーム間での対戦でも仙台には得失点差で、ビーコルには勝率で上回っています。

1 全ゲームでの勝率
2 当該チームでの勝率
3 当該チーム間での得失点差
4 当該チーム間での総得点 ※3チーム以上の場合

もし3チームが同率となった場合は青森がいちばん有利でビーコルは2番目となります。
2チーム間で同率となった場合、青森には負けますが、仙台には上位なので、同率になるなら仙台相手の方が良いですね。
現在青森、仙台とは負け数で「2」多くなってます。つまり青森には3戦、仙台には2戦以上負けてもらわなくてはなりません。そこで各チーム今後のスケジュールを調べてみました。 

12、13日@新潟 vs新潟(26勝16敗 東地区5位) 前回対戦 ○80-66、×57-67
19、20日@埼玉 vs埼玉(5勝41敗 東地区11位) 前回対戦 ○90-77、○82-73
26、27日@青森 vs京都(27勝17敗 西地区3位) 初対戦

青森にとっては全てアウェイゲームになりますが、アウェイは5勝17敗という成績で「アウェイに弱い青森」と言われてまして、連戦となり精神的疲労も蓄積されることを加味すると2勝4敗の可能性があります(希望論ですが(笑))そうなると25勝27敗と予想します。

12、13日@仙台 vs富山(38勝10敗 東地区1位) 前回対戦 ○80-66、×57-67
19、20日@千曲市 vs信州(29勝17敗 東地区4位) 前回対戦 ×86-89、○86-73
26、27日@仙台 vs岩手(34勝12敗 東地区3位) 前回対戦 ○82-77、×69-92

仙台はホームが多いものの上位チームとの対戦が多いのが辛いところ。プレイオフ進出が決まっても気を抜けないのがホームコート・アドバンテージというシステムです。これは順位が上のチームに開催権が与えられる、というもので、つまりはホームでゲームができるということです。

bjはブースターの声援が強いので、ホームゲームは勝率がよくなりますが、プレイオフともなるとヒートアップされるため、ますます有利さが増します。ですから上位チームには消化ゲームというのは無く、最後まで全力で戦わなければならず、チームにとっては気が抜けない、ファンにとっては楽しいシステムなのです。
ということで仙台は良くて3勝3敗、トータル26勝26敗ですかね?

そして肝心のビーコルのスケジュールは?

4月6日@群馬 vs群馬(12勝33敗 東地区10位) 前回対戦 ○75-70、×69-72
12、13日@横須賀 vs埼玉(5勝41敗 東地区11位) 前回対戦 ×66-73、○86-74
19、20日@町田 vs東京(13勝33敗 東地区9位) 前回対戦 ○87-55、×71-74
26、27日@平塚 vs秋田(36勝12敗 東地区2位) 前回対戦 ○71-68、×80-99

ラッキーなことに対戦相手は秋田を除くと下位チームばかりで、ホームが多くなってます。
vs埼玉とは開幕直後でチームがまとまる以前のゲームですから、前回対戦は参考にはならないでしょう。
vs東京も前回対戦時の敗因は判っているので、同じ轍は踏むことないでしょう。そして両チームともにプレイオフ進出は無くなっており、モチベーションが下がっているはず。
その上vs東京戦はアウェイとはいえ、会場は町田です。ここはほぼ神奈川圏内ですから、町田をビーコル・ブースターで満杯にしてビーコル・ホーム化して2連勝といきたいです。

そして名将・中村和雄率いる秋田とは、実は相性が抜群に良く、創立以来プレイオフを含めても11勝2敗と勝ち越している上にホームゲームです。更に秋田はこのところ1勝3敗と調子を落としてます。ですからここは1勝1敗、もしかしたら2勝の可能性も。
ということで秋田戦までは1戦も星を落とせません!


秋田ノーザンハピネッツ・中村和雄ヘッドコーチ

つまり最低でも6勝1敗で26勝26敗として結果を待ちたいです。
横須賀、町田、平塚。全て近場です。ぜひ会場で応援を!

Go Go B-Cor!!!

【横浜ビー・コルセアーズ 今後の試合日程】

4月12日(土)18:00、13日(日)14:00
vs 埼玉ブロンコス
横須賀アリーナ(京浜急行「横須賀中央駅」から4,5,6番のりば 衣笠、三崎方面バスで不入斗橋 下車5分)

4月19日(土)18:00、20日(日)14:00
vs 東京サンレーヴス(アウェイ)
町田市総合体育館(JR横浜線「成瀬駅」北口 徒歩9分)

4月26日(土)18:00、27日(日)14:00
vs 秋田ノーザンハピネッツ(レギュラーシーズン最終戦)
トッケイセキュリティ平塚総合体育館(JR「平塚駅」下車徒歩25分、平塚駅北口7番線乗車(所要時間10分))

あんどうたかお プロフィール

1946年生まれ。

月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。

現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。

NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。

過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。

横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。

現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。

また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。

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