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あんどうたかおのバスケにどっぷり

vol.61「bjリーグ開幕」

 さあビーコル2年目の航海の船出だ!!!

 10日付けハマスポニュースに出ているように、9日(火)横浜ビー・コルセアーズのメディア・デーを行いました。NBAではチームごとに写真撮影日を定めて行っていますが、それの真似事で練習からメディアに開放しました。

 私も久しぶりに練習を見てきました。相変わらずハードで基本を大事にした練習なので、一般公開して中学、高校生に見せたいですね。
 昨シーズンと変わった点は、一番目についたのはホッティ—こと#15堀田剛司(196㎝)です。昨シーズンは怪我のためずーっと別メニューで黙々と一人で練習していたホッティ—がコートを走り回って3Pをガンガン撃ってます。心強いですよ!!!

 パプこと#10ファイ・パプ・ムール(200㎝)が生き生きとやってました、と言うのはセンターとしてスタメンの可能性があるからです。身長はセンターとしては低いものの、元々時間当たりのオフェンス・リバウンドと得点能力はかなり高いものを持ってました。
 特にオフェンス・リバウンドでは、1ゲーム平均2.18なので#1マクファーランドの2.53個には敵いませんが、 1分当たりで換算するとマクファーランド0.109個に対しパプは0.130個となるので約20%も多く獲っていることになります。闘争心が強いだけに楽しみです。
 そうそう、今シーズンからパプは番号が#10になりました。だけど理由を聞くのを忘れてた(汗)


前列左から#37河野誠司、#73久山智志、#3蒲谷正之、レジー・ゲイリーヘッドコーチ、#13山田謙治、#7木村実
後列左から#33青木勇人、#2ドゥレイロン・バーンズ、#10ファイ・パプ・ムール、#43ポール・ビュートラック、#1トーマス・ケネディ、#15堀田剛司、#32前田陽介

 #32前田陽介(188㎝)はシステムに馴れてきて、得意のシュートを気持ち良く撃ってました。
 新人の#37河野誠司(172㎝)は昨シーズン練習生として練習していたため、システムを理解していてスピードを活かしたプレーで頑張ってました。
 ベテラン#33青木勇人(193㎝)はいつもの様に、特に変化無く自分のプレーをしてます(笑)
 #7木村実(185㎝)は相変わらず実直にディフェンスでのハッスル・プレーが目立ちます。
 #73久山智志(183㎝)が少し元気無かったですね、軽く怪我してるようですが、それを表に出すような選手じゃありません。
 キャプテン#3蒲谷正之(183㎝)と#2ドゥレイロン・バーンズ(194㎝、通称ドゥレ)の二人は、いつ開幕戦が来てもOK!って感じで絶好調でした。
 新外人#43ポール・ビュートラック(208㎝)は自分の得意とするペリメーター(3ポイントラインの内側)の距離からポンポンと撃ってましたね、調子よかったようです。
 もう一人の外人#1トーマス・ケネディはポールに比べると遠慮してるのかな?って感じでしたね。
 と言うのも、ポールは同じポジションの選手がいないのでノビノビとプレー出来ますが、トーマスのポジションはドゥレや蒲谷がいるためか、全システムを理解しているわけじゃないのか、自由にやれません。
 と言うことで現在は力を発揮してませんが、1ヶ月程すれば慣れるのではないでしょうか、その時が楽しみです!

 さてここまで書いてきて、1人出てきてない選手がいます。
 そう、ケンジこと#13山田謙治です。
 ビーコルのポイントガード(PG)として司令塔の役を担ってきました。ただ彼の元々のポジションはシューティングガード(SG)、つまり得点を取りに行く選手だったのです。大学やリンク栃木ブレックス時代を知っている人なら納得ですよね。少し横から撃つ3Pが得意のシューターでした。
 しかし純粋のPGがいないビーコル内で、誰をPGにするかと言ったら、バスケットIQも高く経験も多いケンジが適任者です。
 ここからケンジの苦悩が始まりました(笑)。今まではパスを貰っていた選手が、パスを配給する立場になった訳です。今までだったら、3Pラインの外で待っていてPGからボールをパスして貰ったら撃つだけだったのが、逆になった訳です。
 コーチ・ゲーリーからはパスをさばけと強く言われます。3Pシュートを決めても褒められるどころか渋い顔をされることすらあり、時にはゲーム後に直接コーチ・ゲーリーからシュートについてお小言も!
 でもそのお蔭で、シーズン後半になるとその感覚も判り始め、PGらしい動きが出来て、終盤の9連勝に陰ながら貢献しました。
 PGの活躍って「表立って」じゃなく「陰ながら」の活躍なんです。私もPG出身なので判りますが、PGの評価の仕方は、数字で表すことが出来ないため物凄く難しく、どうしても影の存在になってしまい、判っているのは一緒にプレーしてる仲間だけで、「ノーマークになるとパスが来る、動いているとその先にボールが来る、一緒だと楽しくプレー出来る。」と言うのが褒め言葉でしょうか?


#13山田謙治

 ところが今シーズンからbjリーグのシステムが変わり、1Qと3Qはオンザコート日本人3名となります。
 と言うことは日本人の比重が高くなる、と言うことです。
 と言うことでコーチ・ゲーリーも考え方を変えざるを得なくなり、ケンジに得点することを要求せざるを得なくなりました。Oh my God!
 やっとPGの役割が判ってきたと言うのに!!

 難しいのは、本来のSGに戻るのではなく「PGとして点を取ること」だからです。言うのは簡単ですが、プレーするのは大変です。
 チームの中でPGが一番長くボールを持ってコントロールしてます。他の選手はPGからボールが来ないと撃てませんが、PGは打ちたいと思った時に撃つことが可能です。
 しかし得意だからと言ってシュートばかりしてたらどういうことになるでしょう?
 「シュートが入るんだからそれで良いじゃないか!」って考えもありますね。
 しかしそうなると、他の選手がせっかくノーマークになったとしてもボールが廻らなくなり、フラストレーションが溜まります。その上しばらくボールを持たないとシュートの感覚も鈍くなります。
 そしてこのレベルになれば、シュートが入る選手にはマークがきつくなるのは常識で、そうなればシュートが難しくなり、リバウンドにも参加出来辛くなり、オフェンス・リズムが悪いどころか、チームのムードを悪くしてしまいます。

 外からの3Pが多くなるのか、ドリブルで突っ込むのが多くなるのか、それは開幕してからのお楽しみ。ただ昨シーズンのアシストはAvg.3.0とPGとしては少ないのが不満でした。しかしドリブルで突破することで新たな道が開け、アシスト・パスも多くなるのじゃないかと期待もします。
 昨シーズンPGとして悩んだ分、今シーズンはバージョン・アップされたケンジが見れそうです。

 さて前回書いたように昨シーズンから3人の外人が去り、2人の外人が加わったビーコル。数字だけで分析しましょう。


(OR-オフェンス・リバウンド、TR‐リバウンド合計、STL‐スティール、BLK‐ブロックショット)

 合計得点は3点弱低くなってますが、3Pの得点は6点近く多くなっています。問題はリバウンドです。#1マクファーランドとJBの力は大きかったですね。ただこの数字はマイナスは3人でプラスが2人だと言うことを考えると、悪くはないのかな?
 まあ単に数字上ですから(笑) 
 数字通りに行かないのが勝負事と人生です(爆笑)

 「今シーズンはスピーディーな展開と外からの攻撃が多くなる」とコーチ・ゲーリーが言ってましたが、外からのシュートが多くなり、エキサイティングな展開となり、見てる方にとって大変面白いゲームとなると思います。

 ただビーコルの真骨頂は「ディフェンス」
 昨シーズン立ち上がりでモタツイタのはコーチ・ゲーリーのディフェンス・システムが浸透しなかったためと、全員が揃ったのが遅く練習期間が短かったためです。
 しかし今シーズンは日本人が全員残っているのでシステムは浸透してます。その上台湾でのABAチャンピオンシップで集中的にゲームしているので修正すべき点が早く分かりました。ただ問題は新外人がディフェンス・システムを理解するのにどの位時間が掛かるのか、と言う点です。コーチ・ゲーリーは3か月ほど掛かると言ってましたので、12月頃から上向きになるのではないでしょうか?
 それまで皆さん我慢して応援して下さい。
 13日(土)埼玉県所沢市で開幕します!!

あんどうたかお プロフィール

1946年生まれ。

月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。

現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。

NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。

過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。

横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。

現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。

また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。

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