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あんどうたかおのバスケにどっぷり

vol.46「ビーコル選手発表」

 bjリーグのプロバスケットボール・チームの横浜ビー・コルセアーズ(ビーコル)について色々と書いてきましたが、実はまだチームにはなってなかったのです。何しろ選手は一人もいなかった訳ですから(笑)

 昨年8月26日にbjリーグから認証されて以来かれこれ11ヶ月、やっと選手が決まり発表に漕ぎ着けられ、7月3日(日)第1回目の入団選手発表が13時30分から横浜駅西口の横浜ベイシェラトン ホテル&タワー4F茜の間で行われました。
 「ハマスポ」の記者さんも来てくれて、ハマスポニュースに載せていただきました。

入団会見1
入団記者会見

 今回発表したのは
★山田 謙治 180cm 27歳 法政大出身
★ファイ・パプ・ムール 200cm 25歳 関東学院大出身
★堀田 剛司 196cm 33歳 日本体育大出身
★蒲谷 正之 183cm 29歳 日本大出身
 以上4人です。

入団会見2
新入団選手入場

 bjリーグでは選手を獲得するには、大雑把に(1)ドラフト、(2)トレード、(3)他チームをFA(自由契約)になった選手、(4)外人選手の4タイプに分かれます。
 実は6月16日にbjリーグ・ドラフト会議がありました。
 そのドラフトにも3種類あります。

「エクスパンション・ドラフト」 
 これは新規参入チーム(つまり我々ビーコルのような新チーム。今回は他に3チームある)には「ゼロ」からのスタートなるため「4巡」しかない新人ドラフトでは選手の絶対数が足らない上に新人しか取れないことになるので、新規チームのみ「他チームの選手を指名することが出来る」システムになってます。
 勿論これには「プロテクト」と言うシステムがあり、既存のチームは前シーズンの成績に応じて「1〜3人」を指名されないように宣言して守れます。
「新人ドラフト」
 いわゆるドラフトです。どこのチームにも所属してない選手を指名して交渉権を得るものです。
「育成ドラフト」
 現段階では選手としての力は無いものの、将来有望な選手を指名するもので、サテライト・チームのメンバーとなります。

 まず新人ドラフトに先立ちエクスパンション・ドラフトが開かれました。
 ビーコルは直前の抽選で4チーム中4位を引いてしまったのです(汗)。
 でも問題ありません、ビーコルはエクスパンション・ドラフトを「指名放棄」の予定でしたから。
 指名放棄すると、本番の「新人ドラフト」では選択順位が上位になれるのです。3順とも放棄したおかげで本番は「いの一番」を手に入れることが出来ました。

山田 謙治選手
山田 謙治選手

 そうしてbjリーグ・ドラフトの本当の1番くじを持ったビーコルが指名したのは、横浜市出身の山田 謙治(やまだ けんじ)選手なのです。
 旭区東希望が丘小からミニバスを始め、6年生ではチームとして始めて全国大会に出場し、南希望が丘中では全国中学大会でベスト16に入り、「ジュニア・オールスター」に選ばれ、神奈川県代表となっています。
 高校は全国でも有名な名門校「能代工業高」へ進み、2年時にインターハイ(全国高校総体)優勝、国民体育大会3位。3年生ではキャプテンに選ばれウィンターカップで優勝し、ベスト5(優秀選手賞)に選ばれました。
 法政大に進学して4年の春には関東大学選手権(通称春のトーナメント)で優勝し最優秀選手に選ばれてます。

 卒業後は実業団の大塚商会へ進みJBL2で優勝し、翌年には新規チームのJBLリンク栃木ブレックスへ入団しました。09年にはリーグ優勝もしている輝かしい経歴の選手です。
 ポジションはポイント・ガートとシューティング・ガード両方出来ます。得意技は3ポイントシュートで、乗ってくると手をつけられないほどシュートが入ります。
 高くジャンプするのではなく、床に足を付けた状態でのシュートなので、素早いフォームのためブロックされにくくなってます。

 2巡目で指名したのは褐色のファイ・パプ・ムール選手です。セネガルから宮崎の延岡高にやってきた留学生です。高校3年時は怪我のためインターハイもウィンターカップも出てませんが、2年生では大活躍してます。
 大学は関東学院大へ進学し、1年生で春のトーナメントで2部の関学大をいきなり3位に入賞させる原動力となりました。4年生の昨年は春のトーナメントで準々決勝に進出して得点王とリバウンド王を獲得しました。冬のインカレ(全日本大学選手権)ではノーシードから勝ち上がり準決勝まで進出して、リバウンド王だけじゃなく「優秀選手賞」も獲得しました。

パプ選手
ファイ・パプ・ムール選手

 彼はバスケットだけじゃなく英語、フランス語、イタリア語、日本語、そして母国セネガル語と5ヶ国語を喋ることが出来るんです。成績も良く、卒業時には学長賞を受賞しました。
 子供たちに人気があり、東日本震災の募金活動を行った際、パプ選手の所へは子供たちが集まるんです。

 この二人は新人ドラフトで獲得しましたが、その他3順目で元日立の山田哲也(ヤマダ テツヤ195cm31歳)を指名しました。まさかここまで残っているとは、その位優秀な選手です。ただこの選手とは12日現在契約合意に至ってません。
 育成ドラフトでは3番目に元宮崎シャイニングサンズ月野雅人(ツキノ マサト178cm22歳)を指名しましたが契約しませんでした。

 ドラフトでは2人と合意しましたが、それ以外にFA(自由契約選手)で神奈川県出身のベテランを2人獲得しました。

山田哲也選手
堀田剛司選手

 堀田 剛司(ほった たけし)196cm33歳 港北区大網中から県内の名門・湘南工科大付属高へ進学。3年連続でインターハイに出場、3年生で3位になっています。2年からU-18(18歳以下)全日本ジュニア代表となってアジア大会に2回出場してます。
 大学は名門・日本体育大、4年間関東大学リーグとインカレで優勝しています。
 1年生ではインカレ新人王、全日本ジュニア代表としてアジア大会で3位。3-4年生では全日本学生選抜メンバーに選ばれています。
 卒業後はJBL新潟アルビレックスへ進み、全日本代表メンバーとしてアジア大会出場を果たしてます。その後福岡レッドファルコンズ、JBLオーエスジー(07年からbj浜松・東三河フェニックスとなる)、そして08年からJBL三菱電機を経て入団。
 196cmながら走れて跳べてその上外からのシュートが得意なSF(スモールフォワード)。チーム最年長。

堀田剛司選手
蒲谷 正之選手

 最後に紹介するのは横浜商科大高出身の蒲谷 正之(かばや まさゆき)です。183cmで29歳は脂の乗り切ったベテランです。
 横須賀市の浦郷ミニからバスケットを始め、追浜中2年生ではジュニアオールスター神奈川県代表に選ばれ見事全国制覇し、3年生では3位となり優秀選手賞(ベスト5)を獲得し横浜商大高へ進みます。
 2年3年と連続でインターハイ出場を果たし、3年生ではU-18全日本ジュニア・メンバーとなりました。
 進学した日本大では、3年生で春のトーナメントとインカレで優勝し、4年生ではインカレ3位となってます。そして全日本学生選抜メンバーとして日韓戦とジョーンズ・カップに出場しました。
 卒業後はJBL三菱電機で全日本総合選手権で2位となり、bj富山グラウジーズで3シーズンプレーしてまた三菱電機に戻ってきました。
 bj時代には週間MVPに輝いたこともあります。
 ポジションはマイケル・ジョーダンと同じSG(シューティング・ガード)、ここは能力の高い選手が集まるポジションです。蒲谷は身体能力が高く、鋭角的な動きが出来てクラッチ・シューター(ここぞと言う時にシュートを決める選手)でも有ります。特にジャンパー(ジャンプ・シュート)は高く跳ぶのが魅力。

 今回パプを除くとベテラン選手ばかりですが、これが良いのですね。彼らが礎となってこれからをビーコルを作り上げてゆく訳ですから、分別のつく大人の選手が必要なのです。
 7月23日(土)のチーム・トライアウトで数名の日本人を選び、そこに外国人選手が5名ほど加わる予定です。

 外国人は現地時間7月16日にアメリカのロサンゼルスでトライアウトを行い、そこで選ぶ予定です。
 肝心のコーチはその前に決まるハズですが、、、

 それは次回のお楽しみ!

あんどうたかお プロフィール

1946年生まれ。

月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。

現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。

NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。

過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。

横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。

現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。

また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。

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