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    イベントレポート

“足”を差し伸べる - GLOBE CUP

by :スポーツ情報センター:sekki.

 サッカー・フットサルは、世界で最も人気のスポーツである。その影響力もまた、大きい。FIFA(国際サッカー連盟)は世界のサッカー・フットサルを統括する組織として[For the Game. For the World.]をコミットメントとして掲げ、[Football For Hope]をはじめとして、世界中で直面するあらゆる問題に対する活動を展開している。またFCバルセロナがクラブ史上初めて、ユニフォームの胸部にUNICEFのロゴを入れるなど、組織として取り組むものも多い。個人レベルでも、フィーゴ選手(インテル)やジダン氏、日本でも中田英寿氏など、チャリティー活動に力を入れている選手も多く、その影響力が伝えるメッセージは、人々の興味や関心を惹きつける。

 第10回目を数えるGLOBE CUPが、11月22日(土)に横浜みなとみらいスポーツパークで開催された。GLOBE PROJECTという学生団体が主催する、チャリティーフットサル大会だ。


   

   


 大会で使用されたフットサルコートの面積分だけ、カンボジアに埋まっている地雷の撤去費用に充てられるというこのイベントに、快晴の青空の下、40チーム・およそ400名がみなとみらいスポーツパークに集まり、フットサルを楽しんだ。誰もが皆、笑顔で心からフットサルを楽しんでいた。サッカー好きの私も、仕事を忘れて加わってしまいたいと何度思っただろう。

GLOBE PROJECT代表 栗原寛さん「フットサルを楽しんでほしい。」
GLOBE PROJECT代表の栗原寛さんはこのイベントのあるべき姿を話してくれた。「楽しむことが誰かのために」というGLOBE PROJECTの理念を具現化するためには、まず楽しむというきっかけがスタートになるのであろう。
その上で「このイベントを通して“リアリティー”を伝えたい。」と続けた。


 そのリアリティーとは何だろうか? GLOBE PROJECTの象徴を示すように、活動の様子や実際にカンボジアで撤去された地雷の実物がクラブハウスに展示されていた。

“世界で最も地雷埋設密度の高い国”と言われているカンボジア。【地雷の現状】という題名のパネルには、こんな記載があった。

・今、世界中に推定1億個の地雷が埋められています。
・30分に1人がその地雷によって無残に殺されたり足を吹き飛ばされたりしています。
・このまま除去を進めていっても完全になくなるまで数100年かかると言われています。
[原文]

      


 このリアリティーが伝わるかどうかは人それぞれ、と言えばそれまでかもしれない。しかし少なくとも、何が起こっているか、どう向き合うか、そして何ができるか、それらを考える上で、写真や言葉、そして実物が目の前にあれば、想像はできるはず。そのためのきっかけが、こうした活動を通じて広がっていくのである。

 特筆すべきは、GLOBE PROJECTのメンバーがこうしたイベントで集まった地雷撤去費用を、現地の地雷除去団体に直接手渡しし、現地の様子をメンバーそれぞれが確かめることとしている点だ。GLOBE PROJECTの運営は「協賛を集めるのが大変ですが、企業の方も活動に理解を示して下さり、たくさんの協力をいただけています」と栗原さんは話す。

 努力の成果により、40チーム・およそ400名という参加者になって表れた。このイベントによって、フットサルコート5面分(1コート31m×20m計算)、3100平方メートルの地雷除去ができるようになった。

 カンボジアで地雷に怯える人たちが、その苦しみから解き放たれて、この楽しくて幸せなひとときを共有できる日が来ることを、心から願うばかりだ。

 普段は楽しく仲間でサッカーやフットサルをする延長線上で、ぜひこの活動に加わってみてはいかがだろうか。

[第10回 GLOBE CUPを終えて]

第10回 GLOBE CUPは成功に、そして無事に終了しました。
今回ハマスポどっとコムへ、GLOBE PROJECTのメンバーよりメッセージをいただきました。

☆   ☆   ☆

栗原 寛さん

GLOBE CUPはフットサルを楽しむことで地雷がなくなる、スポーツを楽しむことが未来を変えるきっかけになる、といった大会です。
今回参加していただいた皆さんには、自分が思いっきりスポーツを楽しみながらも出来ることがあるということを感じていただけたら幸いです。
また40チームの人が、一つの場に集まりフットサルを楽しむ風景を見て、スポーツのもつ力、スポーツの可能性というものを再認識いたしました。
大会はこれからもスポーツを愛する全ての人と100回、1000回と続けていきたいと思います。

今回開催にあたりご協力いただいた全ての人に感謝します。有難う御座いました。

☆   ☆   ☆

竹内 祐貴さん

大会を通じて改めて本当に多くの方々に支えられていることを感じました。
まだまだ課題も多いですが皆さんに楽しんでもらえる大会を今後も開催できるように頑張っていきたいと思います。
ぜひ、大会に遊びに来ていただけたら嬉しいです。
一緒にスポーツを楽しみましょう。

☆   ☆   ☆

トランティ 美佳さん

今大会では、子供たちが地雷のこと、世界のことに興味を持ってくれたことが新しい進歩でした。
一所懸命サッカーをする姿もとても印象的でしたし、素直な心で私たちの話に耳を傾けてくれ、地雷がどのようなものなのか、彼らなりに感じてくれたのではないでしょうか。
話を聞きにきた一人の子供が放った言葉に私はとても衝撃を受けました。

「日本に生まれて良かった」

この言葉に、彼がどのような想いでこの言葉を言ったのかはわかりません。
しかし、この言葉にこれからの未来を託しても良いのではないか、私はそう感じました。
幼いころにこのようなことを知る、そして感じる、考えることで、未来は変わる。
私は小さな彼から放たれたこの言葉に、強いものを感じました。

これからどうなるか分からない世界。

でもそれを恐れるのではなく、笑いながら、楽しみながら一緒にひとつひとつ片付けていければ良いのではないでしょうか。

笑顔の輪はきっと広がります。

笑顔のまわりには、笑顔が生まれます。私はそう信じています。

これからGLOBE PROJECTに関わった人たち、みんなが笑顔になる、そんな団体を目指して、活動を続けていきます。

☆   ☆   ☆