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元オリンピック陸上選手苅部俊二のダッシュ

vol.126 「第97回東京箱根間往復大学駅伝競走」

第97回東京箱根間往復大学駅伝競走が1月2日(土)から3日(日)に開催されました。今回の大会はコロナ禍の影響を受け、無観客での開催でした。関東学生陸上競技連盟は「応援したいから、応援に行かない」をキャッチコピーとして沿道での観戦自粛を呼びかけました。

 

私は毎年大手町の読売新聞東京本社前のスタートに赴きます。
いつも、1区の選手のスタートするすぐ後ろにいて、スタートを見守っていたのですが、今年はスタート近くにあるホテルのテレビでスタートを観ることとなりました。例年、箱根のゴールで学生を迎えるのですが、今回は離れたところで選手を出迎えました。3日の復路も同じような感じで、いつもとは全く違う箱根駅伝でした。


閑散とした往路ゴール手前

大手町スタートも箱根ゴールも関係者以外はほとんど人がいませんでした。こんな箱根で駅伝は初めてです。例年はスタート、ゴール付近は観客が4列5列と重って選手に声援を送ってくれています。


往路ゴール

沿道にはどうしても直接応援したかったのでしょうか、観客の方がチラホラ見えましたが、大学ののぼりやタオルを掲げる人、コスプレをしている人などいつもいらっしゃる人たちがいないのは寂しい限りです。沿道の応援や観客の方々も箱根駅伝を楽しむだいご味の一つでしたからね。

開催にあたり関係者の皆さんには多大なるご尽力を賜り、無事開催できたこと心より感謝いたします。大変なご苦労があったことと推察します。また、多くの方にテレビやラジオでの観戦をしていただきました。ご協力ありがとうございました。

さて、うちの大学の結果ですが、往路16位、復路17位で総合17位に終わり、予選会から出直しです。ただ、1区だけ区間賞を獲得し、少しだけ存在感を出すことができたと思います。「法政出てたの?」状態は避けられましたかね。

復路スタート

 

 

1月31日(日)には、第40回大阪国際女子マラソンがこちらも無観客で開催されました。今年の大阪国際女子マラソンは箱根駅伝より厳重で、外部の道路と完全に遮断して長居運動公園の中、2.8キロの周回コースを約15周するコースで行いました。レース中、関係者以外の方は公園内に入ることはできません。

東京オリンピックマラソン代表に内定している一山麻緒選手(ワコール)と前田穂南選手(天満屋)ら有力選手が出場し、日本記録を狙うということで大きく報道されました。

平坦な公園内を周回するということと、男子のペースメーカーを付けることで記録が出るのではと話題となりました。ペースメーカーはマラソン2時間08分14秒の記録を持ち、世界陸上に4回の出場経験のある川内優輝選手(あいおいニッセイ同和損害保険)や同じく2時間08分45秒のベストを持つ岩田勇治選手(三菱重工)ら実力者5人の男子選手が務めるということでしたから話題にもなりますよね。

結果は、一山選手が2時間21分11秒で優勝しました。野口みずきさんが2005年にマークした2時間19分12秒の日本記録には惜しくも届きませんでしたが、ペースメーカーの的確なペースメイクにより途中までは良い感じで走れていました。見ごたえのあるレースでオリンピックに弾みがつく挑戦だったと思います。

 

ご存知の方も多いと思いますが、陸上競技では、助力行為は認められていません。しかし、ペースメイクは認められています。勝利することが最大の目的である世界選手権やオリンピックでは、ペースメーカーはつけませんが、記録を狙う大会ではペースメーカーがレースを先導することがよくみられます。市民マラソンでもさまざまなペースで、ペースメイクしてくれるランナーがいますよね。

女子のレースを男子が引っ張っていいのか、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これもちゃんと認められています。ただし、女子単独のレースの記録とは分けて公認されます。ちなみに女子マラソンの女子単独日本記録は一山選手の持つ2時間20分29秒です。

ペースメーカーは、ラビットともいわれます。ラビットは賭けドックレースを先導するおもちゃのウサギ(ラビット)が語源です。ペースメーカーは事前に公表され、多くの場合、途中でレースをリタイアします。今回の川内選手はゴールしたようですね。大阪国際女子マラソンのように数名のペースメーカーを付けることもあります。ペースメーカーにさらにペースメーカーを付けることもあります。ペースメーカーは、ナンバーカードの色が違ったり、「PACE」と書かれていたりするので、だれがペースメーカーなのかはわかると思います。

川内選手のペースメイクは見事でした。ペースメーカーは、記録を出させることが目的なので、それなりに実力がないとその任を遂行することができませんし、川内選手のような一流選手が担当することも少なくありません。短距離である400mの選手が800mのレースのペースメーカーとなることもあります。

世界記録や日本記録を上回るペースで、レースが展開されると大会が盛り上がります。また、ペースが早すぎたり遅すぎたりしてペースメイク失敗がみられたり、そのままペースメーカーがトップでゴールしてしまったりとたまに珍事が起きますので、また違った見方ができると思います。注目してみてくださいね。

苅部俊二 プロフィール

1969年5月8日生まれ、横浜市南区出身。

元オリンピック陸上競技選手。横浜市立南高等学校から法政大学経済学部、富士通、筑波大学大学院で競技生活を送る。

現在は法政大学スポーツ健康学部教授 コーチ学(スポーツ心理学) 同大学陸上競技部監督 法政アスリート倶楽部代表 日本陸上競技連盟強化委員会ディレクター兼オリンピック強化コーチ(ハードル)。

2007年から日本陸上競技連盟強化委員会の男子短距離部長を務め、世界選手権(2007大阪、2009ベルリン、2011大邱、2015北京、2019ドーハ)、オリンピック(2008北京、2012ロンドン)に帯同。

また、2014年には日本陸上競技連盟の男子短距離部長へ復帰し2016リオデジャネイロオリンピックに帯同し、日本短距離男子チームの責任者として同行した。

1990年代を代表する陸上競技者として活躍。1996年のアトランタと2000年のシドニーオリンピックに出場、世界室内陸上競技選手権大会400mで銅メダルを獲得するなどの活躍を見せた。元400mハードル日本記録保持者。

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