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元オリンピック陸上選手苅部俊二のダッシュ

vol.123「リモート陸上大会」

新型コロナウイルス感染症の感染拡大はなかなか収まりませんが、スポーツは少しずつ動き出しました。プロ野球は無観客、Jリーグやバスケットボール(Bリーグ)、バレーボール(Vリーグ)、ラグビーはリモートマッチで開催され、現在は段階的に解除されています。リモートマッチとは無観客試合のことなのですが、無観客試合は懲罰的な意味合いがあるので名称を「リモートマッチ」にしているようです。

春、夏の甲子園大会が中止され、春の代替試合が甲子園高校野球交流試合として、夏の大会は、各都道府県の独自大会が開催されています。神奈川県でも8月1日から183校が参加し、トーナメント式で独自大会が始まっています。全国高等学校総合体育大会(インターハイ)も各地で独自の代替大会が開催されるようになりました。各競技団体関係者のご尽力は計り知れません。

 

私の大学でも練習が再開しました。
日本スポーツ協会や日本陸上競技連盟、大学から出されているガイドラインを遵守しながら活動をしています。しかし、スポーツ活動にはネガティブな見解もあり、精神的にきついことも多々あります。また、新型コロナウイルス感染症の感染者数の増加は留まっていないことから、中止や延期となる大会が未だに多くあり、目標を定めることも困難です。
とりあえずは9月に全日本大学選手権が開催されそうなので、大会が開催されることを信じてトレーニングしています。

 

 

陸上競技では、各地の独自大会や既存の大会に中学生の部や高校生の部を設けるなどで代替大会を設定していますが、日本陸上競技連盟はリモート陸上という独自の大会を開催しています。正式名称は高校生の部が「2020高等学校リモート陸上競技選手権大会」、中学生の部が「第66回全日本中学生通信陸上競技大会」といい、各地で開催される指定大会の記録が集計されます。記録は世界選手権やオリンピックなどで活用されているポイント制を活用し、風などは補正され、種目ごとの全国ランキングを決めていきます。

記録は、高校の部が7月1日から9月6日まで、中学の部が7月1日から10月31日までの期間に開催される指定された大会で出されたものが有効となり、記録は随時集計されてランキングがインターネットで公開されます。例えば日本の高校100m男子のランキング(8月10日現在)1位は、10秒39で中京大学附属中京高等学校(愛知)の選手で、4495位までランキングされています。

横浜市の高校の部は、9月5日から6日まで指定大会として、三ッ沢公園陸上競技場で開催される「第62回神奈川県高等学校新人陸上競技大会横浜地区予選会」があります。中学の部は10月3日に等々力陸上競技場で開催されます。

特設サイトでは種目はもちろん、都道府県や学校名、個人名でも検索することができますので、もし、対象大会に出場したら検索してみてはいかがでしょうか。

ちなみに中学生の部は、各都道府県の種目優勝者にはバッチが、8位まではメダルと賞状が授与されます。全国ランキングは10位までに賞状が授与されます。高校の部の表彰はありません。

 

中学生の通信陸上というと実は歴史が古く、1955年(昭和20年)にNHKの放送網を利用した全国中学校放送陸上大会の開催が基となっていて、第20回大会から通信陸上と呼ばれるようになりました。全国の中学校の記録の優勝者はラジオで発表していたそうです。

私も中学生の時、県の通信陸上に出場しましたが「通信」の意味はよく理解していませんでした。県の通信陸上大会の記録上位者が全国大会に出場できるくらいにしか思っていませんでした。ちなみに当時記録は届かず全国大会には出場できませんでした。

 

もう1つ、バーチャル・ディスタンス・チャレンジ(通称バーチャレ)というオンラインを使用したランキングサイトがあります。

こちらはTWOLAPS TC代表の横田真人さん(ロンドンオリンピック800m日本代表)が主催している大会です。日本陸上競技連盟のものと似ていますが、日本陸上競技連盟のリモート大会のランキングよりも先に発表され、開始しています。また、バーチャレは公認大会でなくても動画を撮ってそれを測定することでエントリーができるので誰でもいつでもどこでも参加でき、手動(ストップウォッチ計測)でも認定されます。記録の精度がどこまで正確なのか疑問は残りますが、面白い取り組みです。

バーチャル・ディスタンス・チャレンジ

今夏に開催される予定であった全日本レベル規模の中学生、高校生の大会は残念ながら中止となってしまいましたが、新しい試みとしてのリモート大会、ランキングサイトが実施されるようになりました。日本のランキングをネットで公表することは、今までありそうで実現しませんでした。今回の感染症の影響により生まれたものです。不謹慎ですが、こうしたことを考えるきっかけとなったようですね。

日本陸上競技連盟のリモート大会は登録者で、かつ指定された大会しかランキングされません。バーチャレは誰でも参加できます。運動会なども集計して日本全国の人が参加できるランキングがあると面白いかもしれませんね。例えば「50mの全国民ランキング」とか。実際に全国民は無理だとは思いますが、「私は昨年日本で1,623万位くらいだったけど、今年は350万2604位!」とかわかったら楽しくないですか。

苅部俊二 プロフィール

1969年5月8日生まれ、横浜市南区出身。

元オリンピック陸上競技選手。横浜市立南高等学校から法政大学経済学部、富士通、筑波大学大学院で競技生活を送る。

現在は法政大学スポーツ健康学部教授 コーチ学(スポーツ心理学) 同大学陸上競技部監督 法政アスリート倶楽部代表 日本陸上競技連盟強化委員会男子短距離部長。

2007年から日本陸上競技連盟強化委員会の男子短距離部長を務め、世界選手権(2007大阪、2009ベルリン、2011大邱、2015北京、2019ドーハ)、オリンピック(2008北京、2012ロンドン)に帯同。

また、2014年には日本陸上競技連盟の男子短距離部長へ復帰し2016リオデジャネイロオリンピックに帯同し、日本短距離男子チームの責任者として同行した。

1990年代を代表する陸上競技者として活躍。1996年のアトランタと2000年のシドニーオリンピックに出場、世界室内陸上競技選手権大会400mで銅メダルを獲得するなどの活躍を見せた。元400mハードル日本記録保持者。

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