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元オリンピック陸上選手苅部俊二のダッシュ

vol.32「箱根予選会」

第89回東京箱根間往復大学駅伝大会の予選会

 2013年1月2日、3日に横浜市を縦断する第89回東京箱根間往復大学駅伝大会の予選会が10月20日(日)東京都立川市の陸上自衛隊立川駐屯地から国営昭和記念公園までの20キロコースで開催されました。昨年、今年と箱根駅伝から遠ざかっている私が監督をしている法政大学はこの予選会で8位に入り、3年ぶりにチームとして箱根駅伝に出場できることになりました。


箱根駅伝の出場権を獲得して喜ぶ法政大のメンバー

 ハマスポで何度も必ずチームとして走ります、と公約しておきながら出場できず2年、やっと出場権を獲得できました。

 この予選会ですが、本戦の箱根駅伝並みに観客が訪れています。スタートやゴール周辺は応援する大学ののぼり旗が並び、まるで戦国時代の戦のようです。

 この箱根駅伝予選会が始まったのは1955年(昭和30年)11月21日、第32回大会からで、代田橋−井の頭公園間で開催されました。それ以前は、関東学生10マイルという大会が1946年(昭和21年)から開催され、箱根駅伝の出場校がこの大会に出場していたようです。

 この第32回大会の予選会の本戦出場校は15校で予選会には19校が参加しています。予選免除のシード校はありません。距離は10マイルで上位8名の平均記録で上位15校が決められました。上位10名の平均記録となったのはその3年後の1958年(昭和33年)第35回大会予選会からで、現在の上位10名の合計記録となったのは1966年(昭和41年)です。20キロで行うようになったのは1963年(昭和38年)第40回大会予選会からです。

 シード校は1956年(昭和31年)から前年の箱根駅伝の上位10校に予選会免除という形で与えられるようになりました。


予選会を走る選手たち

 予選会は、練馬区や江戸川沿い、八王子富士森公園、大井ふ頭などで行われ、今の昭和記念公園になったのは第77回大会の予選会(2000年 平成12年)からです。2003年(平成15年)は第80回記念大会ということで箱根町芦の湖で開催されました。

 箱根駅伝本戦でもブレーキがあったり、襷が繋がらなかったりといろいろアクシデントがありますが、予選会でもドラマがあります。エースのブレーキや不出場、今年は、東海大学のエース村澤明伸選手が残念ながら欠場しました。予選会の当日の朝には誰が欠場、誰が疲労骨折など、情報が飛び交います。東海大学は村澤選手の欠場が響き本戦出場を逃しました。

 過去を振り返ると予選会もいろいろあったようです。1956年(昭和31年)第33回大会の予選会で第4位に入って本戦出場権を得た順天堂大学がチーム編成不能を理由に本戦出場を断念、また1968年(昭和43年)第46回大会の予選会では名門早稲田大学と明治大学がメンバー不足で予選会を棄権しています。

 1958年(昭和33年)第35回大会予選会では5位までにしか本戦出場が与えられなかった当時に第6位の埼玉大学が、平均タイムが良かったとして特例で本戦に出場しいています。

 また、1983年(昭和58年)の第60回記念大会と1993年(平成5年)の第70回記念大会は上位6校に出場資格が与えられる中、記念大会ということで特例として第60回大会は11時間20分の標準記録を突破した11校、第70回大会は、10時間50分を切った9校が本戦への出場権を得ました。さらに70回大会は2校が特例で追加され合計11校が本戦に出場しています。追加されたうち1校は法政大学でした。

 今回の予選会には標準記録を突破した45チームが参加しました。そのうち本戦に出場できるのは9校です。その9校がシード校である10校と学連選抜の1チームを足した20チームが2013年1月2日、3日の第89回東京箱根間往復大学駅伝大会に出走できることになります。

 9校の決め方は、1大学12名が走り、そのうちその大学の上位10名の合計記録が良いチーム上位9校となります。その9校のうち下位3校は、5月に開催された関東学生対抗陸上競技選手権大会のポイントによって、記録が引かれてその合計記録によって決まります。複雑ですよね。とにかく、上位9校が箱根駅伝を走れるということです。

 法政大学は9校中8位で本戦出場権を得ました。しかし、ポイントを使用しています。本来の記録ですと9位でギリギリの通過です。事実上最下位での通過です。

 昨年はわずか39秒での予選敗退でした。10人が20キロ走って合計100キロ、そしてその差がわずか39秒です。各校の力は拮抗しています。このわずか39秒が私たちにとって本当に大きな時間でした。これを埋めるために選手たちは1年間頑張ってきたのです。

 今回の通過大学は以下となります。

1位 日本体育大学 10:04:47
2位 帝京大学 10:08:05
3位 中央学院大学 10:09:54
4位 大東文化大学 10:10:13
5位 上武大学 10:10:42
6位 神奈川大学 10:11:27
7位 日本大学 10:08:55(マイナス 355″ )本来記録10:12:50  8位
8位 法政大学 10:10:37(マイナス 300″ )本来記録10:13:37  9位
9位 東京農業大学 10:10:41(マイナス 205″) 本来記録10:12:46  7位

 これにシード校

東洋大学
駒澤大学
明治大学
早稲田大学
青山学院大学
城西大学
順天堂大学
中央大学
山梨学院大学
國學院大学
の10校と学連選抜の合計20チームが本戦を走ります。

 学連選抜は第89回大会から1大学1人しか出場できないという制度に代わりました。今までは制限がかかっていませんでしたので多少戦力は落ちるかもしれません。しかし、各大学のトップ選手ですから強豪チームです。

 横浜に関係した大学も予選会を疾走しました。
19位  関東学院大学 10:36:48
28 位 慶應義塾大学 11:09:09
33 位 横浜国立大学 11:31:09

 この中で、選抜には、予選会68位に入った関東学院大学の山本哲広選手、同155位の慶應義塾大学、門出康孝選手が選ばれています。門出選手は14番目の選手で走ることはないかもしれませんが、学連選抜の選手たちはチームとして出場できなかった悔しさを学校代表として走りぬけてくれることでしょう。

 法政大学の地元選手としては、横浜市立港南中学校出身の松田憲彦選手が走る予定です。地元を走るのはどんな気持ちなのでしょうね。きっと頑張ってくれると思います。

 予選会の戦い方と本戦の戦い方は全く違います。予選通過は実質最下位ですが、上位にひと泡吹かせる気持ちでシード権(10位以内)を狙っていきたいと思います。2013年1月にまた報告します。

 2013年正月、沿道に行かれる方も多いと思います。風を切って走る選手にぜひ暖かい声援を送ってください。出来ましたらオレンジ色にひときわ熱い声援をお願いします!

苅部俊二 プロフィール

1969年5月8日生まれ、横浜市南区出身。

元オリンピック陸上競技選手。横浜市立南高等学校から法政大学経済学部、富士通、筑波大学大学院で競技生活を送る。

現在は法政大学スポーツ健康学部教授 コーチ学(スポーツ心理学) 同大学陸上競技部監督 法政アスリート倶楽部代表 日本陸上競技連盟強化委員会男子短距離部長。

2007年から日本陸上競技連盟強化委員会の男子短距離部長を務め、世界選手権(2007大阪、2009ベルリン、2011大邱、2015北京)、オリンピック(2008北京、2012ロンドン)に帯同。

また、2014年には日本陸上競技連盟の男子短距離部長へ復帰し2016リオデジャネイロオリンピックに帯同し、日本短距離男子チームの責任者として同行した。

1990年代を代表する陸上競技者として活躍。1996年のアトランタと2000年のシドニーオリンピックに出場、世界室内陸上競技選手権大会400mで銅メダルを獲得するなどの活躍を見せた。元400mハードル日本記録保持者。

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