SPORTSよこはまVol.37:スポーツ医科学センター
横浜市スポーツ医科学センター 整形診療科長●清水 邦明
近年、健康維持や増進のためのウォーキングは広く定着し、公園周囲や川沿いの土手などはもとより市街地でもスポーティーな出で立ちでウォーキングしている人たちをたくさん見かけます。「体は動かしたいけど、走ったり球技を行うのはちょっと…」と感じている中高年にとって、ウォーキングは手頃な運動と言えるかもしれません。
ウォーキングは一見手軽で無理のない、だれでもすぐにできる運動というイメージがあると思いますが、ウォーキングを始める人の多くは体の強さや柔軟性が低下してきている年代です。健康のために、と思って始めたウォーキングが逆に体を傷める原因になっては元も子もありません。今回は、どのようなことに注意しながらウォーキングを行ったらよいか、整形外科の立場からいくつか挙げてみたいと思います。
ウォーキングを始める前にチェックすべきこと
①体(特に腰や下肢)に痛みを感じている部位はありませんか?
→加齢とともに関節の軟骨は除々にすり減り、また足部のバランスも悪くなります。腰椎のクッション(椎間板)機能も低下し、また神経の通り道(脊柱管)も少しずつ狭くなっていきます。
②足の指の付け根、足底、かかと、膝、腰などに日常生活上の痛みを抱えていませんか?
→もし、それらの痛みがあればウォーキングを始める前に病院を受診し、状態の評価を受け、必要に応じて治療することが先決です。
特に、歩行距離に応じて除々に下肢痛や関節痛が増強する場合は、脊柱管狭窄症や変形性関節症が疑われ、要注意です。ウォーキングは適度に筋肉を使い、また心肺機能・持久力に好影響を与える一方、腰や下肢の関節にある程度の負担もかけることを頭に入れておく必要があります。また、腰や下肢の状態に応じてどのくらいの負荷が適量かのアドバイスを受けるのもいいでしょう。
実際にウォーキングを開始する際に考えるべきこと
大切なのは靴の選択です。衝撃を十分吸収する、足底面のクッションがしっかりしたスニーカーが無難でしょう。実際にスタートする前にはしっかり下肢のストレッチを行いましょう。アキレス腱、ふくらはぎ、大腿の前面・後面の筋肉は時間をかけて伸ばしてから歩き始めましょう。ウォーキングの継続時間は、最初は短い時間で物足りないと感じるくらいから始めましょう。まずは、15〜20分、「うっすら汗をかいたけどほとんど疲労を感じなかった」というくらいが適量です。翌日に筋肉の痛みや関節の痛みが出ていないことを確認できたら、その後除々に時間を延ばしていきます。逆にウォーキング開始後それまであまり感じていなかった痛みが持続するようであれば、量の問題を含め体に負荷が大きすぎると考える必要があります。
歩くフォームも気にかけましょう
もちろん自分が歩きやすい・リラックスして歩けるということも大事ですが、悪いフォームでの歩行はより腰や下肢の関節に悪影響となる可能性があります。胸を張って、手を振り、膝をしっかり延ばしてかかとから接地することを意識します。無理にスピードを上げずに、心地よく歩ける速度で始めましょう。そして、ウォーキング終了後には再びきちんとストレッチを行いましょう。
トレーニングルーム編
いつもスポーツ医科学センターのトレーニングルームをご夫婦で利用されている鈴木廣志さん・まりさんにお話を聞きました!! ご夫婦で通われるようになったきっかけは、最初にまりさんがリハビリのために当センターに訪れたことが始まりです。その後、一人ではトレーニングを長く続けることができないと思い、廣志さんを誘って2人でトレーニングルームに通うようになったそうです。
当センターのトレーニングルームでは、鈴木さんご夫妻のようにご夫婦やご家族で利用される方が多くいらっしゃいます。一人ではなかなかトレーニングを始められないと思われる方も、ご家族、お友達と一緒にご利用してはいかがでしょうか? トレーニングルームのご利用には、「利用講習会」の受講が必要です。詳しくは、電話でお問い合わせください。
TEL. 045-477-5050 http://www.yspc.or.jp/ysmc/
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横浜市スポーツ医科学センター 整形診療科長●清水 邦明
近年、健康維持や増進のためのウォーキングは広く定着し、公園周囲や川沿いの土手などはもとより市街地でもスポーティーな出で立ちでウォーキングしている人たちをたくさん見かけます。「体は動かしたいけど、走ったり球技を行うのはちょっと…」と感じている中高年にとって、ウォーキングは手頃な運動と言えるかもしれません。
ウォーキングは一見手軽で無理のない、だれでもすぐにできる運動というイメージがあると思いますが、ウォーキングを始める人の多くは体の強さや柔軟性が低下してきている年代です。健康のために、と思って始めたウォーキングが逆に体を傷める原因になっては元も子もありません。今回は、どのようなことに注意しながらウォーキングを行ったらよいか、整形外科の立場からいくつか挙げてみたいと思います。
ウォーキングを始める前にチェックすべきこと
①体(特に腰や下肢)に痛みを感じている部位はありませんか?
→加齢とともに関節の軟骨は除々にすり減り、また足部のバランスも悪くなります。腰椎のクッション(椎間板)機能も低下し、また神経の通り道(脊柱管)も少しずつ狭くなっていきます。
②足の指の付け根、足底、かかと、膝、腰などに日常生活上の痛みを抱えていませんか?
→もし、それらの痛みがあればウォーキングを始める前に病院を受診し、状態の評価を受け、必要に応じて治療することが先決です。
特に、歩行距離に応じて除々に下肢痛や関節痛が増強する場合は、脊柱管狭窄症や変形性関節症が疑われ、要注意です。ウォーキングは適度に筋肉を使い、また心肺機能・持久力に好影響を与える一方、腰や下肢の関節にある程度の負担もかけることを頭に入れておく必要があります。また、腰や下肢の状態に応じてどのくらいの負荷が適量かのアドバイスを受けるのもいいでしょう。
実際にウォーキングを開始する際に考えるべきこと
大切なのは靴の選択です。衝撃を十分吸収する、足底面のクッションがしっかりしたスニーカーが無難でしょう。実際にスタートする前にはしっかり下肢のストレッチを行いましょう。アキレス腱、ふくらはぎ、大腿の前面・後面の筋肉は時間をかけて伸ばしてから歩き始めましょう。ウォーキングの継続時間は、最初は短い時間で物足りないと感じるくらいから始めましょう。まずは、15〜20分、「うっすら汗をかいたけどほとんど疲労を感じなかった」というくらいが適量です。翌日に筋肉の痛みや関節の痛みが出ていないことを確認できたら、その後除々に時間を延ばしていきます。逆にウォーキング開始後それまであまり感じていなかった痛みが持続するようであれば、量の問題を含め体に負荷が大きすぎると考える必要があります。
歩くフォームも気にかけましょう
もちろん自分が歩きやすい・リラックスして歩けるということも大事ですが、悪いフォームでの歩行はより腰や下肢の関節に悪影響となる可能性があります。胸を張って、手を振り、膝をしっかり延ばしてかかとから接地することを意識します。無理にスピードを上げずに、心地よく歩ける速度で始めましょう。そして、ウォーキング終了後には再びきちんとストレッチを行いましょう。
トレーニングルーム編
いつもスポーツ医科学センターのトレーニングルームをご夫婦で利用されている鈴木廣志さん・まりさんにお話を聞きました!! ご夫婦で通われるようになったきっかけは、最初にまりさんがリハビリのために当センターに訪れたことが始まりです。その後、一人ではトレーニングを長く続けることができないと思い、廣志さんを誘って2人でトレーニングルームに通うようになったそうです。
当センターのトレーニングルームでは、鈴木さんご夫妻のようにご夫婦やご家族で利用される方が多くいらっしゃいます。一人ではなかなかトレーニングを始められないと思われる方も、ご家族、お友達と一緒にご利用してはいかがでしょうか? トレーニングルームのご利用には、「利用講習会」の受講が必要です。詳しくは、電話でお問い合わせください。
TEL. 045-477-5050 http://www.yspc.or.jp/ysmc/