ハマスポ

 
横浜市風景シルエット
 
       
 

ハマスポロゴハマスポ

横浜市風景シルエット
 
注目ワード
 
    イベントレポート

心を解き放つ空間。 [ダイナミックアートキャンプ]

by :スポーツ情報センター:sekki.

 8月20日(水)、横浜市こども自然公園青少年野外活動センターで「ダイナミックアートキャンプ」が開かれ、講師には横浜を中心に活躍している“ロコ・サトシ”さんを迎えた。

ロコ・サトシさん
 ロコさんは1970年代後半から横浜で活動を始めた。その後才能が認められ、89年の横浜博覧会でパビリオンをペイント。活躍の場を新本牧地区、みなとみらい21地区、横浜ポートサイド地区などをはじめ、横浜の景観にたくさんの作品を描いてきた。身近なところでは横浜市営バスのラッピングや、横浜駅東口地下街「ポルタ」のポイントカードのデザインを手がけるなど、横浜のどこかで一度はロコさんの作品を見かけたことがあるのではないだろうか。

 今回のこの教室はおよそ50名が参加した。小学生の友達同士と親子での参加とあって、とてもにぎやかになった。用意された白無地のTシャツとエコバッグに、参加者それぞれが思い思いの絵を描くという、いたってシンプルな内容。参加者のほとんどがあらかじめデザインを十分に考えてきていて、好きなキャラクターやスポーツのユニフォームを模したりなど、特徴あるデザインが多く個性にあふれたものとなった。

 講師として教えるロコさんの姿や雰囲気は、アーティストとしてのキャリアを感じさせる。一方で教室の間はずっと、参加者との気さくなコミュニケーションを欠かさない。絵の描き方、学校や友達の話、とりとめのない話……。誰彼となく話し話かけられ、みんなを自然と笑顔に彩っていく。

 そんなロコさんも「20年くらい前、最初は照れながら(ワークショップを)やっていた」と話す。

 「自分に向かないなぁ…」と思いつつも「自分が作家として作品にどう向かうか、どう生きるかを考えたとき、別に子供も大人も関係ないなって思えたときに、照れがなくなった。(子どもと接すると)ピュアな部分や無垢なところが多いから、逆に得られるものがとても多い」と、こうしてふれあう機会をとても大切にしている。

   

   

    

   

 大人がこの社会で生きているうちにどこかに忘れてきてしまった、ピュアな気持ちと無垢な心。私もこの教室の空間にいる間、小さい頃にそんな気持ちを抱いていたことを思い出した。小さい頃は後先のことも考えず、無茶なこともいっぱいした。今では社会人として、世の常やしがらみと向き合うことが当たり前だと思っていた中で、自分が童心に戻れるのはどんなときだろうと考えてみたとき、思いのほか自分を表現する場が身近なところにないものだと気づかされる……。

 「絵はいくら冒険してもケガをしない」

 
 「ぼくは臆病で、本当は子どもの頃からプロスポーツをやりたかったけど、痛いのが嫌だった(笑)。絵はどんなに冒険してもケガをしないし、冒険すればするほど人が楽しんでくれる。こんなにいいものはない」

 ロコさんとの会話の中で、一番印象に残った言葉だ。

       

 2時間があっという間に過ぎてしまった。短いながらもロコさんと同じ時間と空間を共有したという証、思い思いに描かれたTシャツとエコバッグが、教室を彩る。上手だとかそうでないとか、そんなことは関係ない。大切なのは、自分が描きたい、表現したいと思ったことが出せたかどうかなのだ。

 この教室を通じてロコさんは「夢を追いかける力を持ってほしい」とメッセージを送った。

 大人はこの社会で生きているうちに、心に蓋をしてしまっている。たしかに子どものピュアで無垢な気持ちだけでは、社会に適応することは難しいかもしれない。どこかで自分を抑え、戒め、時には偽ってしまうこともあるだろう。

 「大人でも心のドアを開けると、子どもでは太刀打ちできないくらい、迫力ある絵を描く。人間は年齢を重ね、社会に出れば出るほどピュアさや純粋さを無くしていくけど、どうしても(ピュアさや純粋さは)持っているもの。その蓋を取り除いたときに出る力はすごいものがある。だから大人も自信を持って趣味を楽しみ(心の)蓋を開ける場所と閉める場所を覚えたら、人はもっと変われると思う」

 好きなことに夢中になる、息抜きをする、たとえわずかな時間でも、心から楽しむことでメリハリをつける。世の中の流れに乗って、急ぎすぎてしまったら少し立ち止まってみる。ちょっと足を伸ばすだけで、こんなにも楽しい空間が、すぐ身近にあることに気づくだろう。

市村所長
 今回の教室が行われた横浜市こども自然公園青少年野外活動センターは、横浜という街の都会的なイメージを忘れさせてくれる、とても落ち着いた環境だ。同センターの市村勉所長は「この施設は広い公園の中にありますが、自然がとても多くあり、いろんな自然環境があります。鳥も動物が多く棲みつける環境である、それがここのよいところだと思います」と話す。

 ちょっと都会の喧騒を離れて、疲れた心を癒す、あるいは純粋無垢な気持ちを思い出す、そんなゆったりとできる空間が、この街にはある。

☆ ロコ・サトシさんのオフィシャルサイト [ rocco-zoo.com ]

☆横浜市こども自然公園青少年野外活動センター(http://www.yspc.or.jp/kodomo_yc/)
 ※ちなみに宿泊は「家族が泊まりやすい部屋割りになっています」(所長談)

 
 
                           
 
t