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    イベントレポート

アフリカのためにできること。 〜 RUN FOR AFRICA! チャリティーリレーマラソン 〜

by :スポーツ情報センター:sekki.

 5月24日土曜日。今にも泣き出しそうな雲行きの中、日産スタジアムで「RUN FOR AFRICA! チャリティーリレーマラソン」が行われた。男子マラソンのハイレ・ゲブラセラシエ選手が持つ世界記録2時間04分26秒を駅伝方式で走る。参加費の一部がアフリカの発展のために寄付される。決められたゴール目指して走るのではなく、特別な意味を持った時間の中で走る。それがイベントの内容だ。

 午前10時、142チーム788人が参加する一般の部がスタートを迎える。トラックのスタート地点がにぎやかになっていた。テレビや雑誌などでよく見かける有名人がすぐ目の前にいたり、アフリカ衣装やアフロのかつら、この日産スタジアムをホームにする横浜F・マリノスのユニフォームといった、思い思いの格好で走ろうとする参加者がいたりした。中にはきちっとマラソンのユニフォームをまとい本格的な走りを見せるチームもあった。

 スタートの前後こそ熱気に近い雰囲気があったが、その後は終始チャリティーイベントらしいにぎやかで暖かな雰囲気に変わっていった。

 日産スタジアムのトラックと外周、およそ1.5kmを走る。私も実際にコースを歩いてみたが、思った以上に距離が長いと感じた。ランナーはこのイベントを楽しんでいるだろうかとその表情に注目してみたが、ところどころ走ることのつらさと苦しさがにじみ出ているように見えた。

 しばらく歩き通し、ところどころ立ち止まってみて、再びランナーの表情に注目した。今度はそのほとんどが笑顔でありこのイベントを楽しんでいるように見えた。何故かと思い少し先を歩いてみたら、ひとりの女性が通り過ぎるランナーに元気よく声をかけ、ハイタッチや握手を交わしていた。

 その女性こそ、オリンピック女子マラソンで2大会連続メダリストとなった、有森裕子さんだ。

 有森さんは在京国連機関の連合チーム“one UN”を率いての参加。最初は他のランナーに混じって走っていたが、途中からコースに立ち止まって、通り過ぎるランナーを力いっぱい励ましていた。2〜30分はその場所にいただろうか、有森さんは絶えることなく通り過ぎていくランナーに声をかけ続けた。ランナーもそれに応える。とても微笑ましい光景だ。

 有森さんは「声が枯れてしまいました」と笑って話してくれた。だからといって声かけをやめるわけではない。むしろ一呼吸置くごとに、より一層誰よりも元気を出してランナーを励まし続けていた。ランナーにとって、これほど元気を与えてくれるものはないだろう。有森さんとコミュニケーションが取れたランナーには、それまで苦しんでいた表情に笑顔が戻り、心なしか少し走りが力強くなったように感じたのは、きっと気のせいではないはずだ。

 一般の部が終了し、入口ゲート前でアフリカ料理の販売が行われていたため、スタンドではあちらこちらで食事を取る光景が見られた。

 青年海外協力協会のメンバーとして参加した清水直美さんは、「今日はとても気持ちよく走れました。参加者だけでなくスタッフにもアフリカの方がたくさん参加していたのがすごくよかったと思います」と話してくれた。美しく清々しく話してくれたその笑顔は、アフリカのために走ることのできた喜びと満足感にあふれていた。

 続く12時30分、今度は12チーム107名が参加する小学生の部がスタートした。こちらも一般の部に負けじと、力強い走りを見せる子どもたちの姿が印象的だった。1.5kmは決して短い距離ではないはず。それでもチーム全員でつないだたすきは、最後まで途切れなかった。

 RUN FOR AFRICA! チャリティーリレーマラソンは、心配された雨も降らず無事終了した。今年は横浜でアフリカ開発会議が開催されるなど、アフリカに対する市民の関心度も高かった、ゆえにこのイベントを開催する意義は充分にあったのではないだろうか。

 アフリカでは、今この瞬間にもたくさんの支援の手を必要としている現実がある。今日の空のように、もう誰も泣かないために、私たちにできることは何か。このイベントを通して、そして走ることを通して、ひとりでも多くの人たちがより身近なことと考え、アクションを起こすきっかけになることを、切に願うばかりである。

 
 
                           
 
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