ハマスポどっとコム
横浜のスポーツは今
生涯にわたってスポーツを楽しめる社会を実現するために(2)
●文/久代雅之(横浜市教育委員会生涯学習部スポーツ課長)

はじめに

 横浜市教育委員会は平成16年3月に横浜市スポーツ振興審議会に対し「横浜市スポーツ振興基本計画(仮称)の策定」について諮問を行いました。スポーツ振興審議会では多岐にわたる項目について約2年間にわたり審議を進め、昨年12月に最終答申案を取り纏めました。
 今回は、この最終答申案の中から、「新たな生涯スポーツ振興のしくみづくり」及び「生涯スポーツ社会を実現するための5つの目標」の項目についてご紹介します。

1.「新たな生涯スポーツ振興のしくみづくり」とは?

  スポーツを取り巻く社会状況は大きく変化しています。そして、スポーツが持つ社会的な意義はさらに大きく変化しています。
 少子高齢化の進展により社会全体が既存の様々なシステムを転換する必要に迫られています。生涯スポーツ振興のシステムも例外ではありません。学校・企業・行政を中心とするこれまでのスポーツ振興システムは、子どもや生産年齢世代が人口の多数を占め、行政等による画一的なサービスが必要とされる時代では有効なシステムでした。
 しかし、これからは違います。学校や企業がカバーできない世代や画一的なサービスでは対応できない需要が増大しています。
 一方、地域社会も様々な問題を抱えています。治安、防災、高齢者介護、青少年の健全育成、環境保全等で地域の課題解決力が試されています。
 核家族化の進展、高齢者の単身世帯の増加、近隣とのつきあいが希薄になりがちな地域社会の中で、住民の交流を促進しコミュニケーションを深める具体的な「手段」が必要とされています。
 スポーツは、その実践者に「楽しさ」「喜び」「達成感」等をもたらし、一緒にスポーツをすることにより「仲間意識」や「連帯意識」が醸成されることはよく知られています。
 スポーツは、健康づくり効果や教育的効果に加えて、地域の絆を深める効果まで期待されるようになってきているのです。
 このような状況から、これからは、住民が主体となり、地域の特色やニーズに対応した新たなスポーツ振興の仕組みが必要とされています。
 例えば、皆さんはこんな思いを抱いたことはありませんか?
 「一つの種目だけでなく、気分や体力に応じていろいろなスポーツがしたい」「子どもと一緒に何かスポーツができないか」「若い頃のスポーツ経験を地域の子どもたちのために役立てたい」「初心者でも気軽に参加できるサークルはないか」等・・・
 そんな思いを解決する仕組みとして提案されているのが、「総合型地域スポーツクラブ」です。この「しくみづくり」に対し横浜市体育協会、横浜市レクリエーション協会、横浜市スポーツ振興事業団、体育指導委員、学校関係者、NPO、企業などは主体的に取り組み、横浜市はこうした地域での活動を支援する役割を果たしていきます。

2.生涯スポーツ社会を実現するための5つの目標
目標1 スポーツを全くしない成人 (20歳以上)を15%減らします。
横浜市民の1年間全くスポーツをしない人の割合は、約40%です。この非実施者数の割合を15%減少させることにより、国の目標である「週1回以上の実施率50%」もほぼ達成できます。

目標2 元気高齢者(65歳以上)の割合を80%に維持します。
横浜市の高齢者(65歳以上)は約60万人ですが、この内79.4%が元気高齢者です。今後、急激に高齢者年代が増加しますが、介護予防事業とも連携して、現在の水準を維持します。

目標3 小中学生の新体力テストで全種目全国平均を上回ります。
現在は、全ての種目で全国平均を下回っていますが、新体力テストの実施校を拡大しながら、全国平均値を目標に体力の向上を図ります。

目標4 全ての市立中学校運動部に専門的指導のできる指導者を配置します。
競技力向上のための取り組みとして、顧問教員のスポーツ医科学研修や技術指導研修を充実する一方で、競技団体、大学等の協力を得て専門的指導のできる指導者を派遣します。

目標5 総合型地域スポーツクラブを18区に最低1カ所以上育成します。
横浜市内では、現在、2クラブが設立済み、10クラブが設立準備中です。今後も、文部科学省の委嘱事業を活用して設立を支援し、さらに、設立後の運営についても支援する仕組みをつくります。

 次回は、この5つの目標を達成するための具体的な取り組みをご紹介します。

←インデックス ↑ページトップ
2006年3月25日作成 (財)横浜市体育協会
2006-2008 Yokohama Sports Promotion Corporation. All Rights Reserved.