ハマスポどっとコム
サッカー写真 横浜熱闘倶楽部
  取材●文/ 中 川 修 二
  協力●横浜FC
横浜FCユース

 地域と協力関係を築き、そこに住む人々と共に15歳以下・ジュニアユースの選手を育成するという独自の方法論を展開する横浜FC。今回は18歳以下・ユース選手のセレクションを取材してきました!
 「市民のクラブ」としての理念はどのように生きているのか、また立ち向かわねばならない問題は?前回(2004.6月号)に引き続きユースアカデミーディレクター(横浜FC普及育成部)川越達也氏にお伺いします。

 

今回はここ長坂谷運動広場での開催です。セレクションはどのくらい行われているのですか?またサッカーの経験はどの程度必要ですか?
 年に2回か3回、今回の対象は現中学3年生と高校1年生です。
 特にキャリアは問いません。ジュニアユースと同じく、サッカーの技術のみを評価します。

ジュニアユースのセレクションでは基礎体力のテストも行われましたが、ユースはいきなり試合形式です。
 もちろんボールを止める・蹴るといった基本的な部分は見ています。
 加えてユースでは戦術的な部分をどれだけ理解しているかをゲーム形式の中で確認しています。例えばディフェンスの選手ならば、戦術を踏まえた上でのカバーリングや的確な声出しが出来ているか、オフェンスでは攻撃の優先順位を理解しているのか、ゴールに向かう姿勢等です。

「市民クラブ」の理念はユースにどのように反映されていますか?
 ジュニアユースでは活動拠点の地域に暮らす、地元の選手に限定していますが、ユースでは東京から通っている選手がいたりと、若干その範囲を広げています。しかしクラブとしては、あくまで地元の選手を中心に展開したいと考えています。と言うのも、将来サッカーだけで生活ができるのは全体の一握りに過ぎません。ジュニアユースの選手同様「サッカー以外の生活」も大切にして欲しいからです。
 現在も、地方より入団の問い合わせが数多く寄せられているのですが、私達の理念にそぐいませんので、残念ながらお断りさせて頂いています。J1のクラブのような全国規模での選手獲得を展開するのは、現在の横浜FCでは難しいですね。

ユースが組織されて以降、近年のジュニアユースの活躍には目を見張るものがあります。反面ユースは元気がないように思えるのですが?
 J1トップレベルのユースチームと比較した場合、残念ながら現状の横浜FCはツーランク下だというのが現状でしょう。
 結局は「選手個人」に行きついてしまう問題なのですが、いくら「組織」で守っても、一対一の局面で簡単に抜かれてしまう。これではなかなか結果に結びつかないですね。

ユースの育成には時間がかかる?
 トップに近いユースには、質的にも量的にも練習を確保しなければ上達は望めません。やはり一番大きな問題は、専有グラウンドがないという事でしょうか・・・。クラブとしてこの問題を解決しなければ、選手個人としても組織としても、レベルアップは難しいのかな、と感じています。

昨年の天皇杯でサンフレッチェを下した際、決勝点を決めた山尾選手も「スポンサーやグラウンドの問題に直結する。僕らは結果を出さないと」とコメントされていました。
 トップチームにも言える事ですが、環境が整わないと選手が集まりませんしね。これまで通りジュニアユースの育成に努め全体の土台を押し上げれば、ユースのレベルもツーランク下からワンランク下まで上げる事は可能だと思います。
 しかし時間はかかりますし、さらに「その先」へ進むには環境から変えていかないといけないですね。

「専有グラウンドの確保」がこれからの横浜FCの命運を握っていると言えますね。
サッカー好きの一人として、一人でも多くの神奈川の人々が、この問題に関心を持って欲しいと願っています。


←インデックス ↑ページトップ
2005年3月25日作成 (財)横浜市体育協会
2005-2008 Yokohama Sports Promotion Corporation. All Rights Reserved.