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横浜のスポーツは今
横浜市民のスポーツライフ
●文/久代雅之(横浜市教育委員会生涯学習部スポーツ課長)

はじめに
 この『S・PORTよこはま』をお読みの皆さんは、スポーツに多少とも興味のある方が多いと思います。
 グラウンドやスポーツセンターで汗を流す人、スタジアムやテレビの前でプロ野球やサッカーを応援する人、スポーツイベントでボランティアをしている人もいるでしょう。
 「21世紀はスポーツの時代」という人もいるくらい、テレビや新聞・雑誌にもスポーツに関する情報が溢れています。これ程皆さんにとって身近なものであるスポーツですが、実は今、大きな変革の時期に来ています。少子高齢化の進展や景気動向等の社会状況の変化とスポーツも無縁ではないのです。これから数回にわたり横浜のスポーツの現状や課題について、皆さんと一緒に考えていきたいと思いますのでお付き合い下さい。

市民のスポーツライフ
 まず、第1回目である今回は「横浜市民のスポーツライフ」についてです。
 平成16年にスポーツ振興のための基礎調査として、「市民スポーツ活動実態把握・スポーツに関する意識調査」を実施しました。市内四区(保土ヶ谷区、金沢区、都筑区、栄区)に在住の20歳以上の市民12000人を無作為抽出し、得られた5113人の有効回答(回答率42.6%)について分析を行いました。分析の結果の主要な点は次のとおりです。

男性と女性どちらがスポーツをしているか?
 「過去1年以内にスポーツ・運動を行ったか」聞いたところ、全体では「まったくしなかった」のは41%、「年1回以上、週2回未満」が35%、「週2回以上」が7%、「週2回以上、1回30分以上」が8%、「週2回以上、1回30分以上運動強度”ややきつい“」が8%と言う結果です。週2回以上定期的に運動・スポーツ実施している割合は合計すると23%になります。これを男女別で見ると、「まったくしなかった」が男性34%、女性が48%、「年1回以上、週2回未満」が男性約40%、女性約31%です。数字上は男性の実施率がやや高い傾向にあります。

若い人ほどスポーツをするって本当?
 次に、スポーツの実施率を年代別に見てみます。20歳代での週2回の実施割合が、一旦30歳代に減り、60歳代まで実施率が増加します。「まったくしない」割合は変化しないことから、スポーツ・運動をする人の頻度が上がるだけという傾向があります。70歳代から急激にスポーツ・運動をしなくなる割合が高まりますが、「週2回以上、1回30分以上運動強度”ややきつい“」は高齢になっても大きく変動しません。つまり、年齢が上がるにつれて、スポーツ・運動に積極的な人と消極的な人の差が拡がってきます。

過去1年間のスポーツ状況なぜスポーツをするのか?
 「どのような理由でスポーツ・運動を行っているか」聞いたところ、男女共に、「健康維持・増進のため」、「好きだから・楽しいから」、「仲間・家族との交流」を上げる人が多くなっています。年齢別に見ると、20歳代で半数近くの人が「好きだから・楽しいから」やっていたのが、年代が進むにつれて、特に60歳代まで「健康の維持・増進」が増加し続け、さらに「病気や障害の治療・リハビリテーション」と「老化防止」も増え続ける傾向があります。30歳代や40歳代では「仲間・家族との交流」を理由としてあげる人が他の年代に比べやや多くいます。また、「体型を良くしたい」「減量」をあげる人は、女性の比率が高くなっています。

 

過去1年間スポーツをしなかった理由なぜスポーツをしないのか?
 過去1年間にスポーツ・運動をしなかったと回答した人にその理由を聞くと、「機会がない」が約45%で最も多く、次に「時間がない」約40%、「病気・体調不良のため」約18%、「疲れる・体力がない」約17%と続いています。年齢別に見ると、20歳代から40歳代までは、約6割の人が「機会がない」「時間がない」事を理由としており、60歳代以降「病気・体調不良のため」「高齢のため」を上げる人が多くなっています。さらに、「どのような点が変わればスポーツ・運動を行う事ができるようになると思うか」と聞いたところ、「一緒に行う仲間がいれば」が31%、「一人で気軽に出来れば」が30%、「気軽に参加できるイベントがあれば」が27%、「休暇時間が増えれば」が26%、「利用料金、参加料金が安くなれば」が26%といった順でした。

ぶらぶら歩きが好きなスポーツNo.1 
 「実施したスポーツ・運動の種目」を聞いたところ、「ウォーキング」が最も多くなりました。今回の調査では「ウォーキング」と「散歩(ぶらぶら歩き)」を分けて質問していませんが、他の全国調査の結果では「散歩(ぶらぶら歩き)」が「ウォーキング」よりも実施率が高いので「ぶらぶら歩き」が実施率No.1と推定されます。年齢が上がるにつれて、この傾向は高まり50歳以上では6割以上の人が「ウォーキング」をあげています。

どんなスポーツをやりたい人が多いのか?
 「これから始めてみたい、または興味のあるスポーツ・運動」については、運動習慣のない人の二人にひとりが「ウォーキング」、4人にひとりが「水泳」をあげています。しかし、週2回以上スポーツ・運動をする人については、「登山・ハイキング」が多く望まれ、「水泳」の希望も多くなっています。「スキューバダイビング」に代表されるアウトドア活動や「太極拳」に代表される癒し(いやし)系の運動が望まれているのも特徴です。

スポーツ好きは活動的!
 地域の行事や職業以外の社会的活動への参加経験・意思とスポーツ・運動の実施率との関係を調べると面白い事がわかります。「過去1年間にまったくスポーツ・運動をしなかった人」は地域の行事や活動に13%が「参加したことがある」と回答しています。「週2回以上スポーツ・運動をする人」は18%から20%の参加率です。また、これからの参加意思についてもスポーツ・運動回数が上がるにつれて希望が高くなります。職業以外の社会的活動についても同様な傾向にあります。つまり、スポーツ・運動を活発にしている人ほど地域行事や社会活動へも参加もしくは参加したいと考えていると考えられます。

まとめ
 もちろん、スポーツ・運動に興味や関心が無く、参加しない人もいます。しかし、誰もが余暇生活は充実させたいと考えているのも事実です。人生を80年として時間数を計算すると、70万時間になります。仮に20歳から60歳までの40年間働くと年間1800時間労働で7万時間となり、人生70万時間の一割に当たります。これに対して余暇活動等に使える時間は21〜25万時間あると言われています。労働時間の3倍以上も余暇活動等に使える時間がある事になります。この時間の使い方で日常生活の満足度・充実度が決まってくるともいえます。スポーツ・運動はその選択肢のひとつです。
 また、スポーツ・運動の実践は、様々な地域活動や社会的な活動への参加を高める要因ともなります。年齢が上がるにつれ地域や社会への参加意欲が薄れる事を防ぐ事をできるかもしれません。スポーツ等を通じて住民同士の親交や交流が深まることは、安全で安心な地域づくりにもつながるものです。スポーツ・運動の振興が地域の連帯意識や協働意識を高め、いわゆる「福祉社会」を建設するための確実な手段でもあるといわれるのはこのためです。
 スポーツそのものをしたいという人もいますが、むしろ多くの人はスポーツも含めた自分の好みに合った楽しい余暇活動を通じて日常生活を充実させたいのでしょう。
 しかし、現実には「時間や機会がなくてスポーツ・運動をやりたくても出来ない人」や「体力・健康状態等から参加を躊躇している人」も多く存在しています。こうした人たちにスポーツ・運動に参加する機会や方法を提供していく事がスポーツ振興を考える上で重要な事となります。
 さて、次回は、「誰もが、いつでも、どこでも、気軽に、楽しく」をキーワードに、スポーツも含めた地域における余暇活動を充実させる仕組みとして期待されている「総合型地域スポーツクラブ」についてご紹介します。


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2004年11月25日作成 (財)横浜市体育協会
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