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スポーツ医科学の現場から
●文/藤牧利昭(横浜市スポーツ医科学センター健康科学課)
ウォーキングイラスト   今回のテーマ:
「ウォーキングと基礎代謝」
「基礎代謝」という言葉が頻繁にTVに登場するようになりました。「トレーニングで筋肉を増やし、基礎代謝を高めることこそ、これからのダイエットだ!」と。たしかに、基礎代謝が高まれば、24時間カロリー消費量 が増えます。では、ウォーキングはもう時代遅れなのでしょうか?
今回は、いろいろな効果がある「ウォーキング」について紹介します。

ウォーキングの効果
 ダイエットのポイントは、食事などでの摂取カロリーを控えることと、消費カロリーを増やすことです。消費カロリーを増やすには、「運動やスポーツ」でまとめてカロリーを消費することと、立ったり、座ったりという日常生活でのカロリー消費率を少しアップすることの二通りあります。「日常生活」は時間が長いので、僅かな率のアップでも効果があります。大切なことは活動的な時間を増やすこと、同じ動作でもキビキビと行うことです。そのためには、ストレッチングで身体をほぐし、トレーニングで筋肉を刺激することです。仮に基礎代謝が高まっても、1日中ゴロゴロしていたらカロリー消費量は増えません。
 有酸素運動は、持久力を無理なく高める運動として広まりましたが、生活習慣病の予防という点からも、その重要性は今日でも変わりません。ウォーキングは、より多くの人が安全に取り組むことの出来る有酸素運動です。また、身体的な健康への効果だけでなく、ウォーキングを通じて仲間づくりができたり、あるいは、日頃は気づかなかった身近な自然との新たな出会いも経験でき、生活を充実させる効果もあります。

正しいフォーム
 さて、ウォーキングを楽しむには「正しいフォーム」で行う必要があります。
 正しいフォームは、「腕をL字に曲げて」とか「胸を張って大股で」「踵から着地」などといろいろと言われていますが、大切なことは、全身を使って伸び伸びと歩くことなのです。
 筋肉が衰えていたり、身体が固くなっていると、伸び伸びと歩くことはできません。腿の裏側やお尻の筋肉が弱くなると、腰が落ちて摺り足のような歩き方になりますが、「大股」や「踵着地」を意識しても直りません。弱った筋肉を少し強化すると良いフォームになっていきます。また腿の前側や付け根(大腿四頭筋、大腰筋)が固いと膝の動きも固くなり、腕をL字に曲げて振れません。その場合は、ストレッチングで筋肉を柔らかくすると良いフォームになっていきます。

適切な運動強度
 運動強度は、「楽でもないが、きつくもない。」強度を探すことが大切です。目標心拍数は下の図中に示しましたが、心拍数には個人差があり、ひとつの目安です。大事なことは、自分にちょうど良い強度を見つけることです。「歩きながら呼吸を意識しないで人と話が出きる上限」を目安にして、その時の脈拍(心拍数)を覚えておくと大変参考になります。歩いている途中で一端足を止めて脈を測る、あるいは歩き終わった後の回復時の脈を測る習慣を付けましょう。歩き慣れてくると脈の回復が速やかになります。逆に、いつもと同じように歩いているのに脈が高かったり、脈の回復が遅かったりしたら要注意です。
 いずれにしても、自分の身体と会話しながら、無理なく行うことが何よりも大事です。そのためには自分の身体を数字で知っておくことが大切です。年に1度は健康診断と体力テストを受けてみて、ご自身の身体のデータを数値で知っておくことが重要となります。
 横浜市スポーツ医科学センターでは運動・スポーツに必要な健康診断、運動負荷試験、体力測定、個別アドバイスをセットにしたスポーツプログラムサービスを用意しています。
 ところで、基礎代謝との関係は? 若い人、歳を取っても元気な人は、ウォーキングだけでは、筋肉への刺激が充分とは言えません。坂道を歩いたり、筋力トレーニングをしたり、ウォーキングの途中で10歩から20歩程度の小走りを入れることをお薦めします。ウォーキング前後のストレッチングも忘れないで行うようにしましょう。
ウォーキング中の心拍数グラフ

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