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横浜市スポーツ医科学センターで行われている「健康づくり講演」の中で市民の皆様から寄せられた質問をわかりやすくまとめました。
みなさまの健康づくりにお役立ていただけたら幸いです。
      Question    
9.高血圧の方の入浴についてはどんなことに気をつける必要がありますか?
入浴は血管を拡張させて血液の流れを良くし、疲れを取ってくれますから高血圧の方にもよいことです。
しかし、熱い湯に入るとその刺激で血圧は上がります。入浴の注意点の第一は、特に寒い時には
脱衣場と浴室の温度差がないように脱衣場を暖め、湯船はぬるめの38−40度くらいとしてゆっくり
くつろいで入るのがよいのです。湯船に入るときもザブンと飛び込まずゆっくりと入り、時間も5分くらいで
一度出るのがよいと思います。あまり長い時間、入っていると脱水から血液が濃くなって固まり易くなる
可能性もあります。
また、血圧の薬を飲んでいる方や糖尿病のある方、また高齢者の中には血圧の調節がうまく働かなく
なっている方もいます。そういう方は入浴後、急に立ち上がると血圧が急に下がり、めまいやふらつきを
起こし、倒れることがありますので注意してください。
高血圧の方人には、冬の温泉場の外湯には行かないこと、ぬるま湯にゆっくり入ること、また、入浴後は
水をコップ一杯飲むこと、そして飲酒後の入浴は慎むことを勧めたいと思います。 
10.テニスクラブで休憩の際ビールを一杯飲んでからまたテニスをやっていますが大丈夫でしょうか?
テニスクラブだけでなく、ゴルフ場でもよくみかける風景です。青空の下で汗を流した後のビールの一杯は
まことにおいしいものです。しかし、アルコールを飲んだ直後の運動には問題があります。
先ず、アルコールで反射神経や判断力が鈍りますので、特に中高年者にとってテニスのようなとっさの
判断を要するスポーツはけがの元になります。もう一つ大切なことは、アルコールにより心拍数が増え、
心臓に負担がかかっているにも関わらず、さらに運動により心臓には大きな負担がかかることになります。
また、アルコールの利尿作用及び体温上昇による発汗作用により体内の水分不足、つまり脱水が
起こります。心臓の悪い方だけでなく、血圧の高い方を含めて飲酒はスポーツ終了後に楽しむ程度に
留めたら如何でしょうか。
11.「血液サラサラドロドロ」とはどういう状態のことを言うのですか?
最近、テレビなどでよく取り上げられている言葉で生活習慣病と関連づけて多くの人の関心をひいている
話題です。身体は細胞を単位としてできており、これに酸素や栄養を送っているのが血管ですが、直接、
細胞に接しているのは毛細血管です。サラサラドロドロはここの流れの具合を表している言葉ですが、
ドロドロだと流れにくいので組織が生きていくために必要な酸素や栄養分がスムーズに届かなくなります。
よくテレビなどで紹介されているサラサラドロドロ度はこの毛細血管モデルを通過する時間によって測定
されています。血液の中身をみると55%が液体成分、これを血漿といいます。その他が血球成分です。
血漿の90%は水分ですが、残りにたんぱく質、脂質、ナトリウムやカリウムなどの無機質です。
この脂質にコレステロールや中性脂肪のような脂肪分が含まれています。
血球成分とは赤血球、白血球とリンパ球、血小板が含まれます。赤血球は全身組織に酸素を送り、
白血球とリンパ球は体内に侵入してきた細菌や異物の排除し、免疫の仕組みを作る作用、血小板は
出血したときなどに止血の役割を果たします。
さて、毛細血管の直径は赤血球より小さいので赤血球がここを通るときには形を変えてここを通ります。
白血球は赤血球より大きいのでさらに形を変えなければここを通過できません。白血球は血管の壁に
くっついて異物を攻撃しますが、これを粘着能といいます。つまり、元来、白血球は血液の流れに逆らう
作用があるのです。血小板は小さいので毛細血管をたやすく通りますが、もし血管に傷がついたりすると
そこにくっついて血液を固まりやすくします。このように赤血球の変形能が低下する、白血球の粘着能や
血小板の凝集能が増加すれば、血液の流れが悪くなります。
このような状況を作る背景に悪い生活習慣が関係することが判ってきました。
糖尿病や悪玉コレステロールは赤血球変形能を低下させ、ストレスや感染症は白血球の粘着能を
増加させ、糖分の取り過ぎや過度のアルコール摂取は血小板凝集能を高めます。
運動不足や喫煙、食べ過ぎ、脂肪の取り過ぎや野菜の少ない偏った食事など日常生活の習慣が血液
サラサラドロドロに大きな影響があるのです。血液サラサラドロドロの主役は血球成分ですが、それが働く
背景を分けて考えると理解しやすいのではないでしょうか。
12.若い頃に身体を鍛えた人は長生きするのでしょうか?
なかなか難しい問題です。昔から若いころに激しいトレーニングをしていたスポーツ選手は長生きかという
問題についていくつかの報告があります。その多くは、ノーという答えです。
昔の名選手の死亡記事を新聞などでみると以外に短命だと感じた方が多いのではないでしょうか。
よくあるタイプは名選手といわれた人でも引退後、急に太って肥満になる、美食家が多い、タバコを吸う、
酒を飲み過ぎる、また現役時代とは逆に運動不足になる、また、勝気なA型性格が多いですから
生活習慣病の危険因子をむしろ普通の人より多く持っていることが少なくないと思います。
既に述べてありますが、競技選手のスポーツの目的は勝負に勝つことにあり、健康つくりではありません。
選手時代に覚えた技術は長い間、身体は覚えていますが、これと健康とは別物です。
長生きのための健康づくりには別のメニューで食事や運動習慣をつけなければなりません。
正に「継続は力なり」です。毎日の生活の中で節制を重ねることが元気で長生きの秘訣であることを
しっかりと頭に刻んでいただきたいと思います。
13.心臓肥大があると言われました。若い頃長距離ランナーだったということもあってこれはスポーツ心臓と考えてよいのでしょうか?
スポーツ心臓というのは、長距離走のような耐久競技のトレーニングを長期間続けた後、心臓が大きくなる
ことをいいます。短距離走や格闘技トレーニングでは起こりません。
心臓が大きくなるというのには2種類あって、心臓が拡がる(拡大)と心臓の筋肉が厚くなる(肥大)です。
スポーツ心臓は、拡大が主で肥大は軽度です。それに若いころのトレーニングで起こったスポーツ心臓は
激しいトレーニングを中止すると1年以内に小さくなってしまうといわれています。
また、若いころの選手クラスのトレーニングを続けている人は少ないと思います。
市民ジョッガー程度のトレーニングではスポーツ心臓まで大きくなりません。
中高年者の心臓肥大は高血圧などの病気に伴って起こることが多く、中高年者がいくらスポーツ愛好者
といっても心臓肥大があれば、先ずそのような病気を背景にして起こることを考えて医師に相談した方が
いいと思います。医師はそれが肥大か拡大かを判定します。
そしてもう一つ、スポーツ心臓には1分間の脈拍数が40とか或いはそれ以下のような徐脈が多いですから、
脈が普通の1分間60とかそれ以上で肥大があればやはり病気による可能性を考えた方がよいと思います。
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