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横浜市スポーツ医科学センターで行われている「健康づくり講演」の中で市民の皆様から寄せられた質問をわかりやすくまとめました。
みなさまの健康づくりにお役立ていただけたら幸いです。
      Question    
5.アルコールを飲むと血圧が下がりますが、これは良いことでしょうか?
確かにアルコールを飲むと血管が拡がりますので血圧は下がります。
特に、いつも精神的に緊張している人は飲酒により気分が落ち着くことも関係すると思います。
しかし、二日酔いの状況ではアドレナリンが増えて血圧が上がることが知られています。
また、多量のアルコール常飲そのものは高血圧の原因となります。その他、つまみとして塩辛いものを
摂ることが多いのですが、食塩は血圧の大敵です。さらに、多量のアルコール摂取は中性脂肪や
コレステロールを増やします。多量の飲酒は血圧に良くないといえます。あくまでも適量の飲酒が
「百薬の長」ということです。適量とは、一般にビール大瓶1本、酒1合程度ですが、その辺りは自分の
肝臓の状態、血圧の状態を含めて主治医に相談してください。
実は、私はこれより少々多いところまで黙認していますが、あくまでも個人差があることをご承知ください。
6朝起きた時に測った血圧が特に高いのですがこれはどういう状態でしょうか?
起床時の血圧が特に高い人がいます。
特に、高齢者の高血圧ではおよそ半数の人が朝の方が高いのです。これを「早朝高血圧」といいます。
朝の血圧として上が130、下が85以上で朝の方が夜より20以上、高ければ早朝高血圧として良いと
思います。朝、血圧が高いことが何故問題かというと心筋梗塞とか突然死が起床前後に多いことが
判ってきたからです。その原因は覚醒前後、身体が目覚める状態になるために自律神経の急な興奮が
起こるためといわれています。血圧の薬を飲んでいる人は、薬の作用が朝まで効いていないこともあり、
そういう人は寝る前に服薬するなどの工夫が必要になります。
7.運動中には血圧が上がりますが、どの程度までならよいのでしょうか?
運動中に上がる血圧の程度は人によって違います。その程度を知る検査として運動負荷試験が
あります。この検査は心臓病の診断や運動処方を作るために受けることが多いのですが、心電図と
同時に血圧を測ります。高齢者では若い人より運動中の血圧が上がり易く、200を越すことは稀では
ありません。私の印象では、若い元気な人では例えば脈拍を毎分150拍くらいのかなり激しい運動でも
大体上の血圧が同じ150くらいですが、高齢者になると200とか250にもなることがあります。
これだけ血圧が高くなると危険ですから、このレベルまで上げない方が良いという判断になります。
従って、それぞれが運動負荷試験でどの程度まで運動のレベルを上げるとどの程度まで血圧が上がる
かを調べておくのが良いのです。
運動中の血圧の上がり方には運動の種類が大きく関係します。重量のあるマシンを使って行う運動では、
息をこらえて強く力を入れるので酸素を吸わない状況になります。これは、無酸素運動といって心臓や
血圧には良くありません。血圧があまり上がらず、ゆっくり酸素を吸いながら長く続けられる運動、
いわゆる有酸素運動が良いのです。
年齢やそれぞれの人の元来の血圧の値にもよりますが、私自身の経験ではゆっくりした或いは時々、
速歩を入れたウオーキングを30分くらい行った時でも脈拍は多くて90くらい、血圧も上がってせいぜい
140とか150です。このくらいの運動がよいのではないでしょうか。
それから、冬場のウオーキングは血圧上昇が大きいことにも注意して下さい。真冬の早朝に犬の散歩を
している高齢者をよく見かけますが、冷たい風に当たるだけで血圧が上がります。
まして、力の強い犬に引っ張られる形で坂道を小走りに走るなどはかなり危険なことだと思います。
8.睡眠と血圧はどのような関係があるのですか?
血圧は起床後から上がり始め、昼間は活動の程度に応じて高く、夜になるにつれて下がります。
昼間は活動、夜間は休息の時間ですから夜間の睡眠中は血圧が下がるのが普通です。
睡眠には、脳が休息するノンレム睡眠と脳が活動して夢を見るレム睡眠に分けられます。
レムというのは、眼が速く動いている状態Rapid Eye Movementの頭文字REMを取った名称です。
健康な人の場合、入眠後はノンレム睡眠の浅い時期を経て深い睡眠に入り、また浅い睡眠に戻ります。
いずれもノンレム睡眠ですが、この時期には脳は休息します。その後、レム睡眠に入りますが、
この時期の眠りは浅いウトウト状態で、眼はキョロキョロ動き、そして全身の筋肉の緊張が抜けて
しまいます。怖い夢を見て、目が覚めても動けない「金縛り」のような状態はレム睡眠の時期です。
寝返りはノンレム睡眠期の比較的浅い時期に起こります。子どもでは一晩に40−50回、大人では
20回くらい寝返りをするといわれています。このようなノンレム・レム睡眠の交代周期が90分くらいで、
これを3−4回繰り返して覚醒に至るといわれております。
さて、夜明けの覚醒前はレム睡眠期ですが、この頃には自律神経も目覚めてくる時期なので血圧が
急に上がったり、下がったり変動の激しい時期です。自律神経の嵐が吹く時間帯といわれ、心臓や
血圧に関係する病気が良く起こる魔の時間帯とされています。前に述べた早朝高血圧もこの一つの
表れです。また、特に高齢者の中には夜間、血圧が下がらない人もいます。こういう人は、いわば夜間の
休息がないことになり動脈硬化が進む一つの原因になります。
最近、話題の睡眠時無呼吸症候群の人は血圧が高くなるといわれておりますので、イビキが強い人は
血圧もチェックする必要があります。さらに、睡眠中の枕が高過ぎると頭に血液を送るため血圧が上がる
傾向になります。
本来、夜は安らかな睡眠から休息を得るためにあるのであることを改めて認識して頂いて、夜更かし、
不摂生のない夜を過ごして頂きたいと思います。
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