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    イベントレポート

心機一転。栄光再び

by :中込祐平

「1998年。横浜ベイスターズはマシンガン打線や大魔神・佐々木主浩を擁し、38年ぶり

のリーグ優勝、さらには日本一に輝いた。その時、チームの中核を担っていたのは

鈴木尚典である。彼はこの年、前年に引き続き首位打者を獲得。日本シリーズでは

MVPにも輝いた。その彼も今年で入団17年目の35歳、もうベテラン選手である。ここ

数年は若手外野手の台頭もあり、出番が減っていた。

2007年2月。ベイスターズは大矢明彦監督が10年ぶりに現場復帰。ベイスターズ

再建を誓う中で、そのキーワードとしてあげたのは鈴木尚典であった。鈴木自身も今年、背番号を「7」

から入団当時の「51」に戻し、復活を誓った。

2007年3月30日。セントラルリーグ開幕。横浜スタジアムでは横浜ベイスターズと

読売ジャイアンツの試合が行われた。午後6時10分、審判のプレイボールがかかったとき、

開幕スタメンの座を勝ち取り、レフトの守備についていたのは鈴木尚典であった。

巨人・高橋由信の開幕戦先頭打者初球ホームランという歴史的な幕開けをしたこの試合。

一回の裏、2アウト・ランナー1,2塁のチャンスで鈴木の2007年初打席は回ってきた。

その初球。「カーン」という音とともに、ボールはセンター前に転がっていた。

いきなりのタイムリーヒット。この瞬間、私は目頭に熱いものを感じるとともに、彼の強い

スター性を感じた。続く2打席目はレフト前へのヒット。3,4打席は三振に終わったものの、

絶頂期の鈴木尚典のバッティングを思い出させるには十分であった。シーズンもまだまだ始まった

ばかり。彼のレギュラーも保障されたわけではない。古木、下窪ら若手選手も虎視眈々とその座を狙っている。

鈴木尚典の復活劇も始まったばかりだ。