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元オリンピック陸上選手苅部俊二のダッシュ

vol.68「予選会突破」

 

 

10月17日(土)、東京の昭和記念公園で「第92回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会」が開催されました。

この予選会は2016年の正月、1月2日(土)、3日(日)に開催される箱根駅伝本戦の予選会です。

 

予選会

予選会は例年と同じく、陸上自衛隊立川駐屯地から立川市街地を経て昭和記念公園内をゴールとする、全長20kmのコースで行われました。本戦の出場権は予選会上位10校に与えられます。予選会参加校は49校で、合計577名が出走しました。1校12名まで走ることができ、各校上位10名の合計タイムで競われます。

 

この予選会で出場権を獲得した上位10校に今年の箱根駅伝シード校(上位10校)を加えた20校と、さらに予選会で本戦出場に漏れた大学のうち個人上位の選手で編成される関東学生連合チームの合計21チームが、2016年1月2日(土)に東京大手町から箱根に向けてスタートを切ることが出来ます。

 

私は法政大学の総監督なのですが、2015年は残念ながら予選会で本戦の出場権を獲得できず、12位で予選敗退してしまいました。2015年は寂しい正月でした。

そして、今回の予選会、第7位で2年ぶりに本戦に復帰となりました!!!

 

予選会結果

 

結果は以下となります。
1位 日本大学(4年連続86回目)     10時間06分00秒
2位 帝京大学 (9年連続17回目)     10時間07分20秒
3位 日本体育大学(68年連続68回目) 10時間07分37秒
4位 順天堂大学 (5年連続57回目 )    10時間07分58秒
5位 神奈川大学 (6年連続47回目 )    10時間08分01秒
6位 拓殖大学(3年連続37回目)           10時間08分36秒
7位 法政大学 (2年ぶり76回目 )               10時間11分03秒
8位 中央大学 (87年連続90回目 )           10時間11分32秒
9位 東京国際大学 (初出場)                      10時間11分41秒
10位 上武大学(8年連続8回目)                10時間12分04秒

 

以上10校が2016年第 92 回東京箱根間往復大学駅伝競走本戦出場です。

以下、予選敗退大学

 

11位 国士舘大学                       10時間12分14秒
12位 東京農業大学                  10時間12分57秒
13位 国学院大学                       10時間13分28秒
14位 創価大学                            10時間14分13秒
15位 専修大学                            10時間16分29秒

 

 

10位と11位の差はなんとたったの10秒です。一人20km走って10人の合計ですから、200kmで10秒です。1人1秒。彼らにとっては長くて遠い10秒なのかもしれません。うち(法政大学)も11分03秒ですから、1分10秒以上遅れたら予選敗退です。1人換算で7秒です。それだけ力は拮抗していますし、1人のブレーキが大きな影響を及ぼしてしまいます。国士舘大学は10人がゴールしたのはうちよりも早かったのです。それでも敗退してしまいました。本当に予選会の戦いは熾烈です。来年はここには戻りたくないものです。

 

日本テレビのページで予選会の様子がダイジェスト版でご覧いただけます。激闘の予選会がご覧いただけると思います。うちの大学のはしゃぎ過ぎ、ご勘弁くださいませ。
しかし、予選敗退校の様子は何度見ても切なくなります。昨年は私たちだったのですが、、、、。

 

法政大学

 

とにかく、うちは東京箱根間往復大学駅伝競走本戦に無事に戻ることができました。2日の朝、東京を出発して10時から11時くらいには横浜市を通過すると思います。ひいきの大学とともに法政大学にもぜひ声援を送っていただけると嬉しいです。

 

 

さて、駅伝、マラソンなど陸上界ではロードシーズンとなりました。テレビでの放送も多くなってきましたね。ハマスポをご覧になっていただいている皆さんには少し違った見方をしていただきたく思います。レースの攻防や駆け引きなども大変面白いのですが、トップ選手のフォームをよく観察してほしいのです。

 

特に前方から映している時、選手の脚のつき方に注目してみましょう。トップ選手がまっすぐに足を着いているのがわかると思います。がに股の選手や足の外側から接地している選手は結構いますが、そのような選手でも大抵の選手が、つま先が進行方向に向いていることがわかると思います。このつま先が進行方向へ向いていることが大事なのです。
つま先が外に向いていると力が外に逃げてしまいますし、足を外から進行方向側へ捻って進むために足首や膝を痛めてしまうことがあります。

 

走り方イメージ図

 

その他にもトップ選手の走り方は、トップ選手ゆえの優れたフォームを持ち合わせています。ロードレース玄人っぽいテレビ観戦として選手のフォームの分析をお勧めします。走られている方は特に理想とする選手に注視して、そのフォームを真似てみてはいかがでしょうか。

 

 

2016年法政大学は箱根路に帰ってきました。

私は2日の大手町スタート、箱根のゴール、3日箱根スタート、大手町ゴールに出没する予定です。たまにテレビに映ってしまっています。(笑)

笑顔でスタート、ゴールを迎え良い正月を迎えたいものです。

 

 

 

苅部俊二 プロフィール

1969年5月8日生まれ、横浜市南区出身。

元オリンピック陸上競技選手。横浜市立南高等学校から法政大学経済学部、富士通、筑波大学大学院で競技生活を送る。

現在は法政大学スポーツ健康学部教授 コーチ学(スポーツ心理学) 同大学陸上競技部監督 法政アスリート倶楽部代表 日本陸上競技連盟強化委員会ディレクター兼オリンピック強化コーチ(ハードル)。

2007年から日本陸上競技連盟強化委員会の男子短距離部長を務め、世界選手権(2007大阪、2009ベルリン、2011大邱、2015北京、2019ドーハ)、オリンピック(2008北京、2012ロンドン)に帯同。

また、2014年には日本陸上競技連盟の男子短距離部長へ復帰し2016リオデジャネイロオリンピックに帯同し、日本短距離男子チームの責任者として同行した。

1990年代を代表する陸上競技者として活躍。1996年のアトランタと2000年のシドニーオリンピックに出場、世界室内陸上競技選手権大会400mで銅メダルを獲得するなどの活躍を見せた。元400mハードル日本記録保持者。

ブログ

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