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元オリンピック陸上選手苅部俊二のダッシュ

vol.5 「インターハイ」

 7月28日〜8月2日まで沖縄に行ってきました。全国高校総体(インターハイ)の陸上競技を観るためです。全国の都道府県を持ち回りでめぐるこの大会も、最後の県となりました。次からは地区開催となります。来年は東北地区です。

 陸上競技は、沖縄本島中部の沖縄市にある県営陸上競技場で行われました。この競技場は私にとっても思い出の競技場です。私が高校3年生の時の国体がこの会場でした。スタンドは当時のままです。

 さて、今回の大会、もちろん横浜の高校生がたくさん出場していたのですが、見事に3つの種目で優勝しました。県立荏田高校の長谷川美里さんが女子200m、400mで2種目優勝を達成しました。200mと400mでの2冠達成は現在日本代表で活躍している現日本記録保持者、千葉(丹野)麻美さん以来で今後の活躍が大いに期待されます。レースも圧勝でした。
 そしてもう1種目、男子4×400mリレーで桐蔭学園が会心のレースで優勝してくれました。3走の長谷川君が優勝候補の埼玉栄を引き離し、アンカーの皆木君が埼玉栄の猛追を退け、1着でゴールしました。4×400mリレーは通称マイルリレーといって、大会の最後に行われ、スタンドも大変に盛り上がります。チームの4人が喜びを爆発させて見せる歓喜の表情はとても爽やかでした。

 沖縄での熱い戦いは、暑さとの戦いでもありました。気温は33度前後で、関東とそれほど違いはありませんでしたが、日差しが強く、直射日光を浴びると肌がじりじりして痛いくらいでした。私はスタンドに日影が少なかったので雨傘をさしてしまいました。
 このような暑い中で運動するとき注意しなければならないのは熱中症です。大会中は何度も注意喚起のアナウンスが放送されました。8月も中旬ですが、まだまだ暑い日が続きます。今回は水分補給についてお話しましょう。

 熱中症対策や応急処置などは多くの情報がネットに溢れていますので(ハマスポ.comにもあります)、私のしていた水分補給の仕方を紹介します。
 私は、練習の時と試合時の飲み方を変えていました。最大の違いは水の温度です。水分が身体に吸収されるには大体5℃くらいの温度が良いとされています。一般には5℃〜15℃くらいの水分が運動後の体温の上昇を抑えると報告されています。5℃の水ってかなり冷たいですよね。
 私は大会の時は冷たい水は避けていました。ふたを開けていないボトルをかばんに入れそのまま冷やさず、常温にして飲んでいました。こうするとまずがぶ飲みはしませんし、こまめに飲むことでのどの渇きは抑えられます。なぜ吸収のよい冷たい水にしないかというと、冷たい水は実は疲れるのです。冷たい水は体温を下げます。体温が下がるとエネルギーを消費してしまいます。ですから冷たすぎると体力を使うのです。体温を下げることを目的としていないので体温を下げる必要はありませんから常温でも構わないのです。
 冷たい水は気持ちよくつい飲み過ぎてしまい、水分過剰摂取でお腹がタポタポしてしまいます。こんな状態では走れません。また、水は胃を通過してほどんどが小腸で吸収されるのですが、胃液が薄まって食欲が減退してしまうこともありますし、過剰な水分摂取によって、大量の発汗作用から逆に脱水症状を引き起こすこともあるそうです。

 練習の時は、身体が熱を持っていますので少し冷たい水を飲むようにしていました。身体にかけることもあります。うちの陸上競技部では、グランド横に氷風呂を用意しています。

 スポーツドリンクかミネラルウォーターかという議論もありますが、私はどちらでも構わないと思います。しかし、糖分の多いものはさらに水分を欲してしまいますので注意が必要です。よくスポーツドリンクを2倍から3倍に薄めて摂っている選手もいます。また、汗でミネラル成分が身体から失われますので塩分濃度0.1〜0.2%、糖度3〜5%などと言われていますが、失われる量は微量でありそれほど気にしなくてもよいという研究者もいます。要は食事でしっかりとミネラルを摂っておくべきという考え方です。
 私の水分の摂り方は正解かどうかはわかりませんが、用途に合わせて上手に水分補給をし、残暑を乗り越え、夏後半の快適なスポーツライフを楽しんでくださいね。

苅部俊二 プロフィール

1969年5月8日生まれ、横浜市南区出身。

元オリンピック陸上競技選手。横浜市立南高等学校から法政大学経済学部、富士通、筑波大学大学院で競技生活を送る。

現在は法政大学スポーツ健康学部教授 コーチ学(スポーツ心理学) 同大学陸上競技部監督 法政アスリート倶楽部代表 日本陸上競技連盟強化委員会男子短距離部長。

2007年から日本陸上競技連盟強化委員会の男子短距離部長を務め、世界選手権(2007大阪、2009ベルリン、2011大邱、2015北京)、オリンピック(2008北京、2012ロンドン)に帯同。

また、2014年には日本陸上競技連盟の男子短距離部長へ復帰し2016リオデジャネイロオリンピックに帯同し、日本短距離男子チームの責任者として同行した。

1990年代を代表する陸上競技者として活躍。1996年のアトランタと2000年のシドニーオリンピックに出場、世界室内陸上競技選手権大会400mで銅メダルを獲得するなどの活躍を見せた。元400mハードル日本記録保持者。

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