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あんどうたかおのバスケにどっぷり

Vol.5 草バスケット

草バスケットとしての市民大会は各地で盛んに行われています。
レベルには結構差があります。
中には強豪大学から実業団入りしたような人から、学生時代に体育の授業でやってました、みたいな素人に近い人まで様々です。でも好きだからゲームに来るんです。
何が好きって?
バスケットだったり、チームだったり、チームの仲間だったり、チームのマネージャーの女の子だったり(笑)

そんな草バスケットチームのコーチには意外な苦労があるんです。
優勝することのみを目標とするような、そして週に何度も練習をしている強豪と呼ばれるチームにはあまり関係ありませんが、練習は月に一度とか、メンバーが集まるのはゲームと飲み会の時だけというような、個人的には好きで、愛すべきチーム達のことです。

コーチは勝つための采配を振るうのは当然のことです。それはプロだろうがアマチュアだろうが、スポーツや勝負の世界の掟です。ところがアマチュアとなると、勝つことだけに集中出来ない何かがあります。もしくは何時から勝利以外の思考を始めなくてはいけないのか、ということです。

草バスケットは仲が良いチームほどメンバーが多いのです。でも全員が上手いというわけじゃないですよね。いやいや、逆に上手い人が多すぎても大変な時もありますが。
上手い人も、上手くない人も、一人でも多く、また1分でも多くベンチ・プレーヤーにプレーさせたいのです。一緒に練習してきたり、夜遅くまで杯を分け合った友達、仲間です。少しぐらいシュートが入らなくたって、ミスが多い選手でもコートに立たせたいのです。

まして折角の休日を、恋人や友人、家族、子供の「一緒に遊びたい」というシガラミを振り切って体育館に来た仲間です。中には全然シガラミがなく、バスケットをするのが生きがいという「バスケ魂」みたいな人もいることはいますが(笑)
そういう選手達を終了のブザーが鳴るまでベンチに座らせておくのは辛いんです。
選手達はわかってないかもしれませんが、コーチってそういうモノなんです。

一番嫌なのは中途半端な点差の時です。例えば負けている時。
コーチによって点数に開きがありますが、一応の目安として10点差というのがあります。
人間の心理として、9点差は一桁なのでまだ追いつけそうだけど、11点差となると二桁で苦しくなるかな?

例えば第4Q(ウォーター)の残り3分ほど、10点差で負けているとしましょう。
ここで入れれば8点差となって「もう少し頑張れ!」となるのですが、逆に相手に入れられ12点差となると「駄目かな?そろそろベンチの選手を使おうか?」と頭に弱気な考えがよぎります。
そしてもう1ゴール入れられ14点差になると踏ん切りがついて、控え選手の投入時期や下げる選手について具体的に考え始めます。

ところが逆に、自チームの普段入らない3P(スリーポイント・シュート)が入って、もう1ゴールも決めて7点差になったら「それ行け!やれ行け!」です。控えの選手を使うなどという考えはどっかに飛んでいってます。

でもそれが続かないのが草バスケットの悲しいところで、もっともそれが続くようだったら強豪チームになってますよね(笑)相手に決められまた10点差に逆戻り(爆笑)

これの繰り返しでタイムアップとなって14点差で大敗、こんなパターンは良くあるでしょう。
そして飲み会で、出られなかった選手から「ボロ負けなんだから、30秒でもいいから出たかったなー」とチクリと嫌味を言われたりして。でもそれは酒に流して、間違い「水に流して」次のゲームで再会するのです。

そんな葛藤があるのかどうかはわかりませんが、港北区民大会はレベルが高かったですね。新横浜、有名な横浜アリーナの近くの港北スポーツセンターはバスケット好きな男女が沢山集まってました。
メインフロアに2面、サブフロアに1面と3コート全てを使って朝9:10からから晩の8:30まで、ずーーーっとバスケットです。
Criss Cross、Team-S、BABY SATAN、SPARKS、CHICKEN NUGGETSだとか横文字のチーム名が多いのはバスケットの特徴でしょうか? そういえばHEPPOKOエンタテェイメントというのもあったけど、これも横文字ネームというのかな(笑)

レベルが高いとはいえやはり草バスケット、和気藹々としてるのが良いのですよね。正式ルールではベンチに登録選手やスタッフ以外は入れませんが、家族や恋人たちが居るというのは微笑ましいですよね。これがバスケットの理解者を増やす一因ですからね。
何でもかんでもルールで縛るのではなくて、みんながバスケットを楽しむためなら、こんなルール違反は大歓迎です。

区民大会や市民大会は頻繁に行われてますから、一度近所の公共の体育館へ足を運んでみてはいかがですか?

あんどうたかお プロフィール

1946年生まれ。

月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。

現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。

NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。

過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。

横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。

現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。

また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。

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